2007年12月12日
『宅配便は「8分間に1個」「30円の利益」を運んでいる!?』
洞口 勝人著 2007年12月10日発行 1365円(税込)
宅配便は「8分間に1個」「30円の利益」を運んでいる!? 儲けの「しくみ」を原価率と利益率からよむ経済学入門 (JBシリーズ)
日本のさまざまな業界における企業について、決算書から「利益率」と「原価率」の分析を通じて「儲かり度」を中心に、講義形式でやさしく分析している本です。今までにも同じ著者による同様の主旨の本が何冊か出ていますが、このブログで紹介するのは初めてです。
講義は数字についての質問から成り立っています。いろいろな角度から企業の数字を眺めており、例えば次のような問いがあります。
「1箱100円の森永ミルクキャラメルは、108年で価格が何倍になったの?」
本書によると、明治37年当時のキャラメル一個の価格は0.7銭=0.0007円なので、現在の1個あたりの価格である8.3円から割ると、およそ1200倍となります。
単純に計算すると、年約6.8%のインフレとなりますが、これは戦後の極端なインフレの時期が含まれているからです。戦後数年間における100倍程度のインフレを除外して計算すると、およそ2.5%くらいです。ここ最近、物価上昇のニュースが連日のように続いていますが、歴史的にはようやく普通の状態に戻ったのかもしれません。
本書では個々の企業の損益計算書から利益率や原価率を計算しており、その結果を直接商品に用いているため、非常にラフな分析であるという印象は拭えませんが、実はおおざっぱな計算は企業の利益の構造を見積もるときには重要です。
おおざっぱに計算した上で細かく見たとき、両者に違いがあれば、その違いをもたらした理由を考えることが役に立つことがあります。
個人的には、出版業界についての分析が興味深く読めました。出版社の数、1年間に世に出る新刊の数、書店の数、ジュンク堂の客単価などもありますが、それぞれ、4000社、75000冊、17000店、3500円になるようです。
1年に75000冊ということは、1日約200冊、そのうちの1冊をこのブログで紹介させていただいていることになります。やはり人が一生に読むことのできる本は、全体のほんの一部なので、何を読まないようにするかということは重要な問題です。


