本--世界経済
2008年11月30日
『「大恐慌」以後の世界』
浜田 和幸著 2008年11月25日発行 1000円(税込)
金融危機に端を発する世界的な景気後退を経験しつつある世界経済についての本です。本書はペーパーバックなので、推測や著者の主観も取り入れて書かれています。カッコ付きですが、タイトルに「大恐慌」という言葉が使われていることからもそのことがわかります。
昨日ご紹介した『世界恐慌を生き抜く経済学』と比べると、扱われているテーマは同じながら、かなり異なった印象を受ける本です。昨日の本は多くの著者によって書かれていますが、本書は一人の著者によります。著者の推測もかなり入っていますが、逆にその推測の部分が面白いと思います。
続きを読む2008年11月29日
『世界恐慌を生き抜く経済学』
エコノミスト編 2008年11月20日発行 1000円(税込)

世界恐慌を生き抜く経済学(Mainichi Business Books) (毎日ビジネス・ブックス)
前書きにある通り、本書は今年9月の『週間エコノミスト』に多数のエコノミストや経済学者の方々から寄稿された原稿が元になっています。その後も金融危機は新たな展開を重ねたため、その後新たに書き直されて本書が構成されたそうです。
140ページ程度の小著ですが、20名以上の方が関わっているため、一つ一つの原稿は長くはありません。その代わり今回の金融危機について、さまざまな視点からの解説を読むことができます。
続きを読む2008年11月28日
『リーマン恐慌』
岩崎 日出俊著 2008年12月9日発行 1575円(税込)
破綻時ではありませんが、著者は以前リーマン・ブラザーズでM&Aの仕事をされていた方です。過去に株式の価値評価や投資銀行についてのついても著作もあります。
今年9月15日のリーマン・ブラザーズ破綻以後も不安定な相場環境は続き、実体経済の減速もはっきりと目に見える形になってきていますが、本書は金融業界で長年仕事をされてきた著者が、主として現在の状況をどのように眺めているかについて書かれています。
続きを読む2008年11月25日
『ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か』
ロレッタ・ナポレオーニ著 田村 源二訳
2008年11月30日発行 1890円(税込)
著者はエコノミストでテロ資金の専門家だそうです。本書にはテロについての経済的な見方についても書かれていますが、世界経済のダークな部分について幅広く話が解説されています。
タイトルに経済「学」とありますが、「学」というよりも、経済的な現象を事例的に説明している内容です。また、「大恐慌」とありますが、今回の金融危機が直接的なテーマではなく、本書のテーマはグローバリゼーションの方が近いと思います。
続きを読む2008年11月22日
『[図解]資源の世界地図』
長濱 利廣/鈴木 将之著 2008年11月15日発行 924円(税込)
![[図解]資源の世界地図 (青春新書INTELLIGENCE 217)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51NJo9MF9SL._SL160_.jpg)
[図解]資源の世界地図 (青春新書INTELLIGENCE 217)
新書にしてはやや高めですが、これは本書が二色刷だからのようです。著者はエコノミストをされている方々です。石油資源、食糧資源、鉱物資源、水産資源、環境資源、新エネルギーについての世界的な需要や供給を、豊富な図表を用いて解説されています。
一時期騒がれた資源の高騰ですが、最近は金融危機の影響で全般的に下落傾向にあります。本書のような本は資源が高騰しているときの方が注目されやすいかもしれません。
続きを読む2008年11月19日
『2時間でわかる外国為替』
小口 幸信著 2008年11月30日発行 777円(税込)

2時間でわかる外国為替 FX投資の前に読め (朝日新書 144)
著者は外国為替について過去に何冊か本を書かれており、それらの本が面白かったので、今回の本も読んでみました。
本書はタイトルからは入門書のように思えますが、ある程度詳しい話も書かれているのでFX投資を始める前だけでなく、すでに始めている方にも役に立つと思います。また、FX投資をしていない方でも、グローバル化された世界経済について通貨を通じて理解する助けになると思います。
続きを読む2008年11月18日
『大統領が変わると日本はどこまで変わるか?』
長谷川 慶太郎著 2008年11月15日発行 819円(税込)
大統領が変わると日本はどこまで変わるか? (トレビズ新書 1)
書影がまだありませんが、今月ソニーマガジンズ社から創刊されたトレビズ新書という新しい新書シリーズのトップバッターです。ソニーマガジンズ社は今年ソニーマガジンズ新書というシリーズを創刊していますが、さらにビジネス関係に特化したシリーズが新たに加わりました。
著者は経済評論家として昔から有名な方で、経済評論家という言葉からは著者が思い浮かぶ方もいるかもしれません。本書はアメリカの大統領選挙を意識して書かれた本ですが、内容に選挙結果は反映されていません。
続きを読む2008年11月06日
『世界金融危機』
金子 勝/アンドリュー・デウィット著
2008年10月7日発行 504円(税込)
ブックレットで約70ページほどの非常に薄い本ですが、書店のベストセラーランキングを見ると、本書は売れているようです。タイムリーさと薄さもあるのでしょう。
先日紹介した『波乱の時代 特別版―サブプライム問題を語る』もよく売れている薄い本ということで、似ているイメージを受けますが、サブプライム問題に端を発する金融危機という同じテーマを扱いながらも、両書の著者の立場は正反対といってよいほど異なります。両書とも薄い本ですぐに読み終えることができるので、読み比べるのも面白いと思います。
続きを読む2008年10月26日
『マネー動乱―市場を破壊する激流』
田村 賢司著 2008年10月24日発行 1890円(税込)
まだ書影がありませんが、ハードカバーの本です。著者は『日経ビジネス』の編集者の方で、1年弱前に『日経ビジネス』に複数回に分けて掲載された記事に、9月までの最新の情報が一部加筆されてまとめられています。
全体のテーマは今回のサブプライム危機についてなのですが、本書が類書と差別化されているところは、戦前までさかのぼって現在に至るまでの国際金融の流れが概観されていること、そして数名の外国の金融業界の方にインタビューされた内容があることです。
続きを読む2008年10月25日
『ウォール街の闇』
堀川 直人著 2008年11月11日発行 1575円(税込)
最近はウォール街の否定的な側面にスポットライトを当てた本が書店でも目立つようになりました。本書もその一冊で、著者は邦銀に所属しニューヨークやロンドンで長年国際金融業務に従事されている方です。
本書に書かれているようなウォール街の暗部は昔から存在しているはずですが、やはり本書のような本が出るのは現在のようなタイミングがよいのでしょう。
続きを読む2008年10月18日
『石油の支配者』
浜田 和幸著 2008年10月20日発行 767円(税込)
昨日紹介した『強欲資本主義 ウォール街の自爆』と同じく文春新書の今月の新刊です。本書の方はなぜかまだ書影がありませんが、同じシリーズなので装丁は似ています。
著者は国際未来科学研究所というシンクタンクを主宰されている方で、国際的な戦略問題などについて数多くの著作があります。同じ文春新書に著者の本では『ヘッジファンド―世紀末の妖怪』がありますが、この本は9年前に出版されており、当時は今ほどヘッジファンドという言葉は一般に膾炙していませんでした。
続きを読む2008年10月17日
『強欲資本主義 ウォール街の自爆』
神谷 秀樹著 2008年10月20日発行 746円(税込)
著者は30年以上前に邦銀に就職され、その後ゴールドマン・サックスに転職。その後「小さな」投資銀行を創業された方です。Nikkei Business Onlineでも「神谷秀樹の「日米企業往来」」という記事を連載されています。
本書は「強欲資本主義」という言葉からもわかるように、アメリカの投資銀行、ウォール街、金融資本主義の否定的な側面について、今後の世界経済の展望やこれからのあり方についても触れながら、著者の長年の業界人としての経験を踏まえて書かれています。
続きを読む2008年10月14日
2008年10月08日
『大暴落 1929』
2008年9月29日発行 2310円(税込)
今日の日本の株式市場は歴史的な大暴落でしたが、本書を紹介することになったのは偶然です。本書は原書の初版が50年以上前に出版されたガルブレイスの古典的な著作で、過去にも翻訳本がありましたが新刊本では入手しにくい状態でした。
原書は何回か改訂されており、本書は1997年版の翻訳になります。ガルブレイスは2年前に亡くなっているので、本書の版は10年以上前のものですが最新版になります。ガルブレイスもしも元気に長生きしていれば、2009年度版などが出版されることになっていたかもしれません。
続きを読む2008年10月04日
『サブプライム後のマネー経済入門』
藤田 勉著 2008年9月20日発行 1000円(税込)
サブプライム後のマネー経済入門(Mainichi Business Books)
著者は証券業界での経験が長い方で、1987年10月のブラックマンデーも業界人として経験されている方です。本書は著者の業界での経験と日本の戦後経済史を振り返ることにより、「「バブル」と「危機」の歴史から、バブルの発生とその崩壊の”黄金法則”を解明する」内容になっています。
あくまで一つの可能性ですが、著者は2010年頃に次のバブルが起こると予想されています。
続きを読む2008年09月22日
『反米経済』
門倉 貴史著 2008年9月30日発行 1575円(税込)
門倉貴史氏の新刊です。今回のテーマはアメリカ経済の凋落ですが、グローバルな幅広い視野と具体的な数字を用いての定量的な解説は今までの著作と同様です。
本書は以下の通り四つの章に分かれていますが、今回の金融危機についてもかなりの分量を割かれており、出版された時期も時流に合っていると思います。
続きを読む2008年09月20日
『日本経済を襲うエキゾチック金融危機』
草野 豊己著 2008年9月20日発行 1000円(税込)
日本経済を襲うエキゾチック金融危機 (Mainichi Business Books)
著者紹介によると、著者は「ヘッジファンドと最初に取引をした日本人」だそうであり、外国人投資家とも長年のビジネス経験をお持ちの方です。本書のテーマは大きく分けて二つあり、一つは現在も進行中であるサブプライム問題に端を発する世界的な金融危機の解説、もう一つはヘッジファンドについての解説です。
本書は『週刊エコノミスト』に2006年から2年間にわたる記事がベースになっているようです。本書に書かれていることはつい一ヶ月前の8月の状況まで踏まえられているのですが、それからも日単位で次々と新たな大きいニュースが飛び込んできており、現在も渦中の最中にあります。
続きを読む2008年09月15日
『ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層』
竹中 正治著 2008年9月20日発行 714円(税込)
ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書 279)
アマゾンで書影がないので紹介を数日延ばして待っていましたが、いつになるか分からないので紹介することにします。新潮新書の新刊です。本書は著者のアメリカでの4年間にわたる銀行の所長兼エコノミストとしての活動から生まれたエッセイです。
著者の前書きには「本来の分野を超えて政治、文化、宗教まで議論を広げた」と書かれている通り、著者の実体験と思索に基づいて日米の比較において幅広いテーマが論じられています。
続きを読む2008年09月07日
『ソロスは警告する』
ジョージ・ソロス著 徳川 家広訳 松藤 民輔解説
2008年9月1日発行 1680円(税込)
世界的に著名な投機家であり、現在は「慈善事業家」でもあるジョージ・ソロスの新刊です。本書は原書が出版されてから数ヶ月しか経っておらず、急ピッチで翻訳されたことが分かります。
ジョージ・ソロスの本は独自の哲学的な内容が多く、分かりにくいと言われるのですが、本書は哲学的な記述が一部見られるものの、全体的には以下の章のタイトルから分かるようにバランスよくまとめられています。
続きを読む2008年08月09日
『米国発世界不況で日本はどうなる!?』
竹森 俊平/中岡 望/岩崎 博充/イェスパー・コール/小宮 一慶
井上 久男/宮尾 攻/熊野 英生/藤澤 雅夫/山崎 元
服部 哲也/菊池 正俊著 2008年7月18日発行 1260円(税込)
洋泉社MOOKの新刊です。MOOKは雑誌のMAGAZINEとBOOKを合わせた形態の本ですが、実質的には雑誌です。本ブログでは雑誌は原則として紹介していないのですが、本MOOKは執筆陣が豪華なので紹介させてもらいます。
12名の著者の方たちによって書かれており、そのうち半分くらいの著者については過去に本ブログでそれぞれの本を紹介したことがあります。それらの著者の方々が、サブプライム問題に影響を受けている現在の世界経済についてどのように考えているかを知ることができます。
続きを読む2008年07月16日
『なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか』
チャールズ・R・モリス著 山岡 洋一訳
2008年7月8日発行 1890円(税込)
巻末の著者紹介によると原著者は「弁護士・評論家、元銀行家」と多彩な顔をお持ちの方のようです。本書の原題は『Trillion Dollar Meltdown(1兆ドルの大暴落)』であり、昨年の終わり頃に本書に目を通した人は、サブプライム関連の損失が一兆ドルになるという著者の予想について「とんでもなく常識外れの金額」と心配されたそうです。
しかしながら、日本語版が出版された最近となっては、その数字は多くの人々のコンセンサスとなっています。1兆ドルというとだいたい100兆円です。
続きを読む2008年07月10日
『マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術』
松藤 民輔著 2008年7月10日発行 1680円(税込)
マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術──連鎖崩壊時代の「実践・資産透視学」
松藤民輔氏の新刊です。このブログでは最近の著者の本はすべて紹介しています。本書は発売されたばかりですが、早速紹介します。本日の時点で、アマゾンではまだ予約しかできない状態です。
本書は著者の本を読まれたことがある人であれば、本質的には新しいことは書かれていないと感じるかもしれません。今のところは、過去に著者が書かれていたように世界のマーケットが展開しているので、本書は経過報告的な意味合いが強くなっています。
続きを読む












