2009年12月02日
『60歳までに1億円つくる術』
内藤 忍著 2009年11月30日発行 819円(税込)
60歳までに1億円つくる術―25歳ゼロ、30歳100万、40歳600万から始める (幻冬舎新書)
著者:内藤 忍
販売元:幻冬舎
発売日:2009-11
おすすめ度:
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著者は資産運用や仕事の本を数多く書かれている方です。本書とほぼ同時に以下の物語形式の本も出されています。
預金じゃイヤだけど投資はコワい ボクの“負けない”人生戦略 (Kobunsha Business)
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物語形式の投資本は翻訳ものではたまにありますが、日本では新しい試みではないかとと思います。
本書の目次は以下の通りです。
- お金の基本原則を押さえる
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- それでも投資は必要
- お金を増やす
各章のタイトルから分かるように、資産形成の原則にしたがってバランスよくお金を増やすことについて解説されています。
お金について考えることは、お金を貯め、投資などによって増やすことが主な内容になりますが、著者の本ではお金との適切な距離感について書かれているのも特徴です。
多くの人にとって一時的にでも時間を取ってお金について考えることが必要なのは、自分がやりたいことに集中するため、お金が原因で自分の時間やエネルギーを損なわないためです。
本書に書かれているように、資産の形成は複利効果によって若いうちに始めるほど効果的です。本書はバランスよく平易に書かれていることもあり、20代の若い方にとっても本書は適していると思います。
本ブログでは投資に関係する本を数多く紹介していますが、ほとんどの人にとってそれらの本は必要ないのかもしれません。ただ、投資の世界を知ることは人間や価値とは何かといったことについて理解を深めるための手段として面白いとは思います。
著者が提案されているように、資産形成について原則的なことを理解してお金を積み立て、バランスよく形成されたポートフォリオを年に数回くらい見直すことが、資産形成にとっても、そして自分の本来やりたいことに集中するうえでも最も効率的かもしれません。
資産運用の世界は、少し勉強して明らかな損をしなくなった状態から、積極的に運用で利益を上げることができるようになるまでの距離の長さが非常に大きいと思います。
その途中過程では、エネルギーや時間を取られる割には努力に応じてリターンが上がるわけではなく、むしろ自信過剰やのめり込みすぎることによって逆に時間や金銭を損をしてしまいやすくなることすらあるかもしれません。
このような現象は物事の上達の過程で大なり小なりありますが、投資においてはとくにその程度が強い傾向にあります。
そう考えると、本書に書かれている著者の投資や人生についての考え方は、多くの人にとっては最もリーゾナブルと言えるかもしれません。
投資について書かれている本は、投資そのものが好きな方が書いていることが多く、投資を行うことについて過大評価されていることが多いのですが、著者の本はそのような傾向がなく、投資についてあまり興味がない方にも入門書・紹介書として安心してすすめることができると思います。
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この記事へのコメント
いろいろな投資のお薦め本をまとめて紹介してもらったページをぜひ教えてもらえませんか?
宜しくお願いします。
そのページのアドレスは
http://bestbook.livedoor.biz/archives/50747283.html
です。この企画はテーマを変えていくつか行い、そのうちリンク集を作りたいと思います。