2008年06月07日

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『不平等国家中国』4

園田 茂人著  2008年5月25日発行  777円(税込)

不平等国家中国―自己否定した社会主義のゆくえ (中公新書 1950)

まだ画像がありませんが、中公新書の新刊です。中公新書は画像がないことが多いですね。同じ新書のシリーズであればほとんど違いがないので、どうしても画像がないといけないわけではないのですが。

本書は中国での質問調査票による研究結果をまとめたものです。日本を含む他のアジア諸国との比較などもあります。研究報告ですが、話し言葉で書かれており図表や注釈も多いため、予想よりも読みやすい本でした。



過去に関係した結果もありますが、文化大革命が中国社会の発展や経済成長の足かせになっていたのは明らかです。その頃に中国で人生の春から夏を過ごした人は、やりきれない思いがあるかもしれません。

質問票をまとめたものは、その結果が自分の先入観や予測と大きくずれていればいるほど興味深く、ずれの理由を考えることに大きな意味があります。

教育を重視することや女性が働いていることなどはイメージ通りです。中国の方と話すと、教育を重視していることはよく伝わってきますし、中国の女性は「強い」印象があります。

結果で意外だったのは、中国の人々が中央政府を信頼していることです。地方政府やマスメディアは信用していませんが、中央への信頼は厚いようです。質問の時点で目に見えない圧力がかかっている可能性は否定できませんが、外から眺めるよりは、共産党政府にはそれなりの求心力があるのかもしれません。

本書を読んでも中国に対して持っていたイメージは変わりません。皆が豊かさを求め、教育を重視し、男女ともに仕事をするというものです。さまざまな問題はありますが、やはり長期的には中国の発展は止まらないと思います。



investmentbooks at 23:54│Comments(1)TrackBack(0)clip!本--中国経済 

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この記事へのコメント

1. Posted by ぐーたらJK   2008年06月08日 07:47
〜中国の水道の現状〜

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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