2009年11月18日

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『法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる』5

奥村 佳史著  2009年11月20日発行  840円(税込)

法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)
著者:奥村佳史
販売元:光文社
発売日:2009-11-17
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タイトルの通りかどうかは分かりませんが、法人税がある程度分かれば、会社のお金の流れの理解が深まるのは確かです。著者は税理士をなさっているかたです。

法人税について書かれている本は、実用書の体裁をとっていることが多く、一般向けにはいかにして節税をするかの観点から書かれているものがほとんどですが、新書である本書は新鮮です。本書の目次は以下の通りです。



  1. 会社を宗教法人にすれば税金を払わなくて済む?
  2. たくあんで法人税を納めることができたなら
  3. 赤字でも法人税
  4. みずほ銀行はなぜ法人税を払わないのか?
  5. 投資会社社員は電話が怖い?
  6. 決算日、肺が凍りそうです
  7. リゾート施設を買ったなら
  8. 名ばかりの管理職の次は、名ばかり役員
  9. 夜のクラブの活動費
  10. 取引先が倒産したら
  11. 株価が半値に下がったら
  12. 収益物件に買い換えましょう
  13. 新聞記事にならないように

各章のタイトルから分かるように、会社の会計や税金について幅広いテーマが扱われています。それほど実用的というわけではありませんが、節税についても少し書かれています。

本書は新書ということでもちろんそれほど難しくは書かれていないのですが、専門知識と実務的な面の双方を知っている専門家でないと説明できないようなことも少なからず書かれており、ふつうの実用的な節税本とは一味違います。

全体的にそこはかとないユーモアもあり、面白く読ませようという工夫がところどころに感じられます。ちょっと評価しすぎかもしれませんが、本書は新書はこうありたいという一つの形になっていると思います。

著者があとがきで書かれていますが、法人税は複雑であり、細かいところまで理解するのは容易ではありません。また、ところどころにグレーゾーンもあり、専門家ですら判断に迷う部分もあるようです。

またいろいろと現実に即していない点もあります。よく言われることですが、税務上の資産の耐用年数は実際により長いことが多く、中小企業にはとくに負担になっています。

モラトリアムなどで中小企業を支援するのであれば、資産の耐用年数を現実に即して短くし、早く減価償却できるようにして税金の負担を減らすようにする方がよいのではないかと思います。モラトリアムは金融の理屈に反する流れですが、耐用年数を現実に即したものにすることは自然な流れです。

税金については国民一人一人がある程度理解するべきと思いますが、現状の税制はやや複雑すぎると思います。一人一人が理解を深めることに加えて、税制をよりシンプルにする必要があると思います。これは税金のことに限らず、社会保険についてもそうです。

そうはいっても、なかなか現行の制度を急に変えることはできないかもしれません。実際的には、税金については本質的な部分をある程度理解して、必要なときに専門家にどのような質問をすればよいかが分かるくらいになっていればよいのではないでしょうか。そのためにも本書は有用な本であると思います。



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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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