2007年09月09日
『セールス・ルールズ』
桑原 正守著 2007年8月15日発行 1500円(税込)
数日前に紹介した、『もし、坂本龍馬が営業マンだったら』の著者の本です。前著では、主に心構えが書いてありましたが、本書ではセールスの現場における実践的なノウハウが書かれており、前著を補完する内容になっています。非常に平易な言葉で書かれています。
サブタイトルからも分かるとおり、いかにして顧客と効果的なコミュニケーションを取るかについて、その方法が書かれています。かなり自己啓発的な内容であり、仕事術の本としても読めます。
売るためには、好かれる人や人望がある人になる必要があるということを強調されています。好かれるということは、すでにこちらからなんらかの価値を相手に提供しているということです。人望があるということは、信用や期待を抱かせたり、すでに過去に貸しを作っていたりということなので、いずれにしろ価値を提供しているということになります。
結局のところ、相手に価値を与えないと、相手から価値のあるものは受け取れないということです。気を付けるべきなのは、いかにして価値を与えているということを相手が意識しないようにして、価値があるものを与えるかということです。
与えているものが具体的で、相手が与えられたものを意識すればするほど、与えているものの価値は低下します。モノよりも笑顔の方が価値が高いということです。スムーズなコミュニケーション能力は、与えているものを意識化させないためにも重要なスキルであり、本書でもスムーズさに力点が置かれています。
本書では、自分自身に対しては対話をするなど、意識的になるよう書かれています。快適なコミュニケーションのためには、最初は、他者はなるべくストレスを与えず無意識的になる状態が、自分はなるべく意識的になるような状態がよいのかもしれません。