2008年04月18日
『3年で富裕層になる!』
臼井 宥文著 2008年4月25日発行 1500円(税込)
3年で富裕層になる!―4000人の新世代リッチと会ってわかった方法
富裕層や富裕層マーケティングについての著作が何冊かある著者の新作です。今回は実践的な色合いが濃くなっており、やや自己啓発的な香りも漂います。
タイトルの3年で富裕層になるについてですが、1年目、2年目、3年目のプランは以下のようになっています。
- 資金を貯める
- レバレッジをかける
- 基礎固めをする
3年では運がよくないとやや厳しいように思いますが、流れとしては参考になります。実際に富裕層にアンケートをとった本書の結果でも、運のよさを挙げている方の割合が多いのですが、どのようにすれば運がよくなるかということを学ぶのも実力のうちなのでしょう。
本書にも書かれているように、心の持ち方も大切なようです。まずは自分がそうなれると思わないと自分自身で可能性を閉ざしてしまいます。
本書には富裕層になった方の話が数多く出てくるのですが、時代的な背景として、不安定であること、価値観が多様化していること、流動性が高まっていることなどがあると思います。
現代の日本に生活していると、今が不安定であるということはあまり実感できませんが、短期間で富の分布が変化するということからも不安定性が存在していることが感じられます。例えば、今の日本であればFXの口座を作れば、誰でもハイリスクハイリターンの取引が容易にできますが、ボラティリティが高いと不安定性が増します。
また、価値観が多様化しているため、価値自体も不安定になりやすく、何かのきっかけで多くの人が価値があると気付いたところ、あるいは価値があると思ったところに速やかにお金が集まります。インターネットの発展によるお金や情報の流動性の高さがさらにお金の集中を加速しています。
本書で著者が最も言いたいのは、今の時代はチャンスがあちこちに転がっているということであると思います。
富裕層になるチャンスが大きい時代ですが、やはり最初にしばらくは努力して元手を貯めることは依然として必要です。昔であれば一生コツコツでしたが、今は数百万円貯めた後に飛躍する道が開かれています。
現在の日本についてはさまざまに悲観的なことが言われています。しかしながら、ある程度の地道な努力ができ、その後に失敗を恐れずリスクをとることができる人には、恵まれた時代であるということを本書から読み取れます。
トラックバックURL
この記事へのコメント
例のウチでご紹介した本、マジで私は中身を全然読んでいない(パラパラ見て、図解がわかりやすそうでした)ので、もしハズレだったらごめんなさい!
ところで、bestbookさんが、読まれてもご紹介しなかった(できなかった(笑))本って、何割くらいあるのか、興味があるところです(笑)。
私はあまり吟味しないで買ってるので、ハズレ(失礼)が多いかも(汗)。
せめてリアル書店で買うときぐらい、最初の10ページくらいは読むべきだな、と今さら思っております。
決算書関係の本は内容が今一つでも、読む時にアタマを使うので、ハズレは少なくリスクも小さいと思っています。
実際に買って読んで紹介している本は半分くらいです。ブログのテーマと離れている場合、紹介するほどの価値がないと判断した場合、他のブログで紹介されてしまった場合、同じテーマの本の紹介が続いて内容が偏りそうなときなどは、総合的に勘案してブログで紹介していません。
ハズレを掴むマイナスよりも、良書を見逃してしまうマイナスの方が大きいので、気になる本はなるべく買うようにしています。投資と同じでハズレは付きものと思っています。
難しいのは、読み始めた今一つの本を途中で中断することです。買ったお金とそれまでに費やした時間が気になって、損切りしにくいことがあります。