2009年07月23日
『妻の相談に乗ってはいけない』
織田 隼人著 2009年8月4日発行 777円(税込)
妻の相談に乗ってはいけない (学研新書 56)
著者:織田 隼人
販売元:学習研究社
発売日:2009-07
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まだ書影がありませんが、書店で見る機会があればオビの絵が目を惹くと思います。タイトルから想像できるように、夫が妻に対して接する考え方や方法が書かれている本です。
本書のすべてにわたりそのテーマが貫かれていますが、夫婦のみならず、ある程度関係がステディになっているカップルにも役立つ内容になっていると思います。本書は大きく二つの章に分かれています。
- 妻との和平を保つための、14の逆説
- 妻の攻撃をかわすための、16の先制防御法
一章と二章を合わせて、全部で30のトピックスが扱われていることになります。
第一章は「逆説」とあるように、一般的に望ましいとされていることについて逆の観点から述べられています。たとえば以下のようなものがあります。
- 女性に心からわびようと思ってはいけない!?
- 妻に高価な贈り物をしてはいけない!?
- 男らしく決断してはいけない!?
夫婦間で何となくよいと思われていることに、あえて逆の視点を提供しています。
第二章は「先制防御法」で、以下のようなものがあります。
- 女性の言葉を翻訳するコツ
- 暑くてもエアコンをつけてはいけない
- 「真剣に話をしている」を演出するコツ
男女は身体感覚や認知機能が異なるので、違いを認識しておくことの必要性と具体例が述べられています。
本書は全体的にどことなくユーモラスに書かれているように感じるのですが、そのスタイルが男性が女性に対するときの最も基本的な心構えを主張してるように思います。
男女観の違いにイライラしたり怒ったりするのではなく、楽しんで乗り越えるくらいの心構えが必要なようです。
ちなみに女性向けに書かれている男性とどのように接するかという本は、多くが軽いタッチながらもどことなく真剣さが根底に流れているような印象があります。このあたりも男女差が反映されているのかもしれません。
以前にも書きましたが、男女間のパートナーに対する「愛」とは、本質的に理解し得ない異性の相手に対して、理解できながらも理解しようとし続けることであると思います。
本を読んで相手の感覚を理解しても、時間が経つと自分なりの感覚に自然に戻ってしまうので、折に触れて本書のような本で異性に対する理解を続けることは、長期的によい関係を築くためには必要なことなのかもしれません。