2008年12月28日
『1分モテ・コツ―オンナ心のツボ教えます』
檀 れみ著 2008年12月28日発行 1500円(税込)
1分モテ・コツ―オンナ心のツボ教えます
著者:檀 れみ
販売元:産経新聞出版
発売日:2008-12
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著者はホステスの経験もある方で、過去に何冊か恋愛の本を書かれています。男性向け、女性向け両方ありますが、本書は男性に向けて書かれた本です。女性によって男性向けに書かれている恋愛本で、本当に役立つ本は少ないのですが、本書はその少ない本の一冊かもしれません。
女性向けの恋愛本は数多く出ており、書店でもコーナーを作っていますが、男性向けの恋愛本はあまりないためか、それ専用の売り場があることは少なく、サブカルチャーのコーナー一角にあることが多いようです。
これはなぜかというと、男性の場合は恋愛スキルそのものを高めるよりも仕事を頑張る方が、恋愛におけるリターンが大きかったからかもしれません。昔は恋愛スキルなどなくても、真面目に働いていればよほどえり好みをしない限り、結婚相手には困らなかったようです。
しかしながら、現在は以前と比べると女性のみならず男性にも恋愛スキルが求められるようになっています。そこで、本書のような男性向けのモテ本が登場してくるのでしょう。
本書は内容が大きく二つに分かれています。一つは女性にモテるためのコツを男性向けにわかりやすく解説されているもの、もう一つは著者の銀座での体験をエッセイ風に綴ったものです。それぞれ『夕刊フジ』、雑誌『経済界』に連載されていたもののようです。
それにしても『経済界』という雑誌は、このようなやわらかい内容の連載もしているんですね。たしかに銀座に通われている経営者も少なくないようなので、需給が一致しているのでしょう。
銀座についての話は、雑誌に連枝されていたこともあるのでしょうが、四季折々の季節感のある話や、さまざまな男女模様が描かれており、「銀座歳時記」といった内容になっており面白く読めます。
しかしながら、多くの男性読者にとっては、前半部分の方が実用性があって役に立つ内容になっています。『夕刊フジ』に連載されていたためか、文書も非常に親しみやすくなっています。
前半の終わりにシンプルなまとめがあるのですが、そこから本書の大まかな内容が想像できると思います。
- オンナ心をくすぐる言葉をかけ慣れる
- ビジュアルを整える
- 露骨に男を感じさせる行動に移す
- 紳士的にネバリ、女性にガッツかせる
- 口説く際には、お酒+”いきなり行動”
本書の前半部分は、このまとめの内容がより詳しく説明されています。著者のキャラクターも影響している部分もあるとは思いますが、一般的に通用する話も多いと思います。
本書にあるモテテクは有力だと思いますが、本書の方法を使うにはある前提があります。
それは、本書の方法を使う男性は、ある程度の価値があることを女性に認められている必要があるということです。
ふだんから銀座に通える男性は、女性が好むある程度の価値を持っていることが多いと思います。その上で、どのようにしたら女性を口説くことができるかが本書に書かれていることです
ここで言いたいのは、銀座に通えるほどの経済力が必要であるということではなく、アプローチしようとしている女性が自分の価値をある程度認めている必要があるということです。
たとえば、別に経済力がなくても、容姿がよいとか、会社でそれなりに評価をされているとか、女性と人として楽しく話ができるとかなどといったことでもその条件は満たされます。
一定の条件を満たした上で、本書の方法を用いると非常に効果があると思います。「本書の方法を御使用の際には注意が必要」ですが、そのあたりをはっきりとは書かれていないのが、著者の女性としての「やさしさ」なのかもしれません。
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この記事へのコメント
本の存在を多くの方に知っていただくのは大変なことです。
ご紹介くださり、感謝しております。
本当にありがとうございました。檀れみ
銀座の文章はとても瑞々しい印象を受けました。よい意味での女性らしい感情的な表現が新鮮だったと思います。恋愛の質が高くなると世の中全体が楽しくなると思うので、今後も世の男性の恋愛リテラシーを高めるようなモテ本を期待しています。