2010年05月10日

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『溜池通信 いかにもこれが経済』4

吉崎 達彦著  2010年月4月15日発行  1680円(税込)

溜池通信 いかにもこれが経済溜池通信 いかにもこれが経済
著者:吉崎 達彦
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2010-04-16
おすすめ度:5.0
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著者が10年以上にわたり書かれている溜池通信というサイトは、本書を読んではじめて知りました。本書はそのサイトのおよそ10年間にわたるエッセイをピックアップしたものです。

著者は長年商社に勤めて来られた方だけあり、本書では短いコメントの中にも長年の経験と考察が蓄積されているように思いました。本書の目次は以下の通りです。



  1. 会社生活の変容
  2. ビジネスの極意
  3. 長期低迷時代をゆく
  4. いかにもこれが経済
  5. 食こそ経済なり
  6. 日本ってどんな国?

本書のエッセイが読んでいて面白いのはいくつか理由があると思います。まずは身近な話題が多く馴染みやすいことです。食べ物など多くの人が日常的に接する話題が豊富です。

本書に収められているエッセイはここ10年くらいに書かれたものですが、通して読むと10年間の時代の移り変わりを実感することができます。それぞれのエッセイの終わりに「後記」として現在から当時を振り返っているのも読みどころと思います。

また、ビジネスにおける著者の体験が書かれているのも興味深く読めると思います。著者は商社に勤務されていることが話をより面白くしています。

日本人はあまりリスクを取らないと言われますが、商社の人が書いたものを読むと、日本独特の商社という形態を通じて日本人も空間的・時間的なリスクを取っているように思います。

本書で商社に男性が多いことを著者が疑問に思われていることが書かれていますが、日本の商社の役割がリスクテイキングであることを考えると、自然なことかもしれません。男性の本来の役割の一つはリスクを取ることです。

あまり表には出てきませんが、ビジネスの現場には本書に載せられているような面白い話になりうるネタが多いことでしょう。ただし、ネタがあってもそれを膨らませる必要があります。

本書は読んで楽しむだけではなく、その膨らませ方なども参考にできるかもしれません。



investmentbooks at 23:56│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--日本経済 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
このブログについて
2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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