2009年11月08日
『クラッシュ・マーケティング』
ジェイ・エイブラハム著 金森 重樹監訳
2009年11月18日発行 1995円(税込)
クラッシュ・マーケティング
著者:ジェイ・エイブラハム
販売元:実業之日本社
発売日:2009-11-06
クチコミを見る
監訳者の名前で買ってしまう本です。この原著者と監訳社の組み合わせは、すでにマーケティングの本として有名な『ハイパワー・マーケティング』にあります。タイトルから想像できるように、本書は前作を発展させたような内容になっています。
本書はマーケティングの本ですが、一般的なビジネスについての本と考えてもよいと思います。自分でビジネスをする方であれば、一度は目を通しておきたい本であると思います。本書の目次は以下の通りです。
- ビジネスが停滞する九つの理由
- 「卓越の戦略」で強力なライバルに打ち勝つ
- 販売戦略と広告手法を変革して売り上げをアップさせる
- 「戦略化、分析、システム化」で安定した業績を得る
- 時間と行動をマネジメントして戦略的企業となる
- 効果測定とアライアンスで強靱な収益構造をつくる
- リミッターを外し、現状を打破する
- 「三つのP」で市場における絶対者になる
- マーケティングの力を三〇〇%活用して、価値に気づかせる
- ジョイントベンチャーでビジネスを最大限に拡大する
- 景気に関係なく繁栄し続けるには
章数も多く厚さも比較的ある本なのですが、本書に書かれていることを非常にシンプルにまとめると、「抜きん出て、協力する」ということになると思います。
本書に書かれていることは、大きくなった企業では実行されていることも少なくないと思いますが、中小企業では実践されていないことが多いはずです。本書に書かれていることは、発展するビジネスと停滞するビジネスを分けるものなのかもしれません。
本書は原著も2009年に出版されており、世界的な不況の流れを受けてか「私は不況が好きだ」という文から始まります。時代の状況を捉えたつかみになっています。
本書に書かれていることは、ビジネスを行うにおいて非常に効果的なことであると思いますが、本書に書かれていることを実践するために最も必要とされるのは強烈な意欲です。
監訳者の金森氏は、過去の本を読むとわかりますが、ビジネスを行うモチベーションと意欲が非常に強い方です。その波長に共鳴するような方であれば、本書はとくに有用でしょう。
本書はビジネスにおけるマーケティングの本ではあるのですが、本質的な部分は自己啓発書といってもよいかもしれません。読みながらある種の高揚感を感じるのは、そのためであると思います。
本書で目立つのは、他者と協力するということです。自分の強みを活かしながら、協力するとともに利益を得る他者を探し、積極的にアプローチすることの重要性が繰り返し説かれています。
アイデアは異質なものどうしを組み合わせることによって生じることが多いことはよく言われていますが、ビジネスにおいても異質なものを組み合わせること自体に創造的な価値があるようです。
異質なものを組み合わせが価値を産み出すことに気づくためには自分の心を開いている必要がありますが、変わり続けて拡張することの必要性についても本書で繰り返し述べられています。
自己啓発書を読んでも結局具体的に何をやったらよいのか分からないことも多いと思いますが、ビジネスに関連づけて説明されると、具体的な行動を起こしやすいということはあります。そのような意味において、本書は具体性のある自己啓発書として読むことができると思います。








