2008年08月31日
『超意識―あなたの願いを叶える力』
坂本 政道著 2008年8月10日発行 600円(税込)
超意識―あなたの願いを叶える力 (幻冬舎文庫 さ 24-1)
最近幻冬舎から文庫化された本ですが、もともとはなんとビジネス・経済書を数多く出版してるダイヤモンド社から出ています。「なんと」と書いたのは、本書はかなりスピリチュアル度が高い本だからです。
前世、生命エネルギー、宇宙と一体化などの言葉が次々と出てくるため、そのような概念を好まない方にはあまりおすすめできないかもしれませんが、本書には潜在意識を利用して願望を叶えるマーフィー理論に対して著者が不十分と考えていることについての考察が出てくるので、自己啓発書によく出てくる潜在意識の考え方に興味がある方は面白く読めると思います。
著者はアメリカのモンロー研究所で、ヘミシンクという技術により変性意識状態を経験されており、本書に書かれていることの多くはその体験に基づいています。
モンロー研究所はここ数年日本人による体験記が何冊か出たため有名になりましたが、ロバート・モンロー自身によって書かれてものの翻訳書は昔からありました。モンロー研究所やヘミシンクについてはここでは述べませんが、変性意識状態を研究する研究所であり、ヘミシンクはその技術と考えてもらうとよいと思います。
変性意識状態は人間の精神状態としては存在しますが、変性意識状態によって主観的に体験されたものをどのように解釈するかについてはさまざまな立場があることでしょう。
変性意識状態では「霊的存在」を「見たり」、「霊的存在」から「メッセージを受け取ったり」するようですが、それをどう考えるかは難しい問題です。なぜならば、「霊的存在」が存在するかどうかというより、存在とは何かということから考えないといけないからです。
本書の著者の立場はそれらの体験や存在が実在するという立場のようです。ここの部分で著者の立場と明らかに反対の立場の方は、本書を読み進めるのが心理的に難しくなるかもしれません。
自分の立場としては、変性意識状態による主観的な体験については判断しないという立場です。一般の旅行記を読むのと同じような感覚です。旅行記は内容が面白ければよく、旅行中の体験が真実かどうかは一つ一つはチェックしません。
自己啓発書にはマーフィーの法則のように、潜在意識で願えば叶うという内容がよく出てきます。これについても真偽ははっきりしませんし、そもそも真偽がはっきりわかる問題かどうかから考えないといけません。
正しいと思っている人からすると、真偽を確かめるヒマがあれば実践した方がよいという話になるでしょうし、関心がない人からすると、真偽がはっきりしないことは敬して遠ざけるとなるでしょう。あるいは考えたくもないかもしれません。
潜在意識自体が定義からしてもともと意識でない領域の問題です。一般的な意味で真偽を決めるというのは意識の部分での問題になるので、もともと意識の領域で潜在意識の真偽について決着をつけようとすることに無理があるのかもしれません。


