つぶやき--本
2007年11月21日
読書量と時間
数日前に本ブログのコメントで、KTさんより「いったいどんなペースで読んでいるのでしょうか?」というコメントをいただきましたので、それを軸に今日は書いてみたいと思います。
このブログでは、ほぼ1日1冊のペースで実際に購入して読んだ本のうち、紹介する価値があると思ったものを紹介しています。いい本だと思って買って読んでみても、期待したほどではなかった本については書いていません。
本書ブログのテーマであるビジネス書とあまり関係のないものについても、よいと思った本であっても取りあげていません。仕事関連の本や雑誌などです。
ちゃんと数えたことはないのですが、ブログで紹介していない本を入れると、買って読んでいる本は1日2冊くらいになってしまうのかもしれません。
1日のうち実際に読書に集中している時間は、平均すると4時間弱くらいです。平日に3時間、この3時間の内訳は、通勤往復で2時間、帰りのスタバ+それ以外で1時間といった感じになります。テレビはほとんど見ないので、時間がタイトな感じはありません。
休みの日に読書にまるまる1日使えるときなどは、10時間くらいかけて5冊くらい読んでしまうこともあります。
また、週のうち半分以上の日は、30分〜1時間くらい書店に寄ります。書店に寄ると、重複もありますが、新刊書を中心に10冊くらいの本には目を通します。ざっと目を通してどんな本かを把握するのですが、ここで速読をしていると言えるのかもしれません。
本当は全部精読したいのですが、時間は有限ですのでセレクトします。どのような基準で選ぶのかは、また別の機会に書きたいと思いますが、買う本を選んでいるというよりもむしろ買わない本を選んでいるような感じです。
ふだん本を読まない方よりは、若干読書のスピードは速いかもしれませんが、同じようなテーマの本を繰り返し読んでいると、おそらく誰でも読むのは早くなると思います。
自分が他の人よりも少しでも速く読めるとするなら、いままで本を数多く読んできたので理解力がついていることがあるのかもしれません。速読術と言えるようなものではありません。
仕事があるので、どうしても読書にかけられる時間に限りがあります。高度な速読の能力のある方、職業的に読書をしている方、労働をしなくても生活できる方で本の好きな方は、もっともっと本を読まれていると思います。
2007年07月15日
自己啓発書と新書
日々書店に行っていると、平積みになっている本の様子などから、どの本が売れているかということがよく分かります。最近売れていると思うのは、自己啓発書です。
自己啓発書は昔からありましたが、種類、読みやすさ、実用性などを昔と比較すると、大きな違いがあります。このブログではあまり紹介していませんが、勉強法の本も目立ちます。昔の自己啓発書は洋モノが多く、どちらかというと抽象的でしたが、最近のものは具体的です。
日頃の自分自身による勉強量の違いが、収入などにダイレクトに関係してくるようになったため、以前よりも自発的に勉強する人が増えているのでしょう。勉強する人としない人の「勉強格差」も生じそうですが、全体から見ると、国の生産性は上がるように思います。
数年前から新書がブームですが、これもやはり実用的な知識を手に入れたいという多くの人々のニーズが根底にあるように思います。決算書の本など、把握しきれないくらいあります。次から次へと出版されていますが、出続けているところを見ると、旺盛な需要があるのでしょう。
昔は新書というと、主なものは、岩波新書、中公新書、講談社現代新書くらいで、実用性というよりも、知的レベルの高い教養を身につけるためのものでした。読むのもかなりエネルギーが必要でした。岩波新書などは、いまでもその傾向が残っています。
最近創刊された新書は、読みやすく実用性の高いものが多いですが、数も多く、1日1冊のペースですべての新書を読んでも、すべては読み切れないくらいの出版数になっています。
このようなことは、経済の数値には表れませんが、10年前と比べると明らかによくなっていることの一つです。
2007年04月14日
何冊読めばよいか
ここで「何冊読めばよいか」としているのは、専門的な知識を得るための読書についてです。
結論から先に言うと、だいたい500冊くらいではないでしょうか。500冊というと、平日毎日読んでおおよそ2年くらいです。ある分野とその関連分野について、これくらいの分量の本を読めば、その分野について本を書けたり、大学で講義をできたり、その分野の専門家と対等に話ができると思います。
ちなみに、5冊だと、その分野についておおざっぱな全体を把握できる量です。50冊だと、総論的にはほぼ把握でき、各論についておおざっぱに把握できていると思います。
3冊、30冊、300冊としても本質的にはいいたいことに変わりはないのですが、重要なことは、10倍、そしてさらに10倍と指数関数的に量が増えることです。1のことを人に教えるには、10知らないと自信を持って教えられません。
では、500冊の10倍、5000冊読むとどうなるでしょうか?毎日1冊で20年です。ここまでくると、読むというインプットだけでなく、書いたりしゃべったりというアウトプットも必要になってくると思いますが、おそらく国内での権威、第一人者となっていることでしょう。
読書を例に挙げましたが、何かを極めようと思ったら、人の倍ではなく、10倍程度の量をこなすようなつもりで行うのがいいように思います。語学の学習や、芸事についても同じように言えると思います。量をこなしていると、質の向上は自然に後からついてくることでしょう。
2007年04月13日
読書と損切り
読書のコストについて考えてみます。
まず、本屋に行って本を選びます。その時間がかかります。他の本を斜め読みしながらあれこれ比較して、最終的に1冊選ぶのにだいたい1時間くらいでしょうか。
本を買うのにお金がかかります。本の種類によって幅がありますが、ビジネス書であれば、おおよそ1500円程度でしょう。
さらに、読む時間は当然必要です。平均すると、ふつうに読んだ場合は1冊3〜4時間くらいかかります。
買った本を、保管するのにコストがかかります。本が増えてくると、捨てるか売るかしない限りは、本が部屋を占拠しはじめます。
なんだかんだで1冊の本には4時間くらいかかるとすると、正社員の平均的な時給を2000円として、1万円くらいはかかっています。そう考えると、本自体の1500円は安いような気もしてきます。
いずれにしろ、本1冊読むのに1万円以上の目に見えないコストがかかっています。市場における労働価値が高い人はもっとかかっていることでしょう。
ある本を買って、1時間くらい読んだところで面白くなさそうなことを発見します。残念ながらたまにこのようなことがあります。このような場合でも、わざわざ1500円払って買った本なので、残りも2時間くらいかけて読んでしまいます。
途中でやめれば、2時間程度の時間ができます。時給換算で4000円くらいです。最初の本代1500円と1時間の読書時間2000円にこだわったばかりに、最後までそのまま読んでしまうとさらに4000円損します。
株式投資と同じように、読書も損切りが難しいようです。