2013年07月10日

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『2014年、アメリカ発「金融緩和」バブル崩壊が日本を襲う』4

2014年、アメリカ発「金融緩和」バブル崩壊が日本を襲う
2014年、アメリカ発「金融緩和」バブル崩壊が日本を襲う [単行本]

なかなかセンセーショナルなタイトルなのですが、著者はブルームバーグのエディターをされている方です。2年ほど前にも同じようなテーマの本を書かれています。

オバマ発「金融危機」は必ず起きる!
オバマ発「金融危機」は必ず起きる! [単行本]

今のところ、オバマ発の金融危機は起こっていません。

 

いつの時期でも、楽観的なこと、悲観的なことを書かれている本は書店に並んでいます。楽観論の本は期待と安心で売れ、悲観論の本は不安で売れます。

数年前の金融危機の時には、「100年に一度」の金融危機についての本がたくさん出ていましたし、最近はアベノミクスについての本をよく目にします。

本書はアメリカ発経済危機についての本ですが、「アメリカ株の大暴落」「世紀のバブル崩壊」「日米同時危機」 「「500年に一度」のバブル崩壊」などの表現があり、なかなか刺激的です。著者は今後予測される「金融危機」を数年前の金融危機をはるかに超えるものになると想定されているようです。

 本書にあるテーマ自体は以前からも言われており、すでにいくつかの本がありますが、以下の本が比較的よく書かれています。

忍び寄る最悪危機 いますぐ アメリカ発の金融大崩壊に備えよ
忍び寄る最悪危機 いますぐ アメリカ発の金融大崩壊に備えよ [単行本(ソフトカバー)]

 アメリカで金融危機が生じるかもしれない理由として述べられているのは、アメリカの実体経済は改善せず衰弱し続けているにもかかわらず、FRBが金融緩和を行って見かけだけの回復を演出しているためということのようです。

本書ではさまざまな観点から具体的な数字も述べられています。アメリカ経済がダウ高値の割には強くないことはわかりますが、2014年に崩壊が起きる理由としてはちょっと根拠が弱いかもしれません。もちろん否定はできないのですが。

最近は中国のシャドーバンキングによる金融不安についても最近話題になっていますが、アメリカか中国いずれかで金融危機が生じたら、他方に、そして世界経済全体に波及するのは避けられず、当然ながら日本も大きな影響を受けるはずです。

 サブプライム問題も、欧州危機も煽られたほどには世界の終わりのような悲惨なことにはなっていません。金融緩和が奏功しているという評価もありますが、たんに先延ばしにしているだけという見方もあります。

2014年にアメリカ発の世界金融危機が起こるかどうかはわかりませんが、投資をしているなら、本書に書かれている内容は頭の片隅に入れておいてもよいかもしれません。心の備えがあれば、「予兆」が出たらすぐに舟から下りることができます。

investmentbooks at 22:03│Comments(0)TrackBack(0)clip!本--世界経済 

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家業再生のためしばらく書評ブログを休止していましたが、一段落したのでブログ再開します。以前は1日1冊のペースでしたが、今回の更新は不定期です。書評は以前と同じようにビジネス、投資、経済本が中心となりますが、これからはそれ以外の本の紹介に加えて、3年間集中して行った家業再生、その他アイデアだけは溜めていた多くのことを気ままに書き綴る予定です。
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2006年に開始し2010年7月にいったん休止。2013年7月より再開しました。
以前は1日1冊のペースで書評していましたが、再開後は不定期更新で、書評以外についても書きます。
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