2010年05月09日
家業再生39
前に書きましたが、ホテル内の電気設備をある程度工事できるようにするため、電気工事士の試験を受けます。この試験は二段階あり、最初に筆記試験があり、それに合格すると一ヶ月ちょっとしてから実技試験があります。
今年の試験日は6月6日日曜日なので、ちょうど一ヶ月後が試験日になりました。通勤時間などに参考書をパラパラ読んでいましたが、そろそろ集中的に取りかかる必要がありそうです。
試験に合格すると、第二種電気工事士の資格を得てある程度の電気工事をすることができます。正確に言うと資格を取得後に認定講習を受けないと、ホテルなどの比較的大きな設備を行うことはできません。試験に合格したとしても実際に工事を行えるのはまだまだ先になります。
認定講習を取得後にどのようなことができるようになるのは、例えば、照明のスイッチの交換、コンセントの増設、エアコン設置などです。
工事ができるようになったらやりたいことは、これも以前に書いたのですが、客室のスイッチの交換です。また浴室の壁に埋め込まれている照明の交換なども考えています。これらは工事さえできれば、低コストで可能な割には雰囲気を変えるはたらきが大きいと考えています。
また内部のみならず、建物の外部にも照明を設置することができます。当ホテルは夜に外から見ると比較的暗いので、ある程度の明るさを確保して通りがかりの人が「あの中に入ってみたい」と思えるような柔らかい雰囲気を演出したいところです。
さらに考えているのは、ロビーのトイレにハンドドライヤーを設置することです。現在は工事をしないと電源を取れないのでペーパータオルにしていますが、計算してみるとハンドドライヤーの方が低コストであり、自分で工事さえできれば1〜2年でコストが回収できるようです。
ホテル全体の照明も徐々にLEDに交換しています。交換するとそれだけで電気代が安くなります。相場を張っているわけではありませんが、さらに考えるとこのことは一つのポジションを取っていることになります。
それは将来的に電気代が高くなればなるほど経済的なメリットを受けるポジションです。ペーパータオルからハンドドライヤーで考えると、紙代が高くなればなるほどトクをするポジションです。ハンドドライヤーにすると電気代はかかるのですが、紙代と比較すると無視できるくらいの小ささです。
単に電球を交換しただけのつもりでも、単純化して考えると原油価格が上昇したときにメリットがあるポジションを取っていることになっています。ちなみにLED照明に交換しなければ、原油価格が下がる方のポジションを取っていることになります。何もしない場合でも原油価格に対して一定のポジションを取ることになります。
また、現在LED電球を買うことは、それほど早くは電球価格が下がらない方向にポジションを取っていることになります。ちなみに、こんかい「やられた」と思ったのは、4月からエコポイントでLED照明が半額で買えるようになったことです。結果論ですがもう少し設備投資を待てば、電球の交換コストが下がっていました。
ただしそうすると、客室に導入したかったテレビが買えておらず、それ以上のマイナスになっていたかもしれませんが、このあたりの評価は実験できないので自分の感覚で想像するしかないところです。
どのようにしても、行ったことの結果はさまざまな不確定さにさらされていることになります。種々の要因を考えたからといって必ずしも自分が取ったポジションがよくなるわけではありませんが、どのような要因に影響を受けるかについてはなるべく意識しておくに超したことはないかもしれません。
電球で考えるとよくわかりますが、これはビジネスにかぎらず家でも同じことです。
ビジネスにかぎらず生きていれば否応なしに不確定さの中に投げ込まれています。まさに世の中は無常です。人間にできるのは、その場にふさわしい行動をとり続けるように試行錯誤し、状況に応じてポジションを取ることだけのようです。
トラックバックURL
この記事へのコメント
ちょっと気になったのでコメントさせていただきます。
ハンドドライヤーはハンドペーパーと比べ、手を乾かす力が弱く、いつもあまり意味がなく感じてしまいます。さらにドライヤー付近は水しぶきが多く不潔な感じがします。ハンドペーパーのほうが、客としては気分がよいと思います。アメリカに行った時、トイレには必ずハンドペーパーがあったことが、唯一日本より、清潔でよいと感じた点でした。
ちなみに私は今医学生ですが、bestbookさんのように、いつか医療以外のこともしてみたいなあと憧れています。
これからも、医師として、経営者としてがんばってください。
私はどちらかというとハンドドライヤー設置に賛成です。
やはり経営ではコスト削減が最重要なのでペーパーとの差には目をつぶった方がいいと思います。
(人によっては、印象が逆転するくらいの差だと思います。)
建物の外部にも照明を設置するのであれば、それを太陽電池でまかなえればもっといいんでしょうけど。
ハンドドライヤーといっても、製品によってはよく手が乾く、というよりは、水をよく飛ばしてくれる製品がありますよね。
某メーカーの製品が2000年初頭から普及し始め、そのハンドドライヤーが設置されているトイレは、「当たり」と思っています。
これこれ〜!という製品がリンクされるのを楽しみにしています。
さすがにアマゾンには売ってないかと思いきや、今検索したところ、ラインナップされていました・・。便利な時代になりました。
単品のコストとしては結構するんですね〜。
ゴミも少なくなってよいかと思います。
コメントありがとうございます。たしかにハンドペーパーの方が清潔ですね。ハンドペーパーを扱う営業の方と話をしたときにも、そのようなことを話を聞きました。
やはり医学を学んでいると、手洗いや消毒について厳しくいわれるので、清潔さには目が向くところですね。
医療の仕事は面白いのですが、やってみるとそれ以外の仕事も面白いです。ぜひ将来やってみてください。今は一応ホテルを経営していることになるのかもしれませんが、実際にやっていることは3Kの現場作業です。3Kなのは医者と同じです(^_^;)
>toshokannfanさん
コメントありがとうございます。お書きの通りコスト的にはハンドドライヤーの方が優れています。導入のコストはそこそこかかるのですが、今回調べてみてハンドドライヤーのランニングコストの低さにちょっと驚きました。
太陽電池も魅力的ですが、今のところは初期の設置費用がやや高いようです。将来コストが低下すれば時代に即していて印象もよく理想的です。参考にさせていただきます。ありがとうございます。
>Aさん
記事では単純に書いてしまいましたが、お書きの通りハンドドライヤーはいくつかの会社がさまざまな製品を出しています。
ハンドドライヤーのポイントはお書きの通り速乾性だと思います。会社や製品によって差が大きく、早いものは2〜3秒ですが、遅いものになると10秒以上かかってしまいます。
速乾性に優れているものは初期費用が高いのが悩み所です。あとは実際に使われるお客様の総合的な満足度との兼ね合いになります。
資格の関係があるので、導入するとしてもしばらく先になります。導入するにしてもしないにしても、最近はあちこちに設置されているので、しばらくは意識して実物をいろいろと体験してみようと思います。
いろいろと御意見をいただき、ありがとうございます。


