2007年04月12日
『株はいま買って3年後に売りなさい』
大村 明著 2007年4月9日発行 1300円(税抜き)
株はいま買って3年後に売りなさい―再びバブルがやってくる…ただし期限付き!
著者は20年間証券業界で働いておられ、現在はファンドマネージャーです。タイトルからもわかるように、現在の日本の株式市場を「バブル前夜」と主張されています。
2007年から空前の強気相場が始まり、日経平均は2010年までに3万円程度になると予想されています。その後は長期下落相場になるそうです。
主な根拠としては、
- 日本株と連動性の高い景気指標が底を打ち始めている
- 4つの景気循環がすべて上昇サイクル
- カネ余り、金融緩和、株式持ち合いの復活、団塊マネーの流入
- 堅調な海外景気
などを挙げています。
『ゴールデン・サイクル』や『藤巻健史の5年後にお金持ちになる「資産運用」入門』などの本に詳しく述べられている内容ですが、本書では著者の意見を交えつつ、簡潔にまとめられています。
その他、2010年以降に長期下落相場になる理由や、オススメの銘柄についても具体的に述べられています。インデックスなどへの投資も勧めています。
著者がファンドマネージャーであること、ある程度正しそうないくつかの根拠を集めても必ずしも正しい可能性が増すわけではないこと、海外の景気についてやや強気すぎることなどについては注意をした方がよいとは思いますが、ここ数年の日本株に対して強気のスタンスをとる主な根拠が簡潔にまとめられており、参考になる本でした。
いくらたくさんの根拠を集めても、そうはならないかもしれないところが、相場の難しいところです。


