2009年06月04日

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『資産運用実践講座機‥蟷駘論と運用計画編』4

山崎 元著  2009年6月11日発行  1890円(税込)

資産運用実践講座I 投資理論と運用計画編資産運用実践講座I 投資理論と運用計画編
著者:山崎 元
販売元:東洋経済新報社
発売日:2009-05-29
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本書の内容はFP(ファイナンシャル・プランナー)向けのウェブコンテンツがもとになっているようです。そのため、一般向けの資産運用本よりはやや難しく、専門書ほどは難しくありません。両者の橋渡し的な内容になっています。

一般向けに書かれた著者の本にはもともとそのような性質がありましたが、本書はそれらよりもやや専門書寄りになっています。まえがきによると、「お金の運用に関する「中級」のテキストブック」だそうです。本書の各章のタイトルは以下の通りです。



  1. 家計の投資余力を判定する
  2. 運用計画の作成方法
  3. 投資理論は有効か
  4. 投資理論と実際のマーケット
  5. 運用にまつわる誤解を解く
  6. 多様化する運用手段
  7. 金融機関とどう付き合うか

本書には一部数式も出てきますが、全体的にはある程度資産運用についての基本的な理論を知っている方には、タイトルから受ける印象ほどは難しくありません。

本書に限りませんが、著者の本は資産運用において一般的な「常識」となっている考え方を再考するものが多く、資産運用について多面的な見方ができるようになると思います。

いつもながらのシニカルな語り口であり、本文以外に注釈を楽しむのも一つの読み方です。それぞれのテーマの最後に、著者がすすめる書籍や論文が読める範囲の数で紹介されており、本格的にそのテーマを掘り下げたい場合にはさらに勉強できるようになっています。

「自社株買いは債権者から株主への富の移転である」ということが書かれていましたが、これは腑に落ちました。自社株買いが株主価値を高めることはよく言われていますが、債権者との関係までは今まで気付きませんでした。

おそらく著者は本を読むときに、自分で細かい部分まで自分の一部となるように消化しながら理解されているのでしょう。資産運用の本は結果だけを書いているものが多く、その結果をそのまま覚えてしまいますが、理論が導き出される過程も理解しないと、本書のような内容は書けないと思います。

資産運用の基本は、まずは理論と考え方を知ってさえいれば避けることのできる損をしないことです。理論からはずれることをするにしても、理論を理解した上で、意味を知って独自の方法を試みるのがよいと思います。

資産理論を基礎的なところから理解するのに、著者の本は役に立つ数多くの話が多いと思います。著者の本を読むとしたら、必ずしも本書からではなくてもよいいかもしれません。もっと一般向けで読みやすくリーゾナブルな本が何冊かあります。



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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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