2008年06月15日
『ジム・ロジャーズ中国の時代』
ジム・ロジャーズ著 林 康史/望月 衛訳
2008年6月13日発行 1995円(税込)
本書は今年の元日に紹介した『A Bull in China』の翻訳です。やはり原書より日本語の方が読みやすいです。特に本書では中国企業が多く紹介されており、企業名は英語の表記だと読みづらかったのですが、漢字で書かれていると意味も分かりやすいと思います。
内容については訳注が少しあるくらいで、原書で紹介している通りの内容です。原書の記事から半年くらい経ちましたが、上海B株指数は半値近くに下がってしまいました。原書で読んで中国株投資を始めた方は、損切りしていなければ今はつらい時期かもしれません。
ジム・ロジャーズが現在の中国市場をどのように見ているかは、以下のブログで随時更新されており参考になります。
中国市場は高値から半値程度に下がっていますが、ジム・ロジャーズは長期上昇トレンドの調整期間と考えているようです。日本の読者にとっては、本書がこの時期に出版されたのはよかったのかもしれません。
中国株については暴落したら買おうと考え、口座だけ作って数年過ぎてしまいました。本書にあるように長期的な成長を確信するのであれば、現在は買い時なのかもしれません。ただし、底がどこかはわからないところです。
中国株は下がっていますが、まだあまり悲観論は目立ちません。押し目であるとすれば悲観論にはなるべくもありませんし、そもそも長期投資であればタイミングをとらえすぎようとすると買えなくなってしまいます。
ジム・ロジャーズは商品相場の長期的上昇と中国の長期的発展についてかなり前から述べており、今までのところはその通りになっています。商品については予測通りといってよいでしょう。中国についてはこれから数十年かけて正しさが徐々に明らかになるのかもしれません。
本書のテーマは中国株投資ですが、現代の状況において中国経済に発展についての青写真が描かれています。中国が発展する際にどのような産業が重要になるかということがよくわかり、さらには一般的な国の発展についても理解を深めることができる本です。
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