2009年09月05日
『「1秒!」で財務諸表を読む方法【実践編】』
小宮 一慶著 2009年9月17日発行 1575円(税込)
「1秒!」で財務諸表を読む方法【実践編】
著者:小宮 一慶
販売元:東洋経済新報社
発売日:2009-09-04
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以前に紹介した『「1秒!」で財務諸表を読む方法』の実践編です。「実践編」とあるだけあり、本書では前作より、一歩進んだ財務諸表の読み方が解説されています。
本書の内容は前作と比べると、以下の目次から分かるように、財務諸表を読む本としてはオーソドックスな構成になっています。
- 貸借対照表の見方・読み方[基礎編]
- 貸借対照表の見方・読み方[実践編]
- 損益計算書の見方・読み方[基礎編]
- 損益計算書の見方・読み方[実践編]
- キャッシュフロー計算書の見方・読み方
いわゆる財務3表の読み方について順番に解説されていますが、経営コンサルタントである著者による説明は豊富な実務経験に基づいているので、一般的な解説書と比べるとより実践的です。
著者の持ち味は、各論的な解説でより発揮されると以前に書いたことがありますが、本書は初心者向けの内容ながら、より一歩突っ込んだ各論的な内容なので、著者の持ち味が生きていると思います。
本書は『オール投資』という株式投資についての雑誌連載が元になっているので、株式投資をする場合の企業分析にも参考になると思います。
著者は本書の終わりで以下のように書かれています。
「基本が理解できたら、後は多くの会社の財務諸表を分析してご自身の経験を深めていってください。また、新聞記事などにも興味深いものもたくさんあります。「紙一重の積み重ね」が実力を高めます。」
本書のような決算書について書かれている良書を何冊か読むと、総論については自分でもある程度理解できるようになりますが、細かい部分を自分で理解できるようになるためには、著者が書かれているような「紙一重の積み重ね」が欠かせません。
仕事をすることの利点は、その「紙一重の積み重ね」を自然な形によって自分の外部の力で行う機会を与えてくれることですが、決算書の読み方などの訓練ができる仕事は限られています。
決算書を読むモチベーションは普通に生活していると生じにくいのですが、やはり一つの方法としては株式投資を自分のお金で行うのがよいのではないかと思います。その会社の株を少しでも買うと、モチベーションが得やすくなるはずです。
決算書を読む能力は仕事をする上で非常に重要だと思いますが、本書に書かれているくらいの分析が自分でできるくらいになっている人はあまりいないはずです。考え方によっては、他者と差別化するチャンスであると思います。


