2007年08月31日
『もし、坂本龍馬が営業マンだったら』
桑原 正守著 2007年6月28日発行 1500円(税込)
著者がフルコミッションの営業マンとして成功した経験を中心に、セールスの心構えや買い手の心理的側面について、著者の体験に基づき、自己啓発的に書かれています。
「龍馬が・・・」というタイトルは、著者の理想的な人間像が坂本龍馬であることに由来するようです。他の人であれば、他の人物になるかもしれません。著者の理想が具体化したものであるので、タイトルからは偏りを感じてしまうかもしれませんが、内容の普遍性は保たれています。
項目ごとに「もし、龍馬だったら」というまとめがあります。いくつか書いてみます。
- 今は、幕末にも似た混乱期であることを認識せよ
- 見込み客は無限である。世の中はチャンスが溢れている。
- 自己投資が潜在意識を刺激し、王道へと導く。
理想の人物を持つということは、ぼやけている自分の心の焦点をはっきりさせるという効果があります。はっきりすれば方向性が定まるので、目的地に進みやすくなります。理想の人物を持つことができるということは、ぼやけてはいますが、もともとある程度自分の心の目的が定まっているということです。全く方向性のない状態では、特定の人物に惹かれるということはないでしょう。
本についても、ある本を読んで理解できるということは、意識していないだけで、潜在的にはその本の内容がある程度分かっているということが多いようです。読んでいて一番読み応えがあると思う時は、潜在的に分かっていながら全く意識できていないことが書かれているときです。
両者の落差が大きければ大きいほど、読む価値があります。本の役割の一つに、なんとなく分かっていることを、はっきりと理解するということがあるように思います。