2009年08月16日
地方にはバブルの名残がある
夏休みを取って、ここ数日長野や山梨で過ごしてきました。今回に限らず、地方に行くたびに思うのですが、地方には1980年代末のバブルが残っています。
バブルが残っているといっても、実際にバブルのように景気がよいわけではなく、むしろ今回のお盆休みのような時期以外は、活気なく閑散としているところの方が多いと思います。バブルの名残でまず思い浮かぶのは建物です。
バブルの時代にあまりにも過剰な建築の投資をしてしまった施設は、経営自体が成り立たず、潰れてしまったところも多いことでしょう。今残っているのは、何とか苦労しながら生き残ってきたところです。
地方に行くと、建物は豪華で設備が古い施設をよく見かけますが、これはバブルの名残であると思います。今回もそれらしき宿泊施設を目にしました。
建物はわかりやすいのですが、ここは本についてのブログなので、書いておきたいのは温泉旅館やリゾートホテルの図書コーナーについてです。
旅館やホテルに泊まると、ある程度の大きさのところであれば、図書館とは言わないまでも、図書コーナーがよくあります。ロビーや娯楽室の一角にあることが多いと思います。
そのようなコーナーを目にすると、やはり本が好きなのでどのような本が置いてあるかすみずみまで見てみます。雑誌や観光ガイドの本はさすがに新しいものが置いてあるのですが、それ以外の本は古いものも多く残っています。
経済についての本も置かれていることが多いのですが、中身を見てみると、1980年代末のバブルの時期に出版されているものが多い印象を受けます。今回訪れたところも、昭和63年、つまり1988年に出版された新書がありました。
まさにバブルまっただ中に出版された本ですが、その時期の雰囲気が伝わってきて興味深いものがありました。
内容を非常に簡潔にまとめると、日本の土地や株価は国際的に比較するとたしかに非常に割高であるが、これからの日本はさらに国際的に発展し、内需を拡大するようなさまざまな計画もあるので、それらの価格は正当化されるといった内容のものです。
今から眺めると、その本に書かれていた日本各地の「さまざまな計画」は期待されていたほどの価値を産み出しておらず、ものによっては大きなマイナスしか産み出していないようなのですが、そのころはそれらの計画、そして日本の将来がキラキラと輝いた見えたのでしょう。その本からはそのような雰囲気が溢れていました。
今回の本に限らず、やはりバブルの頃に出版された本で、サラリーマンがお金持ちになるには借金をして自宅を買うのがよいというアドバイスが書かれていました。
バブルの頃に借金をして不動産や株を購入した人が、その後どのようになっているかを考えると、バブルの頃にはそのような本を読んでいない人の方がむしろ現在の状況はよいことでしょう。
また、そのような本が残っている宿泊施設は、おそらくこの20年間血の滲むような経営努力を続けてきたことが想像されます。
地方の宿泊施設にバブルの頃の本が多いのは、やはり建物だけでなく、本についてもその頃に「過剰投資」が行われていた名残かもしれません。そのため、バブルの名残は建物や設備だけでなく図書コーナーの本でも見ることができます。
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この記事へのコメント
私も、当初はまとめて記事を書こうと試みたこともありますが、メリハリをつける意味でも、年2回ほど1週間程度休むようにしています。
bestbookさんも、多少休みながらも無理せず末永く続けていきましょう。
今回のブログの休みはikadokuさんを見習って取ることにしました。お書きの通り、年に2回くらいは1週間程度の休みを取るくらいがよいのかもしれませんね。
今回の休みは、何となく休みを取りたくないという感覚があったので、逆に思い切って取ってみることにしました。
やはり末永く続けるためには、無理しない方がよいようですね。今後ともよろしくお願いします。
熱心な宗教者でも落とすのは難しいのですかね。
バブルで仏。なんか不似合いですが。
宿泊施設に限らず、地方にはバブルの名残がたくさんあるみたいですね。たしか写真集なども書店で眺めた記憶があります。
大仏はいかにもバブリーですね。買っても維持費が大変そうです。バブルになると宗教方面にもお金が回るのかもしれません。