2010年02月26日

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『日本経済「ひとり負け!」』4

高橋 洋一著  2010年3月5日発行  1313円(税込)

日本経済「ひとり負け!」日本経済「ひとり負け!」
著者:?橋 洋一
販売元:ベストセラーズ
発売日:2010-02-26
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高橋洋一氏の新刊です。以前から述べられていることが踏まえられていますが、日本の政治・経済の現状に合わせて内容が微妙に変化しています。

昨日勝間和代さんの本を紹介しましたが、デフレ脱出や需給ギャップを埋めることについては、両者の主張はよく似ていると思います。本書の目次は以下の通りです。



  1. 日本経済「ひとり負け!」の理由
  2. 脱官僚依存と民主党政権の欺瞞
  3. 格差問題の本質とセーフティネットの理想
  4. 民主党政権で遠のく、民間主導経済
  5. 閉ざされる、地方分権の道

「埋蔵金」の活用や政府紙幣を発行することにより需給ギャップを埋めることが、著者の日本経済に対する処方箋です。

本書は話し言葉で書かれているので、著者の雰囲気が出ていることや表現がわかりやすいことなどから馴染みやすい本であると思います。官僚についての批判も以前と同様ですが、語り口が以前よりも少しトーンダウンしているかもしれません。

氏が民主党政権に対して批判的なのは十分に予想されることですが、事業仕訳など実際に民主党が行っていることについても具体的に問題点が述べられています。

著者の本の面白さは、明快な論理性と普通の人であればさまざまな利害関係を配慮してしまって口にできないようなことストレートに述べて、諸問題を斬っていくところです。

本書を読むと、本書で述べられていることのいくつかを実際に行うことさえできれば日本は今よりはよくなるように感じるのですが、できないということは理由があるわけです。

その理由はさまざまな利害関係や人間の心理的な問題ですが、そのあたりをどのようにして解きほぐして解決していくかが今後の課題だと思います。

昨日紹介した記事にした勝間和代さんは、意識と無意識の両方からアプローチしているようですが、高橋洋一氏は意識の部分の理解を深めることが役割なのかもしれません。ただし意識の部分だけを変えようとすると、抵抗に遭いやすいかもしれません。



investmentbooks at 23:58│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--日本経済 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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