2008年01月31日
『世界一愚かなお金持ち、日本人』
マダム ホー著 2008年1月15日発行 1050円(税込)
著者は日本人生まれですが、インドネシアの華僑と結婚されています。著者の本は過去に1冊紹介したことがあります。
『カリスマ華僑夫人が教える! 世界の富める男たちのお金と愛情の法則』
本書は新書版サイズに近く、前著よりもさらに読みやすい本になっています。
著者は20代で1億つくったそうですが、それまでの失敗を含んだ体験が書かれています。成功の方法については多く書かれていますが、失敗の体験については書かれていることが少ないため、参考になる点があります。
著者はアメリカでも生活されており、華僑とアメリカ人のお金持ちの投資による資産運用と、日本人の預貯金に偏った「資産運用」を比べて本書のタイトルになっているようです。著者の投資は主として不動産投資のようですが、これは相性の問題のようです。
最初に「本書のフィロソフィー」が書かれています。途中を略して抜粋しますが、ここに本書の骨子が表現されています。
人生の目標は、「己を知ること」と「自己実現」です。
「富」や「豊かさ」が人生の目標ではありません。
(略)
そして、「真の豊かさ」を手に入れる方法は、
まず「心」ありき、そして「知識」と「行動力」です。
この哲学に則って本書は書かれています。
成功する投資家になるための3つの条件については、以下の通り述べられています。
-
節約する
-
健康でいる
-
ルールを覚え、感覚をつかむ
シンプルですが、いざ実践しようとするとそれぞれ習慣化するまでは大変です。2の「健康でいる」ということが類書より強調されています。
本書には書かれていませんが、健康と関係することとして、投資金額が複利で増えることが挙げられます。10年長生きをすれば、10年分の複利を享受できます。最後の方は資産も増えているので、あとになればなるほど絶対額も大きくなります。
あるいは、始めるのが若ければ若いほどよいということにもなります。もっとも、若いうちは自分自身に投資するのが最もリターンが高いかもしれません。
本書の一番の特徴は、日本に生まれ、アメリカに住み、華僑と結婚した女性の著者によって書かれていることにあります。女性らしく心についての記述が充実しているところも、読みどころと言えるでしょう。