2009年12月29日

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『鳩山由紀夫の政治を科学する (帰ってきたバカヤロー経済学)』4

高橋 洋一/竹内 薫著  2009年12月30日発行  840円(税込)

鳩山由紀夫の政治を科学する (帰ってきたバカヤロー経済学)鳩山由紀夫の政治を科学する (帰ってきたバカヤロー経済学)
著者:高橋 洋一/竹内 薫
販売元:インフォレスト
発売日:2009-12-18
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本書は半年くらい前に出た『バカヤロー経済学』の続編です。前作では本書の共著者である高橋洋一氏の名前は事情により出ておらず、たんに「先生」とだけ書かれていました。今回はしっかりと名前が出ており、社会復帰されたことがわかります。

本書は民主党政権について、高橋氏がさまざまな角度から分析を行い、竹内氏がその話を聴くという前作と同じ構成になっています。「科学する」とありますが、実際は「分析する」の方が本書の内容に近いと思います。



「科学する」という言葉があるのは、本書の共著者のお二人はもともと理系であるということもあるようです。また鳩山現総理も理系出身です。本書の最初のあたりではかなりの分量が割かれて理系談義に花が咲いており、現政権の主要なポストにある人物が理系か文系かという一覧表まであります。

これは政治が関係調整的な文系主導から、合理性を重視する理系重視にシフトしているという著者たちの希望的観測があるかもしれません。

理系と文系を分けて考えるのは昔からあります。これはさまざまな言葉で語られ、実際にそうであるかはともかく右脳・左脳などで説明されることもあります。

日本は昔から文高理低的なところがあります。理系的な職人肌の人は職人として敬意を表されることはあっても、実質的な権限を握るのは文系の調整能力に優れた人であることが多く、理系的な人はとくに官僚の世界では冷遇されてきたかもしれません。

しかしながら、官僚の本来の役割は調整することにあるので、これはある意味自然なことです。調整が必要な場面で合理性だけを持ちだしても調整がつかなくなります。

問題なのは、物事の解決に合理性が必要なときにも調整的に解決しようとすることです。これが過度に過ぎると効率的でなくなり、国の力が低下してしまいます。

官僚はその役割からもともと女性的な存在なので、調整で必要とされる以上に合理的であることには限界があります。本来合理性を発揮できるのは、もともと男性性が強い存在である政治家です。そのような点からも、著者たちは理系の政治家に期待されているのでしょう。

本書では民主党政権の裏側にあるさまざまな事情が高橋洋一氏の視点から分析されていますが、人間関係、利害関係などについての部分が多いと思います。これらのことを細かく把握して調整するのは、まさしく官僚の役割です。

本書は高橋氏の元官僚としての側面を読み取ることができます。経済問題を合理的にスパスパ切っていく高橋氏の今までの持ち味を期待して本書を読むと、異なった一面を発見できるでしょう。ただしそれをそのままストレートに表現することはやはり理系的です。

高橋氏は政策の情報提供を行う会社を興されたそうです。氏の活動が日本の政治や経済などに反映されるかどうか、反映されるとしてもどのような形になるかは未知数ですが、民間の会社なので自由度が高まるという利点はあるかもしれません。

人間は時間とともにその人が最も適している場に自然と落ち着くものですが、高橋氏にはまわりに束縛されない現在の自由度の高い環境が最も力を発揮できる場になるのかもしれないと期待します。



investmentbooks at 23:19│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--日本経済 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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