2010年03月23日
『史上最強の投資家 バフェットの大不況を乗り越える知恵』
メアリー・バフェット/デビッド・クラーク著 峯村 利哉訳
2010年3月31日発行 1575円(税込)
史上最強の投資家 バフェットの大不況を乗り越える知恵
著者:メアリー・バフェット
販売元:徳間書店
発売日:2010-03-19
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本書の著者の一人はバフェットの義娘で、何冊かバフェットについての本を書いており、日本語にも訳されています。本書は最新刊です。タイトルには世界経済の現状を反映して「大不況」という言葉がありますが、原書のタイトルにはそのようなニュアンスの言葉はありません
本書はバフェットの経営、とくに傘下の経営者を管理する面に焦点を当てた本です。株式投資の話は直接的にはあまり出てきません。本書の目次は以下の通りです。
- 適正なビジネスを選ぶ
- 権限を委譲する
- 適正な資質を持つ経営者を見つける
- 部下に動機を与える
- 経営上の諸問題をめぐるバフェットの教訓
全部で50個程度のバフェットの言葉があり、それぞれのその言葉のあとに著者の解説が続きます。本書はかなり自己啓発色の強い内容で、若い頃バフェットがカーネギーの名著『人を動かす』に影響を受けたエピソードが強調されています。
メアリー・バフェットはバフェットに近い方ですが、一連の著作はバフェットは直接関与はしていないように思います。本書も著者の目を通して眺めて解釈されたバフェットが描かれている印象を受けます。
バフェットの本を過去に読んだことがある方にとっては、本書の言葉は以前に聞いたことがあるものも多いと思います。バフェットの言葉の多くは株式投資の知識がない方にとっても平易な言葉で語られており、理解するのが難しいことはあまりないのですが、実際に行うのは難しいことがほとんどです。
多くの人は分かっていながら実践できないことがあります。本書にはそのようなことがバフェットの言葉として多く書かれていますが、実践しにくいことが他者との差別化によりバフェットの利益の源泉になっているようです。
多くの自己啓発書もそれらの本に書かれていることは難しくないのですが、実際に継続して行うことは必ずしも容易ではありません。バフェットの株式投資を実践するのも、自己啓発書の内容を行うのも、両方とも人間の本性に逆らわないといけないという点で共通しています。
バフェットはなによりも投資家なので、バフェットについて知りたいのであれば本書は最初に読むべき本ではないとは思いますが、今までにない切り口で書かれている本として、バフェットに関心のある方にとっては本書はよいかもしれません。


