2009年08月05日
なぜ総理大臣は漢字を読めないといけないか?
話としては古いのですが、現総理が漢字を読めないということが一時期盛んに報道されました。今でも思い出したように話題になることがあります。
では、なぜ総理大臣は漢字を読めないといけないのでしょうか?
たとえば、有無(うむ)を「ゆうむ」、措置(そち)を「しょち」などと読まれていたようです。措置などは政治でもよく出てきそうな漢字なのでやや驚きなのですが、逆に考えると、実際上は現在の日本の政治家に漢字を読む能力は必要とされていないのでしょう。現に総理大臣になられているわけですから。
じっさい、政治家にとっては漢字を読めることより、世の中の流れを読んで適切な政策を採用したり、人を見抜いてうまく渡り合ったりする力の方はるかに重要です。個人的には漢字は読めなくてよいので、適切な政策を推進して欲しいところです。
それでも国内で面白おかしく報道されており、そのように報道されているということが海外のマスメディアでも報道されています。以前、ブッシュ前アメリカ大統領が常識的なことを知らないということが、同じようにアメリカで報道されていました。
政治的なことと直接関係ないのに、漢字の読みなどの一般常識を知らないといけないのは、やはり「なめられてしまうから」です。
総理大臣という役職があったとしても、結局は人対人の付き合いになります。外国に行って、他の国の代表者と会うときに、そのようなイメージを持たれるとなめられてしまうかもしれません。
昔、中国に行ったときに中国側の相手すら知らないような漢詩の話題を出して、相手方を驚かせたような総理大臣もいました。その方は、日本のバブル崩壊後2年くらいで、銀行への公的資金の注入を提案された方です。
残念ながら、周囲の反対に遭って立ち消えになってしまいましたが、結局不良債権の処理によるバブルの後遺症の解消まで10年以上かかってしまいました。その時に公的資金が注入されていれば、失われた10年はなかったかもしれません。
難しい漢字の読みを知っている必要は全くないと思いますし、そんなに難しくない漢字の読みも知らなくてもよいかもしれません。しかしながら、その教養の部分は、おそらく他の知識とも相関があるはずです。
そんなに難しくない漢字が読めなければ、実は他の分野のことについてもあまり理解されていないのではないかと思われてしまいます。実際には理解されていたとしても、そのようなイメージを周囲の人々に持たれるだけで大きなマイナスになります。
マスコミは面白おかしく報道していましたが、そのようなスタイルで報道していたのは、実際の事態の深刻さを直視しないようにするためかもしれません。なんといっても、結局は国民が選んでいるわけです。報道する側もニュースを受け取る側も、そうは意識していないかもしれませんが。
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この記事へのコメント
しかし自分のミスは棚上げにして総理大臣だからといって馬鹿にする。
テレビ局の人間の精神構造はいじめっ子と同じですかね。
たしかに自分のことを棚に上げて他人を批判することはよく見られると思います。ただ、テレビ局の人々も視聴率のために報道していると思うので、視聴者の方にも理由があるのかもしれません。なかなか難しい問題ですね。


