2007年06月29日
『伝説のホテルマン「おもてなし」の極意』
加藤 健二著 2007年5月25日 756円(税込)
アスキー新書の本です。著者は、東京ヒルトンホテル(現キャピトル東急ホテル)で40年間以上にわたり接客の仕事をされていた方です。
政治家、実業家、芸能人などさまざまな各界著名人とのホテル滞在時における交流のエピソードが、ホテルマンとしての守秘義務をおかさない程度に出てきます。ビートルズ、マイケル・ジャクソン、ビル・ゲイツ、竹下元総理などそうそうたる顔ぶれです。
外国人ビジネスマンに「あなたはマジシャンですか?」と言われたほど、サービスの融通を利かせていました。透析をしながら仕事をするなど、人生を掛けてるといっていいほどサービスに打ち込まれたようです。
著者の成功の理由としては、誠心誠意サービスに徹したと言うことはもちろんあると思うのですが、やはり、東京ヒルトンホテルという一流ホテルに、最初から就職されていたということがあるように思います。
一流ホテルはホテル側と利用客のあいだで、価値の高いやりとりが行われる場です。ホテル側が高い価値を提供すれば、利用客もそれに答えてくれます。2ヶ月分の給料に当たるチップをもらったエピソードなどからも、そのことがうかがえます。
読み進める中で、著者のサービス精神や心を込めた実際のサービスには感動させられました。
そして、それ以外に本書からわかることは、高い価値を潜在的に提供できるであろう力とやる気のある人は、能力を開花させて十分に発揮するためにも、自分自身を価値の高いやりとりが行われる場に置くことが大切であるということです。



