2009年09月27日

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『資産運用実践講座 II 』4

山崎 元著  2009年10月1日発行  1890円(税込)

資産運用実践講座 II資産運用実践講座 II
著者:山崎 元
販売元:東洋経済新報社
発売日:2009-09-18
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本書は以前紹介した『資産運用実践講座機の続編ですが、本シリーズはこれら2冊で完結のようです。前作のテーマは「投資理論と運用計画」でしたが、本書の方は「株式投資と金融商品」です。

前作と比べると、本書の方が各論的で親しみやすい内容でしたが、ややシニカルで合理性に溢れた著者の語り口は共通しています。本書は続編ですが、こちらから読んでもよいかもしれません。本書の目次は以下の通りです。



  1. 株式投資の基礎
  2. 株式投資の考え方
  3. 多種多様な投資信託をどう選択するか
  4. 運用商品のチェックポイントと評価
  5. 確定利回り商品(預金と債券)
  6. 外国投資、デリバティブ

個人投資家が一般的に扱えるだいたいの金融商品が紹介されています。さらに細かいQ&A形式の項目にそれぞれ分かれており、その後により詳しい解説、そして最後により詳しく知るための参考文献の紹介などがあります。これらは前作と同じスタイルです。

本書のあとがきに重要なことが書かれています。

「(略)お金の問題に関する人間の認識や判断には、合理的な損得計算と異なる行動に傾きがちな「バイアス」が存在する。そして、直感的に受け入れやすい「気が済む」ような意思決定はしばしば、厳密な損得計算の結果と乖離しており、ビジネスとしての金融業は、この乖離を利益の源泉としてシステマティックに利用している。」

本書は防衛のための書とも言えると思います。一つは業者から守ることであり、もう一つは自分自身の心理面でのバイアスから守ることです。

著者の文体は、さまざまな可能性にあれこれ思いをめぐらしているので、人によっては歯切れが悪く感じる部分もあるかもしれませんが、合理的な誠実さを持って金融について書くと、このようにならざるを得ないのかもしれません。

逆に考えると、金融商品の勧誘や説明においては、あまりにも説明が明快である場合は、現実を都合に合わせて単純化しているのではないかと注意しておいた方がよいとも考えられます。

以下もまた著者のあとがきからですが、お金の意思決定について行うべきことは以下の四つとのことです。

  1. 前提条件をハッキリさせること
  2. 印象や好き嫌いを棚上げすること
  3. 自分の手でクールに損得を計算すること
  4. 他人に頼らず自分の計算結果に素直に従うこと

これら一つ一つは簡単な言葉で書かれていますが、実はすべて非常に難しいと思います。著者の文体は独特の味わいがありますが、以上のような作業を自分の内面で長年された結果なのでしょう。。

本書はその作業の結果を分かりやすい形で書かれていると思いますが、十分に理解するためには頭に汗をかく必要があるかもしれません。ただし、いったん理解するとその考え方は応用が効くので、一生使えると思います。



investmentbooks at 23:58│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--投資一般 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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