2007年07月15日
自己啓発書と新書
日々書店に行っていると、平積みになっている本の様子などから、どの本が売れているかということがよく分かります。最近売れていると思うのは、自己啓発書です。
自己啓発書は昔からありましたが、種類、読みやすさ、実用性などを昔と比較すると、大きな違いがあります。このブログではあまり紹介していませんが、勉強法の本も目立ちます。昔の自己啓発書は洋モノが多く、どちらかというと抽象的でしたが、最近のものは具体的です。
日頃の自分自身による勉強量の違いが、収入などにダイレクトに関係してくるようになったため、以前よりも自発的に勉強する人が増えているのでしょう。勉強する人としない人の「勉強格差」も生じそうですが、全体から見ると、国の生産性は上がるように思います。
数年前から新書がブームですが、これもやはり実用的な知識を手に入れたいという多くの人々のニーズが根底にあるように思います。決算書の本など、把握しきれないくらいあります。次から次へと出版されていますが、出続けているところを見ると、旺盛な需要があるのでしょう。
昔は新書というと、主なものは、岩波新書、中公新書、講談社現代新書くらいで、実用性というよりも、知的レベルの高い教養を身につけるためのものでした。読むのもかなりエネルギーが必要でした。岩波新書などは、いまでもその傾向が残っています。
最近創刊された新書は、読みやすく実用性の高いものが多いですが、数も多く、1日1冊のペースですべての新書を読んでも、すべては読み切れないくらいの出版数になっています。
このようなことは、経済の数値には表れませんが、10年前と比べると明らかによくなっていることの一つです。