2008年02月08日
『成功本50冊「勝ち抜け」案内』
水野 俊哉著 2008年1月30日発行 1000円(税込)
成功本50冊「勝ち抜け」案内 (Kobunsha Paperbacks Business (013))
もうすでにいくつかの書評ブログで紹介されており、今さらながらですが、やはり本ブログの性質上採りあげた方がよいと考えました。著者は実際のビジネスにおいて激しい浮き沈みを経験された方です。
本書は50冊の「成功本」を紹介している本です。全部で三つのパートからなります。最初は著者の浮き沈みの体験、第二部が本書のメインといえる部分で50冊の成功本の紹介、第三部が著者による成功法則のまとめになっています。
全部で300ページ強の厚めの本です。第二部の200ページほどが50冊の本の紹介にあてられており本書の核となりますが、読んでいて興味深いのは第一部と第三部にある著者の体験とまとめです。
50冊の成功本が具体的にどのような本かについては、小飼弾さんのブログで詳しく紹介されていますので、詳しく知りたい方はご参照下さい。
自分は本書の50冊のうち30冊強を買って読んでました。経営者の方が書かれた本で買っていないものが多かったようです。それらの本はエピソード的な内容が多いので書店でのscanでした。
書店でscanしたこともなく、存在すら知らなかった本が1冊ありました。その本は、『成功学キャラ教授 4000万円トクする話』です。マインドマップ的読書感想文による本書の紹介記事の編集後記で「唯一全く知らなかった」と書かれていたのが同じで興味深いところです。
第三部で「成功本を無駄に読まないための成功法則ベスト10」がカウントダウン方式でまとめられています。ここでは一位からカウントアップにしています。
- 必要な知識を身につけて、行動する
- 周りに感謝する
- ポジティブシンキングに徹する
- 失敗を恐れない
- 「目的」と「原因」と「結果」の世界を知る
- 人生の意義を考える
- 夢・目標を立てて紙に書く
- お金に興味を持つ!
- 「時間」「お金」「人間関係」「健康」を管理する
- とにかく成功本を読む
本書に紹介されている本でやや弱いと思われたところは、7冊ほど紹介されていた投資本です。いくつか良書もあるのですが、本書で紹介するほどでないかも・・・と思われる本もあります。
本書の構成としては、むしろ投資本より代わりにマネー哲学本の方が全体の主旨により合っていたかもしれません。投資本は本書の続編として独立させて、それだけで50冊くらい紹介してもよいのではないかと思います。まあ今は市場の状態がよくないので、商業的にはよいタイミングでないかもしれませんが。
本書は全体的に魂が入っている本であり、「おわりに」を読むとそのことがわかります。
成功本とは何かと考えるのですが、自分の意思で自分を「進化」させる本なのではないかと思います。ここで進化にカッコがついているのは、遺伝しないため本当の意味での進化ではないからです。
人間は長年の進化によって世界を生き抜くための認知システムを獲得しましたが、社会が高度化した今現在は、その認知システムでは不十分になっており、むしろ社会での生存の目的に逆行している場合もあります。
教育制度があって不完全な認知を補ってくれますが、「なんとか生きていける」程度にしてくれるくらいの結果しか期待できません。快適に生活するためには、成功本などによってその認知をより現実世界に適合したものに修正する必要があります。
幸いにも情報はあふれています。そしてその情報を活用する機会も、少なくとも今の日本ではふんだんに存在します。あとは自分しだいです。
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この記事へのコメント
言及された本、昨日事務所に届きました。
本の在庫が全然無いので、記事として紹介できるか微妙なんですが(汗)。←アサマシ
早速本買われたんですね。こちらも、
購入するかどうか思案中です。
書店でチェックしたいのですが、
なかなか置いてなさそうです。
ご指摘の件もありがとうございました。
本ブログの書評で買っていただいたとは
責任重大ですが(笑)、コストパフォーマンスも
高い良書と思います。
近々発売される御著書の方も楽しみに
しています。