2008年11月05日
『フェラーリ経済学―半年後の景気を先読みするフェラーリ的分析術』
村上 篤良著 2008年11月5日発行 1365円(税込)

フェラーリ経済学―半年後の景気を先読みするフェラーリ的分析術
タイトルに経済「学」とありますが、平易に書かれているため気軽に読める本です。著者の本は以前に『Dr.村上の「儲け」のネタ帳』という本を紹介したことがあります。
本書は、フェラーリを通じて景気や日本経済を読み解く内容が興味深いので、フェラーリ自体に興味がない方でも面白く読めると思います。
フェラーリが景気予測に役立つのは、フェラーリは経費で落ちないなどの理由もあるらしいです。フェラーリは実用性がないにもかかわらずお金がかかるため、景気のよさによって純粋に社会に余っているお金を示す一つのバロメーターになるようです。美術品的な要素があります。
著者は御自身もフェラーリオーナーであり、FCJ(フェラーリ・クラブ・オブ・ジャパン)に所属されているので、フェラーリオーナー同士の付き合いもあるようです。そのことについて書かれている部分も本書の読みどころの一つでしょう。フェラーリの所有を通じた経済格差の違いについて、わかりやすく説明されています。
フェラーリを所有しているのはほとんどが男性だと思われます。フェラーリは実用性がないのに、購入には高いお金が必要です。「機嫌」が悪くなって故障しやすく、メインテナンス費用も高くつくようです。お金がかかる女性のように表現されており、本書にはそのことに関係するコラムもあります。
全体的にくだけた内容の話が多く、肩肘張らずに読み通せる内容です。女性についての話が多く出てくるのは、やはりフェラーリと女性に似ている点があるからかも知れません。
本書に書かれていることは経済学的な難しさはありませんが、フェラーリというものを通じてこれだけお金に関する話題を広げるられるのは、フェラーリに対する著者の長年の愛着とこだわりがあるからでしょう。
あるものについてたとえ読み手に関心がない場合でも、著者が愛着とこだわりを持っているテーマについて書かれている本には、ある種の面白さがあります。本書はそのような本の一冊になっていると思います。


