2010年04月06日
家業再生31
ビジネスホテルを再生するためには、数多くのお客様に来ていただく必要があります。これは人で考えると、いかにして異性にモテるようになるかということと似ている面があります。
「モテている」状態は男女や個人の異性と付き合うときの価値観によって考え方が違いますが、そのあたりを議論するとキリがなくなるので、ここでは単純に考えます。異性モテるためには大きく分けて、以下の二つの柱があります。
- 自分の価値を高める
- そのことを異性に伝える
たったこれだけのことなのですが、人生のおける男女の悲喜こもごもは、この二つがうまくいったりいかなかったりすることから生じます。
ビジネスホテルにおけるモテは、なるべく数多くの人を惹きつけたいという点では男性のモテとより関係があり、リピーターとなるお得意様を作るという点では女性のモテと関係が深いと思います。
男性は自分の好みの範囲内であるなるべく数多くの女性から好かれている場合にモテている感じがしますし、女性は自分にとって価値が高い少数の男性に言い寄られているときにモテている感覚を持ちやすくなっています。
ただしこれらはあくまでも程度の問題であり、男性でも女性的なモテを好む人も少なくないでしょうし、逆もまたしかりです。
ビジネスを拡大するのであれば男性的なモテの要素が重要になりますし、小規模のままにとどめておくのであれば、女性的なモテの要素が強くなります。当ホテルは現在のところ小規模なので、リピーターとなるお客様を増やすのが主な目標になります。
まずは自分の価値を高めることですが、これはお客様が求めているものを提供することです。異性にモテたいのならば、異性が何を求めているかを察して、それを与え続けることと同じです。
どれくらい求めているものを与えられるかが価値になりますが、これは株式の価値はつまるところ将来の期待利益の総和であることを思い起こさせます。
現在ホテルの再生で行っているのはそのことです。お客様にとっての価値は、大きく二つに分けると快適さと便利さになります。これは異性からモテることについて考えをめぐらせると分かりやすいかもしれません。モテている人は異性にとってこれら二つの価値が大きい人です。
一般的に男性が女性に提供できる価値は、容姿、健康、経済力、家柄、集団における位置、清潔さなどですが、ホテルで考えても似ている面があります。こられについても細かく考えるといくつか考えるポイントがありますが、望ましいのは明らかに劣っている点がないことです。
このように考えると、モテにおいてもホテル経営においても大事なのは、明らかに劣っている点を改善することです。その上で目立った長所があれば言うことはありません。
価値をある程度高めたら、次に必要なのはそれを相手に伝えることです。昔はホテルの価値を伝えることは難しかったのですが、現在はネットによる口コミや評価があるので、伝えることは昔よりは容易になっています。その分、以前よりも価値を高めることの比重が高まっています。
男性のモテを考えても、価値を女性に伝える場合に最も効果的なのは、自分からアピールすることではなく、女性の間で価値の高さが噂になることです。
売り手と買い手の関係を考えると、売り手は男性、買い手は女性です。現代は社会が女性的になりつつあるので、消費者としての買い手の立場が強くなっています。セックスまでの関係における決定権は女性にありますが、買うという行為の決定権は消費者にあります。
そのことを考えると、いかにして消費者という女性的な存在を喜ばすような価値を提供し、消費者という女性的な存在の間で評判になるかが価値を伝えること、つまりはマーケティングの核心になるのではないかと思います。
現代においては、できる範囲でいかにして誠意を持って女性を喜ばすことができるかが男性のモテの秘訣ですが、ビジネスにおいても、誠意を尽くしていかにしてお客様に喜んでもらえるかが商売繁盛の秘訣かもしれません。