2009年09月03日
『私が出あった世にも不思議な出来事』
鳩山 幸/池田 明子 聞き手
2008年8月8日発行 1365円(税込)
私が出あった世にも不思議な出来事
聞き手:鳩山 幸/池田 明子
販売元:学習研究社
発売日:2008-07
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出版されて1年くらい経つ本です。本書は二人の聞き手が20人以上の各界著名人に、「私が出あった世にも不思議な出来事」についてインタビューする内容です。2日前にはてなブックマークのリンクで知り、すぐに注文して入手しました。
本書をなぜすぐに読みたかったというと、聞き手のうちの一人はまもなくファーストレディになる方であり、もうすぐ総理大臣になる鳩山由紀夫氏本人も文章を書かれているからです。
本書は、雑誌『ムー』に約4年にわたって連載されたものが一冊の本としてまとめられたものです。『ムー』は昔からある雑誌ですが、内容をご存知の方はおわかりのように、バリバリの精神世界についての雑誌です。
本書も『ムー』と同じように、オーラ、霊、前世、チャネリング、UFO、宇宙人など、何でもありの世界であり、本書のような内容の本は本ブログでは基本的に紹介しないことにしています。
しかしながら、鳩山由紀夫氏の奥さんがすべてのインタビューに関わり、鳩山由紀夫氏自身が文章を書かれているとあっては、今回の選挙結果を踏まえると、本書を紹介せずにはいられませんでした。
鳩山由紀夫氏は、日本の総理大臣にしてはめずらしく科学的な素養があるので、政策についても合理的な考え方ができるのではないかと期待していました。本書を読むと、奥さんの影響が大きいようですが、スピリチュアルな世界にも理解があるようです。そういえば「友愛」という言葉は、どことなくスピリチュアルな香りがします。
鳩山氏が科学的な思考に造詣が深いことは、多くの人が素直に評価すると思いますが、スピリチュアルなことについての関心は、人によって評価が分かれるところかもしれません。個人的には面白いと思います。
本書の鳩山由紀夫氏が書かれている文章から、ある程度の雰囲気がわかると思います。
「UFOという物の存在も、頭の中では理解しています。科学的にいっても未確認の物体が飛んでいるというのは十分あり得る話ですし、銀河系のどこかで知性を持った生物が存在するだろうと考えるのは当然だと思います。ただ、私の理解はその程度でして、女房に突然「金星に行って帰ってきた」という話をされると、まだまだ戸惑ってしまいますが(笑)。」
「自分が政治家になった以上は、そういうものに国として目を向けてほしいという思いがありますから、「気の研究会」や「人間サイエンスの会」をつくって、気に触れてもらったりしています。」
以上のように発言されていますが、気の世界が玉石混淆であるとも言われています。上の文章の「そういうもの」とは、UFOではなく気の世界です。
また、自然との共生ということについて重視されているようです。
「しかし、そんな時代だからこそ、自然との共生という思想を、大人から子供にまで浸透させていくようなシステムをつくらなければならないと思っています。そのシステムづくりは、民主党がやってもいいし、他の党がやってくださってもかまいません。私の目的は民主党をよくすることではなく、日本をよくすることですから。」
最後の文章には感銘を受けます。実際にそう思って活躍していただきたいところです。
本書は1年前に出ました。当時鳩山氏は民主党の幹事長だったようですが、まさか1年後に自分が総理大臣になるとはさすがに思っていなかったのではないでしょうか。だからこそ、本書のような本が成り立ったのかもしれません。
本書には全くそのような記述はありませんでしたが、精神世界に興味のある御夫人は、夫が将来総理大臣になるということを霊能者から予言されていたのでしょうか。
いずれにしても、本書から鳩山氏は面白い方との感を深くしました。民主党には今のところあまり期待していないのですが、本書を読んで鳩山氏には何かを期待できるような気がしました。人によっては、全く逆に心配が強くなるように感じるかもしれませんが・・・。