2008年07月28日
『適当論』
高田 純次著 2006年3月25日発行 735円(税込)
数日前にタレントの関根勤さんが書かれた『バカポジィティブ』という本を紹介しました。その中で、同じタレントの高田純次さんの生き方に憧れている旨書かれていました。このような場合、一方が他方を補っていることが多いと思います。
本書は2年ちょっと前に出た本ですが、ある程度売れていた印象があった本です。高田純次さんの本というと、まず本書が記憶の片隅にあったので、早速購入して読んでみました。
『バカポジィティブ』と『適当論』のタイトルを比べただけでも、両者が補完的であることがわかります。一方のタイトルが他方を意識して付けられたわけではないと思いますが、見事に対照的になっています。両方のタイトルとも内容をうまく表していると考えることができます。
本書は新書であり、さらに156ページほどの薄い本です。和田秀樹氏との対談や同氏の分析もあり、著者にはなっていませんが、本書の多くの部分を書かれているのは和田秀樹氏のようです。高田純次さんの分析ということで、このようなつくりになっているのかもしれません。
出版されてしばらく経っており、ある程度売れている本なので、アマゾンでのレビューも少なからず出ていますが、あまり評価が芳しくありません。理由としては、著者が高田純次さんとなっているのに、実際に本人が書かれた部分が少ないためのようです。
「バカポジィティブ」言い換えると「愚直」になると思います。愚直と適当という言葉は対照的ですが、対称的にではありません。
左と右の概念は、異論はあるかもしれませんが、ほぼ対称的と考えてよいと思います。しかしながら、愚直と適当は完全に対象な概念ではありません。左右の概念と比較するより、内外や有無の概念に近いかもしれません。
愚直さが内で、適当が外です。愚直は適当を突き抜けたところにあるので、そのようなイメージになります。あるいは、愚直さにはこだわりがあり、適当にはこだわりがないという観点からも考えることができます。
関根勤さんは高田純次さんに憧れているとのことですが、おそらく高田純次さんは関根勤さんに憧れてはいないでしょう。
本書を読むと、高田純次さんにも「愚直」な部分が存在することがわかります。しかしながら、愚直さを持ちつつも、それを突き抜けた適当さに覆われていることがわかります。おそらく昔はかなり愚直に過ごされた時期もあるのかもしれません。
単なる適当はいい加減なだけですが、愚直さを内包している適当にはこだわりを乗り越えた自由さが感じられます。本書の適当は後者の適当です。
オマケですが、本書にある「高田純次的口説き術」を書いておきます。
- とにかく攻勢にでることである
- けっして二枚目になるな
- 徹底的に奉仕せよ
- フランス料理より鍋
- 裏を返せ
- 裏切るな、表切りにせよ
5と6についてはこれだけではわかりにくいですが、5の「裏を返せ」というのは関係ができても冷たくしない方がよいということ、6の「裏切るな、表切りにせよ」というのは別れるときは自分が悪者になって女性に別れる大義名分を与えることです。
この「口説き術」からも、著者が単なる適当だけでなく愚直さを内包していることがわかります。



