2009年08月20日
『キラークエスチョン』
山田 玲司著 2009年8月20日発行 693円(税込)
キラークエスチョン (光文社新書)
著者:山田玲司
販売元:光文社
発売日:2009-08-18
おすすめ度:
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著者は長年にわたり『絶望に効くクスリ』 というインタビューに基づくコミックを書き続けておられ、多くの人々にインタビューをしてきた方です。タイトルにある「キラークエスチョン」とは、「つかむ話よりつかむ質問、相手に気持ちよく話をしてもらう質問、相手の本音を引き出す質問」だそうです。
本書では、代表的な26のキラークエスチョンが解説や具体例とともに説明されています。著者によると、本書の対象は以下のような人たちとのことです。
- 何度あってもさっぱり相手との距離が縮まらない
- 会話がはじめられない、もしくはすぐに終わる
- 人から相談されたことがない
- とにかくモテない
- 初対面の人と話すのが苦手
コミュニケーションが苦手な方が対象のようですが、得意な方でも本書は参考になる部分があるはずです。
26のキラークエスチョンのうちいくつかを書いてみます。ちなみにカッコ内はこちらのコメントです。
- 「昨夜はちゃんと眠れました?」(精神科の診察では定番の質問です。)
- 「これは読んでおけ、と言える本を教えて下さい」(これは答えるのが難しいのですが、考えること自体が楽しいでしょう。特に本が好きな人は。)
- 「今まで言われていちばん嬉しかったひと言は?」(嬉しいひと言よりもそのひと言を言われたときの嬉しい感情を再現できるのがポイントです。)
- 「今ここにタイムマシーンがあったらどうする?」(どの時代に行くとしても、そこでのリスクが気になるところです。)
- 「5万円を好きに使っていい、と言われたらどうする?」(ずっと前から何となく気になっている値段が高めの本を買いそうです。)
- 「10年後は何をしていると思いますか?」(ブロガーに尋ねるとしたら、「10年後もブログを続けていると思いますか?」でしょう。)
- 「今日が人生最後の日だとしたら、今日スケジュールしたことをやるだろうか?」(出所はスティーブ・ジョブズですが、やらないでしょう。今日のスケジュールは今日が人生最後の日ではないという前提で成り立っているので。)
- 「神様がひとつ願いを叶えてくれるとしたら、どうしますか?」(いざというときのためにその権利を取っておくことでしょう。その権利があるということだけで、人生にかなり余裕ができそうです。でも、結局最後まで使わずじまいになってしまう可能性もあります。たくさんお金を持っていることに似ています。)
- 「あなたはなぜ今、この本を読んでいるのですか?」(さる書評ブログでプッシュされていたからということがかなりの理由を占めています。)
これらの質問は、相手の心と身体に関係していたり、相手の抑圧をゆるめ可能性を広げるような内容になっています。カッコ内は蛇足ですが、蛇足ながらもカッコ内のことを書きたくなることが、これらの質問のキラーぶりを示しています。
キラークエスチョンは、その場に応じて即興で作れるようになるのが目標かもしれません。本書を読んで本質的な部分がつかめると、自分でさまざまなバリエーションが作れると思います。
本書のエッセンスは、男性が女性と話すときに応用が利くと思います。男性が女性を口説くことは、女性の心の深い部分と交流して、女性の抑圧を取る過程だからです。
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この記事へのコメント
1. Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 2009年08月21日 12:09
bestbookさん、こんにちは。
お勧めしてしまいましたw
自分は典型的な「知ってるネタならガンガン話せる」けど「属性が違うと手も足もでない」タイプなので、この本は非常にタメになりましたね。
最後におっしゃられているように、あまり良く知らない女性と話す際(合コンとか)でも使えそうですし。
お勧めしてしまいましたw
自分は典型的な「知ってるネタならガンガン話せる」けど「属性が違うと手も足もでない」タイプなので、この本は非常にタメになりましたね。
最後におっしゃられているように、あまり良く知らない女性と話す際(合コンとか)でも使えそうですし。
2. Posted by bestbook 2009年08月22日 01:31
smoothさん、コメントありがとうございます。
おすすめにしたがって読ませていただきました。面白くタメになる本でした。
「知ってるネタならガンガン話せる」のは男性全般にある傾向ですね。そう考えると、本書はどちらかというと男性向けの本であると思います。
男性は女性と会話をするのにもともとハンディがあるので、本書のような本で「武装」する必要がありそうです。
おすすめにしたがって読ませていただきました。面白くタメになる本でした。
「知ってるネタならガンガン話せる」のは男性全般にある傾向ですね。そう考えると、本書はどちらかというと男性向けの本であると思います。
男性は女性と会話をするのにもともとハンディがあるので、本書のような本で「武装」する必要がありそうです。