2009年10月08日

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『なぜド素人経営者の焼肉屋は繁盛したのか?』4

たむらけんじ著  2009年10月25日発行  798円(税込)

なぜド素人経営者の焼肉屋は繁盛したのか? (ワニブックスPLUS新書 5)なぜド素人経営者の焼肉屋は繁盛したのか? (ワニブックスPLUS新書 5)
著者:たむらけんじ
販売元:ワニブックス
発売日:2009-10-08
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今月創刊されたワニブックス【プラス】新書の一冊です。数年前からの創刊ラッシュにより、新書の種類が数が多くなりすぎてフォローできなくなりつつあります。

著者は吉本興業のお笑い芸人の方です。吉本興業で実業家というと島田紳助氏が有名ですが、本書でも「永遠の先行者」ということで少し記述があります。本書の目次は以下の通りです。



  1. 『炭火焼肉たむら』奇跡の繁盛記---すべてはこうして始まった
  2. 「人こそすべて」---人材論・サービス論
  3. 「ド素人経営のススメ」---経営論・アイデア発想論
  4. 「たむけん流 ド素人経営の十ヵ条」---繁盛哲学

焼肉店を始められて数年ですが、著者の経営する焼肉店は現在三店舗まで拡張し繁盛しているようです。

本書では、焼肉店経営の体験やその経営哲学を、非常にわかりやすい言葉で述べられています。第四章に「たむけん流 ド素人経営の十ヵ条」とあります。ネタバレになりすぎないよう、半分だけ書き出してみます。

  • 自己投資をしろ!(よく学び、外から学べ)
  • 「オカマの目」と「オカンの心」を持て!
  • 明るいコを採用すべし!
  • トイレはいつもキレイに!
  • 妄想からすべては始まる!

残りの五つも以上のような感じですが、これら十ヵ条は著者の経営の現場における体験と結びつけて書かれており、納得しやすいと思います。

本書には「ド素人経営」という言葉が何度も出てきます。たしかに著者は飲食店経営については「ド素人」であったかもしれませんが、お笑い芸人としては長年のプロです。

お笑い芸人の仕事は、いかにして人を楽しませて人気を保つかということなので、業種は異なりますが両者には多くの共通項があります。

著者には芸人生活によって築き上げられた含み資産があり、飲食経営によってそれが顕現されたということになります。JRのエキナカ店舗のようなものです。

そのように考えると、著者は「ド素人」ではないのかもしれません。本当の素人が著者と同じように焼肉屋を始めても、おそらく本書のようにはうまくいかないことが多いのではないかと思います。

本書から著者の経営スタイルには家族的な要素が強いことを感じます。従業員になるべく多くを還元したいなどというところは、昔の日本的経営を思い起こさせます。

そのような点で、本書は資本の論理に偏りがちな現在の株式会社には新鮮な感じもあるかもしれません。ただし、もしも経営規模が大きくなるとすると、リスクヘッジや資本家への利益還元のために、そのあたりをどのようにして調整するかが問題になってくるかもしれません。

本書を読んで思うのは、会社を経営する場合、著者の焼肉屋くらいのビジネス規模が最も経営者として原始的な感情に響く幸福感を得られるのではないかということです。

しかしながら、人は会社をなるべく大きくしたくなります。会社を大きくすると調整するべきことが多くなりますが、それ以前に自分の会社を大きくしたいという欲望を調整する方が、一般的には幸せになりやすいかもしれません。



investmentbooks at 23:58│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--経営 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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