2009年07月11日

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半額チケットバックの錯覚

ふだん食事のためによく利用するチェーン店系居酒屋で、払った金額の半分をチケットバックするという企画を行っています。

その店によく行く立場としてはこの企画はありがたいのですが、今日はこのキャンペーンについて考えてみます。わかりやすいように、以下具体的な金額でより詳しく説明します。



たとえば、一人で4000円を飲食したとします。この居酒屋にしては一人4000円という客単価は相場より高めですが、話をわかりやすくするためこの額を使ったとしましょう。

4000円を飲食すると半額の2000円がチケットバックになります。チケットの利用は一人一回1000円までということなので、次回も同じように一人で4000円分飲食したとすると、1000円分のチケットを使って、3000円払えばよいということになります。

最初にチケットを2000円分バックされたときには、2000円得をしたように感じます。そして、次回1000円分のチケットを利用して払う金額が1000円分安くなったときには1000円得したような気になります。さらに次々回に1000円分のチケットを利用して1000円得を得をしたように感じます。

これら三回を考えると、なんとなく4000円分得した感覚になるかもしれません。

感覚的には、最初に2000円チケットバックされて2000円得したように気になり、その後二回に分けてチケットを1000円ずつ利用して合計で2000円得したような感じがします。

しかしながら、すでにおわかりの方もいると思いますが、これは錯覚です。

最初に4000円を払って2000円チケットバックされたことについて考えてみます。これはどういうことでしょうか?

これは、その日に4000円を払い、そのうち2000円が飲食代となり、残りの2000円をその店に預けているということです。チケットバックされた2000円分のチケットは、店に2000円預けているという店側が発行した借用証書です。

店にお金を貸しているということですが、お金を貸しても当然のことながら利息は付きませんし、チケットという借用証書を無くしたとしても保証はありません。この借用証書をネットオークションで売ったとしても、市場価格はせいぜい額面の6〜7割といったところでしょう。

このように考えると、実際に得をしているのは最初に4000円分の飲食が2000円でできたということのみです。4000円分の飲食を2000円ですることの引き換えに、店に無利息・借用証書喪失の保証なしで、2000円を預けることになります。

その2000円を回収するためには、二回に分けて店に行って1000円ずつ回収するしかなく、その店の飲食を通じてしか回収できません。二回に分けてチケットを使っているのは、たんに自分が預けたお金を回収しているだけです。

そのように考えると、本当に得をしたのは、最初の2000円分だけであり、その後は預けたお金を回収しているだけなので、次回、次々回に得をしている感覚は錯覚です。正確には、チケットを使うことによって得をするのではなく、預けたお金を回収できないという損を防ぐということになります。

通常の感覚では、チケットをもらう日も、そしてチケットを使う次回、次々回も得をしているという感覚があります。その感覚があるため、ふだんより財布のひもが緩くなり客単価はアップすることでしょう。

店側は、最初に半額割り引くことによって、来店回数を二回増やして三回にし、一回あたりの客単価をアップさせていることになります。店側にとって、十分に意味のある企画です。

この企画は最近はあまり間を空けず続けて行われているので、それなりの効果があるのでしょう。個人的にはありがたく利用させてもらっていますが、このような企画を利用する場合には、一応以上のようなお金の流れを理解しておくのがよいと思います。



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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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