2009年11月12日

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『「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く』4

小阪 裕司著  2009年11月10日発行  740円(税込)

「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く (角川oneテーマ21 B 126)「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く (角川oneテーマ21 B 126)
著者:小阪 裕司
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2009-11-10
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昨日紹介した本の著者と同様に、本書の著者もビジネス書の世界では有名な方です。本書のタイトルにあるように、「買いたい!」という気持ちの分析が著者の著作の長年のテーマになっています。

本書に書かれていることは、ビジネスの言葉ではセールスやマーケティングになりますが、それらを通じて人間の心を考察する内容にもなっています。ビジネスは昔の日本語では「商い」ですが、著者は購買心理の「あくなき」探求をされているように思います。本書の目次は以下の通りです。



  1. 脳は不況を知らない
  2. 脳はこうして買い物をする
  3. モノを買わない脳、「私」を買う脳
  4. 購買行動を創り出すマーケティング
  5. 顧客の感性を育成する
  6. 脳の二つの回路を磨く

各章のタイトルからわかるように、本書では脳の話がよく出てきますが、脳を通じて物事を語るのは最近の流行りです。

著者が書かれている本は、学問的な色彩を帯びている部分が以前からありましたが、最近は少しずつ内容が深まりつつあるように思います。といっても読みにくさなどはなく、豊富な実例とコピーライティング的な文章で読み手を惹きつけます。

本書全体のまとめとなるような文章が終わりのあたりに書かれています。

「今日の消費者はモノやサービスを買いたいのではなく、「未来の私」を買いたがっている。であるならば、われわれ作り手・売り手も、それに応えていかなければならない。消費者が漠然と求めている人生の充足感や肯定感、”ワクワク”を得られる瞬間を実現する道筋を示し、そこにモノやサービスを埋め込んで、リアリティを感じられるようにチューニングし、未来へのチケットを渡してあげる。」

まとめ的な内容だけあってやや抽象的に書かれていますが、本書は全体を通じて以上の文章を具体的に説明している本であると考えてよいでしょう。

本書のようなマーケティングの考え方が重要になってきているのは、現代の日本ではすでに生活に必要な最低限のモノは多くの人が所有していて、必需品の市場は飽和状態になっているからです。

生存のために必要なモノを売るのであれば、身体が要求しているのでモノはあるだけで売れますが、モノの需要が満たされた状態でさらに何かを売ろうとすると、身体ではなく脳に要求させる必要があります。

脳というと即物的な感じですが、心と言い換えてもよいと思います。著者は脳という表現を本書ではよく使われていますが、実際に重視されているのは人間の心です。

何かを売るために心を通じ合わせるのではなく、買い手の心の琴線に響いた結果売ることができるというのが本書のキモです。表面的には外側から見るとどちらも同じように見えますが、売り手側の内面の充実感は大きく違うことでしょう。

著者が書かれたものは、何かを売っている方ならば一度は読んでおきたい本です。本書はモノやサービスなど何かを売ることに不全感がある方が読むと、参考になる点が多いと思います。



investmentbooks at 23:29│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--マーケティング 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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