2010年01月18日
家業再生10
共聴工事の費用について家電量販店の方に尋ねたときは、「ブースター(増幅器)を交換すればいいと思うので、多分10万〜20万くらいでは・・・」とのことでしたが、数日経って届いた見積書を眺めると、なんと共聴工事一式200万弱。
今回借りた資金にはその分は含まれていなかったので、テレビは買うことにしているものの、一時的にはともかくBSがずっと映らないのは望ましくありません。相場がよく分からないため、もう一件の業者に見積もりをお願いしました。
新しい見積もりもだいたい同じ額でした。内訳は機器や材料が50万弱、工事費が150万弱といったところです。見積書には機器の内訳などが書かれていましたが、まずはその機器の意味すらわからないため、それらの価格をネットで調べることから始めました。
ネットの最安値と比較すると、機器はだいたい2〜10倍の価格であることがわかりました。機器だけを自分で購入し、同軸ケーブルなども自分で加工すると、機器と材料費は全部で15万円くらいです。
問題は工事費の150万円です。直感的に高すぎると感じたのですが、機器をどのように使ってどのような工事をするかがわからないので、どこが高いのかわかりません。
見積書の内容や工事計画の図面とにらめっこを開始し、共聴工事についてネットや本で調べ始めました。
最初はさっぱりわからなかったのですが、
ネットで調べる→わからないところは本で調べる→実際に機器やケーブルを少しだけ買って試してみる→それでもうまくいかないときは機器を作っている会社に直接電話して不明な点を尋ねてみる
を繰り返しているうちに、何となくわかってきました。ネットでは以下のページが非常に参考になりました。
技術的な本も10冊くらい目を通して参考になりましたが、実用的な意味においてこのサイトほどよく書かれているものはありませんでした。
自分で調べているうちに、「ひょっとしたらこの工事は自分でできるのではないか」と思い始め、とりあえず必要な機器を少しずつ買い足して、営業に支障が出ないよう試行錯誤しながら工事を開始しました。
具体的には信号レベルを確認しながら、ブースターの交換と調整、信号フィルターの取り付け、同軸ケーブルの部分的な交換、分岐器・分配器の取り替え、直列ユニットの交換などを行いました。
現在は9割くらいの工事が終わってあと一息、次回帰省したときには完了の予定です。ネットで調べたり関連書籍を読んだ時間を除くと、工事にかけた時間は50時間くらいでしょうか。
今回のことでいろいろなことがわかりました。
- 工事は業者に丸投げしない
自分の時給などを考える必要がありますが、できる工事は自分でやった方がはるかに安上がりです。今の時代はネットと本で調べて、わからないことは製品を作った会社に尋ねるとだいたいのことはわかるようになっています。
- 自分でやると時間はかかっても勉強になる
今回ある程度の時間を取られましたが、それ以上に勉強になりました。節約しながら知識が得られるので、勉強しながらお金をもらっているようなものです。
- 業者の工事もあてにならない部分がある
今回の工事によって以前業者にやってもらっている工事をすみずみまで確かめることができました、プロがやっている工事もいろいろと不十分な点があります。図面と違っていたり、必ずしも理論的に最適な工事をしているわけではないことがわかりました。
- 工事内容を把握すると交渉がしやすくなる
今回は結局業者との再交渉はしませんでしたが、自分で工事内容をすみずみまで理解していると、工事の相場を自分で把握することができます。今回の工事の適正な価格はすべて込みでおそらく50万から100万の間といったところでしょう。
というわけで、可能な工事は時間の許す限り自分ですることにしました。電気工事は資格が必要ですが、資格を取ってからやるつもりです。
今回の設備投資は投資ですが、投資のポイントは投資金額をなるべく安くすることです。
トラックバックURL
この記事へのコメント
実は私の実家も建築金物の卸を親戚と長年やっていたのですが、売り上げ減少と父親たちの高齢化で事業の存続ができなくなり、このたび廃業ということになりました。
運転資金に個人の貯金もつぎ込み、私も数百万の援助をしてきましたが、やっと決断に至りました。まだ、一千万以上の借金がありますので、父たちの年金と店舗部分の賃貸収入で返していかなくてはなりません。(借り手がいるかどうかわかりませんが)
まだまだ大変ですが精神的には楽になったようで決心してよかったです。先生の家業再生が成功することを祈っております。
最近の家業再生シリーズもおもしろいですね!こっちまで起業しているような感覚になります。大変でしょうががんばってください。
ちなみに今回の話はなんとなくDIY(Do It Yourself)につながるような。。アルビントフラーさんの「富の未来」という著書ではIT技術(Webネットワーク)によって専門知識の共有が起こり、多くのことは自分でできるようになると書かれてました。(結果経済の規模はGDPなどで数値化しにくくなってきているとも・・・)
家業を再生する際の参考になればと思いコメントしてみました。
今後のブログの更新を楽しみにしております^^
ところで、「マインドコントロール 日本人を騙し続ける支配者の真実」という本が、Amazonで上位にランクインしてますが、リアル本屋に置いてなくて、立ち読みできません。
bestbookさんは、読む予定とかないですかね?
読む価値がないのなら、それでいいのですが。
立ち読みができないけど、Amazonで好評価なのと、タイトルが刺激的で、読みたくてじりじりしてます。
ぜひ、立ち読みでもかまわないので、どんな本だったか、報告してくれると嬉しいです。
御実家の家業は廃業なさったんですね。それまでの家族の精神的な苦労などはある程度想像できるので御察しします。
家業についてはどこまで踏ん張るかは難しい問題です。場合によっては早めに廃業する方がみんなにとってよいこともありますね。そのあたりの見極めは、当事者であるからこそ難しいということはあると思います。
今後借金を完済してより楽になることを願っております。
>やんさん
いつもお読みいただきありがとうございます。今回の家業再生はまさにDIY(Do It Yourself)で、時間を見つけてはホームセンターやネットなどで工事用品を眺めることが多くなりました。
ご紹介いただいている『富の未来』に書かれていることはまさに実感しています。たしかに自分で工事をやっているので、GDPを下げてしまっているかもしれませんね。時代が変化するといかにしてGDPをアップさせるかよりも、GDPに変わる指標が必要とされているということなのかもしれません。
いろいろと御言葉をいただきありがとうございます。家業再生もブログも相乗効果を生むように頑張りたいと思います。
>KTさん
ご紹介いただいた『マインドコントロール 日本人を騙し続ける支配者の真実』はまだ書店で目を通していないので、見てみようと思います。面白ければ記事にしたいと思います。情報いただきありがとうございます。
ちなみにアマゾンでも少しだけ立ち読みができるようですね。すでにご存知なら蛇足になりますが。
業者は利益を出さなければならないので材工ともに自分でやるのと比べるのはおかしいように思います
>ネットで調べたり関連書籍を読んだ時間を除くと、工事にかけた時間は50時間くらいでしょうか。
調べる時間を除いて金額はじいちゃダメよ><
そんなんで適正な価格(キリッってされてもねぇ
>工事内容を把握すると交渉がしやすくなる
おっしゃるとおり!
値切るだけでなく付加価値をつけてもらえることがあるかも!?
bestbookさんの行動力があれば必ず家業再生成功すると思います
こころより応援しております
たしかに業者の方は会社としての利益を出す必要があるので、材料費、労務費、その他会社の経費と利益などを考えると、今回の共聴工事では100万円くらいの売上げは必要かもしれません。本当は経営努力によってホテルの稼働率を上げて売上げを大きくし、関係する業者の方にもある程度の儲けを分けるのが望ましいと思います。現在の状態は緊急時の特殊な状況としたいものです。
調べる時間も入れると合計で100時間くらいはかけていると思います。調べているときは楽しいのであまり仕事という感じはしないのですが、正確にはご指摘のように調べる時間も入れるべきですね。
業者の方に儲けを与えてあげることも必要とは思うのですが、やはり見積もりの内容をある程度把握しておくと値切りだけだけでなく、お書きの通りその他のサービスも得られるかもしれませんね。業者の方とは最終的にお互いが納得いくところで折り合えればと思っています。
とりあえずの再生は1年、納得のいく形になるには3年くらいかかると考えています。応援いただきありがとうございます。経過はブログで今後も報告させていただくことになると思います。