2009年09月19日

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『テレビは見てはいけない』4

苫米地 英人著  2009年9月29日発行  735円(税込)

テレビは見てはいけない (PHP新書)テレビは見てはいけない (PHP新書)
著者:苫米地 英人
販売元:PHP研究所
発売日:2009-09-16
おすすめ度:4.0
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苫米地氏の新刊です。最近非常に多くの本を出版されていますが、新書を目にするのは初めてです。タイトルは『テレビは見てはいけない』ですが、このタイトルはほとんどの人の注意を引くはずです。

なぜなら、ほとんどの人はテレビを見ており、さらに「テレビはあまり見ない方がいいかな」と常日頃なんとなく思っている人も少なくないからです。最近の苫米地氏の本を何冊か読まれた方は、本書の内容の想像がある程度付くかもしれません。本書の目次は以下の通りです。



  1. テレビは見てはいけない
  2. 脱・奴隷の生き方
  3. 日本人はなぜお金にだまされやすいのか

多くの人はわかっているはずですが、マスコミが伝えていることにはそれなりの偏りがあります。マスコミも社会の利害関係の中に存在しているので、そのことは当然といえば当然です。利害関係がなかったとしても、おそらく完全に中立的な報道というものは存在しません。

問題なのは、偏りがあるものを中立的であると思いながら受け取り、知らないうちに大きな影響を受けていることです。そして、それによって自分の行動が特定の人の利益に結びつくように誘導されているかもしれないことです。

マスコミの中でもとくに「テレビを見てはいけない」のは、テレビは人間の潜在意識に働きかける要素を強く持っているからです。

自分はふだんテレビはあまり見ないのですが、たまに見ると面白く感じます。テレビ通じてでないと得ることのできない視覚的情報も多く、テレビはやはり受け取る側の意識によっては非常に有用な伝達手段であるとも思います。

ただし、やはり見ていると一定の方向に流れを作っており、知らないうちに影響を受けてしまうのではないかと思うこともあります。また、テレビのペースでしか関わりを持てず、時間当たりの情報量が少なく感じることがあります。でも、それはそれで仕方ないと思います。おそらく、現在の状況ではそのようなあり方しかできないのでしょう。

テレビに限らず、世の中で表現されているものは、何らかの意図があります。意図自体をなくしてしまうことはできませんし、その必要もないと思います。問題なのは、意識できないうちに影響を受けて、個人の主体性がいつの間にか失われてしまうことです。

今までは一般的な情報媒体として、テレビの存在感が大きすぎたのかもしれません。テレビはテレビで有用な面も多いので、情報を得る媒体ポートフォリオにおけるテレビの配分を少なくすればよいと思います。

また、無意識に影響を受けないためには、意識的になる必要があります。本書で著者が訴えたいのも、意識的になって主体性を持つことであると思います。意識的にテレビと関わることができれば、やはりテレビはそれなりに価値があるはずです。



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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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