2009年07月25日

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プロとは何か?

プロという言葉からはどのようなイメージが思い浮かぶでしょうか?わかりやすいのは、プロ野球、プロサッカー選手、プロゴルファーなどのスポーツ業界ですが、一般的な職業としては、税理士、弁護士、経営コンサルタントなどもプロフェッショナル性を感じさせます。

では、そもそもプロとはどのような存在でしょうか?



専門的な知識をたくさん持っていることはプロの条件でしょうが、ではどの程度の知識があればよいのでしょうか?

たくさんあるに越したことはありませんが、限られた分野であるとしても知識には限りがありません。おそらくどのようなプロでもその分野の知識を完全に掌握しているということはほとんどないことでしょう。

プロとして知っているべきことは二つあると思います。

一つは、その分野で知られていることについては、何を参照したらよいかを熟知しており、その情報に速やかにアクセスできることです。細かい記憶はないにしても、大ざっぱには把握しており、参照するのは確認のためということです。

たとえば、法律のプロは六法全書をすべて記憶しているということはないと想像しますが、だいたいどのようなことが書かれており、細かく調べたいときには速やかに知りたいことを確認できるということなどです。

二つ目には、その分野でどこまでわかっているか、つまりその分野で知られていることと知られていないことの境界を知っていることです。プロであれば、その分野でわかっていないことは明らかに誰もわかっていないということがわかるので、自信を持って知らないと答えることができます。

その分野においてわかっていないことがあることは、プロが存在することの意義の一つです。境界の部分はグレーゾーンですが、プロの役割の一つにそのはっきりしない部分を調整することがあります。

逆にいうと、ある分野のことがすべてはっきりとわかっているような状態であれば、プロフェッショナルは必要がないということです。

たとえば、受験勉強はすべてはっきりとした答えがあるのでプロはいません。これはグレーゾーンがないからです。ただし、受験勉強を教える分野でのプロはいます。教えるということには不確定要素が伴うからです。

プロの腕は、その専門分野の知識を知っていることよりも、グレーゾーンの部分の調整をいかに効率よく行えるかによって決まります。長年その分野のプロだと、その分野の知識を了解していることは当然なのであまり差がつきません。

よって、プロだからその分野に関することならば何でも知っているという状態は、原理的に期待できないことになります。プロが成立する分野にはグレーゾーンが必然的に伴うからです。

そう考えると、「その分野についてはなんでもわかっている」という言葉のいかがわしさがよくわかると思います。本当のプロであれば、その分野におけるグレーゾーンとさらに外側の未知の領域に対する認識が謙虚さをもたらすはずだからです。プロであれば、少なくともその分野については「無知の知」があるはずです。

人間の自分は何でもわかっているという思い込みはあまりよくない状態です。そう思っている場合は、その分野にもともと広さや深みがないか、わかっていないことをわかっていないといういずれかの状態を表しているからです。



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1. プロフェッショナルとして知っておくべき2つのこと  [ 酔言::すいげん ]   2009年07月26日 20:35
「精神科医が読み解く、ビジネス・投資・自己成長のヒントになる本::プロとは何か?」が、プロフェッショナルに関する投稿記事を公開している。とても興味深いので、記録しておこう。 一つは、その分野で知られていることについては、何を参照したらよいかを熟知しており、そ...

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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