2009年07月20日

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同じ予想を主張し続けることの意味

今日は同じことを言い続けることについて考えてみます。ここで書こうとしているのは、経済や相場の予想についてです。

たとえば、資産インフレが起こる、日本の景気はよくなる、金が上がる、ドルは暴落する、地価は下がる、原油は上昇するなど、いろいろなものがあります。



上に挙げた、「〜が〜となる」といった予測については、それぞれのことについてその主張をされている人の顔が思い浮かぶ方もいるかもしれません。

同じことを長年言い続けていると、経済や相場は基本的には循環するので、当たったりはずれたりします。たとえば、日本株は上がると予想すると、当たることもありますしはずれることもあります。

ある人の予想が外れても、その方はしばらくすると少しだけ表現する形を変えて同じことを言い始めているというのはよくあることです。

もちろんその方はいろいろと分析・考察した上で、本当にそう思ってそう言われているのでしょう。たとえはずれたとしても、意図的に嘘を言っているわけではないと思います。本当にそう思っているほど人を納得させる力があります。

ここで言いたいのは、同じ予想を言い続けることの意味です。

同じことを言い続けていると、もしもその主張が当たりそうになったときには、その人にスポットライトが当たります。同じことを言い続けているのが、長い期間であればあるほど、そして強く主張していればいるほど、その予想が当たりそうなときは注目度が高くなります。

はずれた場合はどうでしょうか?はずれたら気まずくなるかもしれませんが、そのような期間は少しだけで、時間が経つとそんなことは皆忘れてしまいます。その人の相場予想が外れても、相場は自己責任です。

よって、予想が外れても当たったときのメリットに比べると、デメリットは少ないはずです。

景気や相場は循環するので、長年同じことを言い続けていると、はずれることがあったとしても、いつかは当たるときもくることでしょう。

そう考えると、同じことを言い続けることは、小さなデメリットと大きなメリットがあることになります。トータルで考えると、メリットが残ることになります。

これはヘッジファンドの報酬体系の構造に似ています。ヘッジファンドの多くは成功報酬体系なので、基本的にはプラスだとその一部がが報酬となり、マイナスだと何も取られません。

よってヘッジファンドを運営している方の戦略としては、なるべく運用額を大きくして大きな勝負に出ることが、最適とまでは言えないにしても、割のよい戦略になります。

同じことを長年強く主張し続けると、その人の主張に存在感が出てきます。存在感が大きければ大きいほど、当たったときの注目度は高くなることでしょう。ヘッジファンドのたとえで考えると、存在感の大きさが運用額の大きさに相当します。

言うことがコロコロ変わる方は、たとえ予想が当たる確率が高かったとしても、主張がわかりにくいので予想に関しての存在感は低くなります。

よって、たとえはずれることがあるとしても、同じことを言い続けることには意味があります。

このことは相場の予想などに限らず、「〜と言えば誰々」と認知されることには大きな意味と価値があります。とくに現代では、マスコミが発達しているのでその増幅作用が大きくなっていると思います。

現代社会では、正しさよりも存在感の方が価値が高くなっているのかもしれません。



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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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