2007年01月25日
『香港大富豪のお金儲け 7つの鉄則』
林 和人著 2006年10月10日発行 1300円(税抜き)
中国株専門のネット証券会社ユナイテッドワールド証券を設立し、現在は会長をされている著者が書かれた本です。香港の華僑とのつきあいによって得られた、彼らの日常生活がリアルに描写されています。
私もユナイテッドワールド証券に口座だけはあるのですが、実際の中国株への投資は行っていません。暴落したら買おうと思って数年待っているのですが、なかなか下がりませんね。まあ、中国株への投資は長期に考えた方がよいと思っているので、気長に待っています。
本書では、華僑のお金についての鉄則が7つにまとめられています。
- 経済的合理性を第一に考える
- お互いに儲ける
- お金に感情をはさまない
- 資産は不労所得で増やす
- 一極集中投資こそ王道
- 国境を越えて投資する
- つねに3年先を検証する
5の「一極集中投資こそ王道」が、一般的な投資の本に書かれているものとの一番の違いでしょう。もちろん、そのためには情報収集力が欠かせません。多くの人の賛同を得るためには、分散投資をする方がよいと言っておくのが一番無難です。たくさんの人に集中投資を勧めると、必ず一定の割合でうまくいかない人がでてきます。でも実際のところは、本当に莫大な資産を築くためには、あまり分散させすぎない方がよいのかもしれません。
ほかに華僑がつきあう人物を選ぶ3つの基準などもあり、参考になります。ちなみにその3つとは、よく働き、賢く、信用できるというものです。
以上に述べたこと以外にも、さまざまな華僑の判断基準、思考過程などが豊富に書かれており、本書は世界のお金の流れの一部を読み解くために役立ちます。
しかし、資産数千億などと聞くと、ふと何のためにさらにお金を増やしているのか疑問に思ってしまいますね。そのような疑問を持ってしまうと、数千億にまでお金を増やすエネルギーが湧いてこないかもしれません。何のためにやっているかと疑問に思わないことも、大きなことを達成する重要な資質の一つかもしれません。