2009年07月27日
『日本株大復活』
武者 陵司著 2009年8月6日発行 1365円(税込)
日本株大復活
著者:武者 陵司
販売元:PHP研究所
発売日:2009-07-24
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日経平均は今日で9連騰、何とバブル後での連騰新記録だそうですが、体感的にはあまり勢いよく暴騰しているという感じはありません。本書を本日紹介するのはたまたまです。
著者は株式のストラテジストで有名な方です。今回の金融危機についても強気の発言を続けてこられましたが、残念ながらその予想は外れています。現在も強気のスタンスは変わらず、本書では世界経済の発展に伴って日本株も復活する理由が述べられています。本書の目次は以下の通りです。
- GDP4%の「V字型回復」へ
- オバマは世界経済を救う
- 世界経済の繁栄はまだ終わらない
- 日経平均は2万円をめざす
章のタイトルだけで大まかなことがわかってしまいますが、今回の金融危機が鎮静化すると、再びアメリカとドルを中心軸にした世界経済全体の成長が再開し、世界が必要としている差別化されたハイテク製品を世界中に輸出できる日本経済もよくなるという主旨です。
著者は本書において、楽観的であることの重要性を強調されているので、あえて楽観的に書かれている面もあると思います。最近あまりよくいわれなくなったアメリカを評価されているのは、アメリカの楽観性と著者の主張が重なり合う部分があるからかもしれません。
今後、世界経済と日本株は復活するのでしょうか?有名な相場格言に以下のようなものがあります。
「相場は悲観の中で芽生え、懐疑のうちに育ち、楽観と共に成熟し、
この相場格言に当てはめると、現在は「懐疑のうちに育ち」の段階です。現在の相場の状況は、まさに「懐疑」という言葉がぴったりです。今後、「楽観とともに成熟」するかどうかは何とも言えません。
現在どのようなポジションを取るればよいかということは難しい問題です。「懐疑」が「楽観」に変わる過程では大きく相場が上昇するはずなので、株を持たざるリスクが存在します。
「楽観」の状態になって買うと、あまり利幅が取れません。「幸福」の状態で売ろうとしても、そのようなときにはあまりうまく売れないものです。
分からないからといってポジションを取らないわけにはいきません。投資をせずに銀行預金にしているにしても、そのポジションを取っていることになります。デフレになるのであればよいポジションですが、今後インフレが来るのであれば不利なポジションです。
相場を知らなくてもポジションを取っていることを知らないうちに、あるポジションを取っていることになります。
知ってもなかなかうまくコントロールできないので、そのコストや心理的負担を考えるとはじめから知らない方がよいという話もありますが、選択肢の幅は広がります。
自由ということをどのように考えるかは難しい問題なのですが、一般的には選択肢が多い方が自由な感じがするはずです。
個人的には、今後世界経済は長期的な成長をすると思うので、ある程度それに即したポジションを取っています。今後日経平均が下がることがあっても、現在の半値くらいまでの覚悟はできています。いろいろ不安要素はありますが、心配しすぎると株式投資などできません。
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この記事へのコメント
新田ヒカル氏のブログのこの記事
http://blog.hikaru225.com/?eid=985738
で、リンクが張られていたうちのブログの上にあったのが、こちらのブログでした。
それ以来、ブックマークして毎日読ませていただいておりますが、シンクロ率が凄い!と思います。
趣味が似すぎているというか…。
銀行預金もポジションを取っている、とか、よくミクシィの日記とかに書くことですし。
以後、お見知りおきを[笑]。
ブログ読んでいただいているとのことで、ありがとうございます。
シンクロ率が高いということは、興味の範囲や考え方に共通している部分が多いのでしょうね。たぶん、お互い新田ヒカル氏との共通部分が多いのだと思います。
こちらもブログ拝見させてもらいます。今後ともよろしくお願いします。