2009年12月14日

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『角山智の銘柄分析力強化トレーニング 貸借対照表編』4

角山 智著  2010年1月2日発行  1575円(税込)

角山智の銘柄分析力強化トレーニング 貸借対照表編角山智の銘柄分析力強化トレーニング 貸借対照表編
著者:角山智
販売元:パンローリング
発売日:2009-12-07
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以前このブログで紹介した『角山智の銘柄分析力強化トレーニング』の続編です。本書では主に貸借対照表とキャッシュフロー計算書に焦点を当てて、企業の決算書から企業価値を分析するドリルとなっています。

実際の企業の決算書が題材になっているため、問題数は25とそれほど多くないものの、それだけ丁寧に解説されています。本書の目次は以下の通りです。



  1. 貸借対照表
  2. 清算価値分析
  3. 経営分析
  4. キャッシュ・フロー計算書
  5. バランスシートとキャッシュフロー

各章のタイトルのつけかたに素っ気ない印象を受けますが、本書全体から受ける印象をよく表していると思います。本文もシンプルで要点をついた解説がなされています。

本書全体から受ける淡々とした感じは、決算書によって企業分析を行うことをよく示しています。一般的に決算書を読み解くという行為自体は華々しさを持ちません。

本書に出ている企業の数は20程度です。株式投資のために実際に決算書の分析をするのであれば、少なくとも自分でこの10倍くらいの数の決算書に目を通す必要があると思いますが、そのための土台作りとして本書と著者の前作は役に立つはずです。

決算書を読んだからといって、必ずしも株式投資で満足のいく結果が得られるかどうかはわかりません。トレンドを重視する投機的な投資手法を重視する方であれば、決算書を読むことは必要ないという考え方すらあります。

個人的にはトレンドフォロー的な投資を行うにしても、ある程度決算書を読めるに越したことはないと思います。とくに時価総額の低い銘柄に対して市場は十分に効率的でないので、決算書を読むことにより割安銘柄を発掘できるという利点が個人投資家にはあります。

本書全体から受ける地道なイメージは、本来バリュー投資に必要な性質であると思います。そのように考えると、本書を読んで理解しそして自分で同じように決算書を読み続けることができるかどうかは、バリュー投資を行うことができるかどうかの試金石になるかもしれません。

本書は必ずしも面白く読める本ではないかもしれませんが、自分で銘柄を分析・選択して本格的にバリュー投資をしようと考えている方であれば、本書で説明されているような地道な銘柄分析の学習は避けて通れないと思います。

株式投資の本は市場が盛り上がってくるとよく読まれるようになるのですが、本書のような本は市場が盛り上がる前に読んでおきたいところです。



investmentbooks at 23:40│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--株式投資 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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