2009年12月03日

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『「損する生き方」のススメ』4

ひろさちや/石井裕之著  2009年12月12日発行  945円(税込)

「損する生き方」のススメ (Forest 2545 Shinsyo)「損する生き方」のススメ (Forest 2545 Shinsyo)
著者:石井裕之
販売元:フォレスト出版
発売日:2009-11-27
おすすめ度:5.0
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今月創刊されたフォレスト2545新書の一番目の本です。2545という数字の意味は、本シリーズが25歳から45歳までの読者を対象にしているからのようです。具体的な数字を入れると注意を引きやすいことはよく言われていますが、新書のタイトルにまで数字を入れるところにフォレスト出版らしさが出ています。

そしてカバーも蛍光色のピンク、書店での平積みもひときわ目立っています。ピンクのカバーもすっかり見慣れてきましたが、新書のコーナーで4冊並んでいるとどうしても目が引きつけられます。本書以外の3冊は以下のベストセラーです。



あなたの会社が90日で儲かる!(感情マーケティングでお客をつかむ) (Forest 2545 Shinsyo)
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大好きなことをしてお金持ちになる(あなたの才能をお金に変える6つのステップ) (Forest 2545 Shinsyo)
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脳と心の洗い方(「なりたい自分」になれるプライミングの技術) (Forest 2545 Shinsyo)
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本書以外は過去のベストセラーが新書化されており、そのような点では文庫本のような感じです。

本書はカウンセラーと仏教学者の対談ですが、どちらかというと、ひろさちや氏しの話を石井氏が傾聴するような雰囲気になっています。

本書は3つの章からなっています。

  1. 自分を縛る成功、自分を活かす成功
  2. 心が軽くなる損する智慧
  3. 「自分なんかバカだ」と気づけば、みんな優しくなれる

ひろさちや氏の話が色濃く出ているので、本書に書かれていることには仏教的な諦観が底流にあると思います。フォレスト出版の本は願望実現的な内容のものが多いので、そのような点において本書はやや意外な感じを持ちました。

本書の中心に、3つの「般若の智慧」が挙げられていますが、そこからも本書の雰囲気が分かると思います。

  1. 損する智慧
  2. 問題を解決しない智慧
  3. 無関心の智慧

これらの3つに共通するのはこだわらないことです。本書で解説されている本来の意味は真面目なもので、自分自身が楽になるための考え方ですが、以下のように女性と接するときも同じように考えることができます。

  1. 見返りを期待せず与える
  2. 悩みや問題を解決しようとしない
  3. アドバイスしようとしない

後の2つは仏教的な智慧ですが、心理セラピーの原則でもあります。相手をそのまま受け入れることは女性原理に則っています。

仏教は表面的には女性性が強いように思われるのですが、女性性の背後には同じくらいの男性性が隠されています。それは「法」ですが、表面的な女性性が強いほどバランスを取るための男性性が見えにくい形で強く存在するはずであり、表面上優しく思われるほどには仏教はけっして優しい宗教ではありません。

本書の中心的なテーマである「こだわりをなくすこと」も一見そうすると楽なようですが、実際はそれほど楽ではありません。こだわりをなくすのは目標と考えるよりも、あくまで結果と考える方がよいと思います。

こだわりをなくすことを目標でなく結果と考えられるようになったら、そのときにこだわり自体がなくなっているということになるかもしれません。ひろさちや氏の本を読むと楽になる点はありますが、本当に楽になるには時間がかかると思います。

時間がかかることを受け入れることができたら、楽になるまで時間がかからなくなるというパラドックスがありますが、そのあたりが仏教の難しさであると思います。



investmentbooks at 23:28│Comments(2)TrackBack(0)clip!本--人生指南 

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この記事へのコメント

1. Posted by 日田の宮田   2009年12月09日 09:37
5 こんにちは初書き込みです。

「時間がかかることを受け入れることができたら、〜なくなるというパラドックス」

 なるほどと膝をたたきました。

 
 目的地に向かう列車に乗っていると思い、安心すればよいのでしょうが、列車の中でも「走りたくなる」のが人間の業のようです。
2. Posted by bestbook   2009年12月10日 01:43
はじめまして、宮田さん。書き込みいただきありがとうございます。

ブログの記事も御評価いただきありがとうございます。

なるほど列車の中で「走りたくなる」とはうまい比喩ですね。列車に乗っていること自体を認識しにくいのが難しいところだと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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