2009年12月24日

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『マネーの進化史』4

ニーアル・ファーガソン著  仙名 紀訳

2009年12月25日発行  2835円(税込)

マネーの進化史
著者:ニーアル・ファーガソン
販売元:早川書房
発売日:2009-12
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まだ書影がありませんが早川書房の本です。早川書房はSFで有名ですが、良質な科学啓蒙の翻訳書を数多く出版しています。最近は少しですが経済分野の本も出し始めているようで、科学方面の本の質の高さから今後の経済書についても期待できそうです。

本書は「マネーの進化史」とあり、なかなか魅力的なタイトルなのですが、実際は金融の歴史について書かれている本です。本書の目次は以下の通りです。



  1. 一攫千金の夢
  2. 人間と債券の絆
  3. バブルと戯れて
  4. リスクの逆襲
  5. 家ほど安全なものはない
  6. 帝国からチャイメリカへ

銀行制度、債券、株式、保険、不動産などについて数百年の歴史が500ページ近くにわたって述べられています。細かいところまで調べられており、非常な力作であると思いますが、金融の歴史について詳しい方にとっては本質的に新しい概念と思われることは書かれていないかもしれません。

金融は数々の問題を経ることによって改良を重ね、現代においてはかなり発達しているイメージがあります。しかしながら、本書を読むと金融が大きく発展したのはたかだかこの数百年であることがわかります。

今後の人類の長い未来を考えると、現代はまだ黎明期に相当すると思います。これは金融だけでなく科学技術についても言えるはずです。

科学技術の発展の将来像は具体的なものは予想がつかない部分があるにせよ、何となく現在のものが高度に発展しているという予想図を描くことができます。

しかしながら金融については現在からは想像できないようなシステムが出現しているかもしれず、現在の状態からは想像しきれないところがあると思います。

個人的には遠い将来にお金というものが無くなっている可能性があるのではないかと考えています。将来から過去を眺めた長い人類の歴史から振り返ると、お金というものが存在した時期は一時的な期間であったということになるかもしれません。

お金というものが価値と密接な関係があることを考えると、価値を創造する科学技術とお金には深い関係があるはずです。今後も科学技術によって価値が創造され続けると、そのことによってお金のあり方は影響を受けることでしょう。

お金は資源の有限性によって存在している面があると思います。科学技術の発展によって資源の有限性が問題にならなくなれば、お金は必要なくなる可能性があります。

そうなるまでの段階において、その進歩を加速させるツールとしてお金というものは非常に有用です。高いところに登るために梯子は重要ですが、高いところに登ってしまうと梯子は必要なくなります。

将来的にはお金もそのような存在として振り返られるかもしれません。自分が生きているうちにはそのような時代はこないとは思いますが。



investmentbooks at 23:58│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--経済学 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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