2013年08月06日
家業再生52(ビジネスのサバイバル性2)
前回「生きるか死ぬか」と言ったことを書いたのですが、正確にはその時点では会社としては1億円くらいの債務超過なので、すでに「死んで」いたわけです。
金融機関が中小企業の評価をする時には、ほとんどの場合連帯保証人となって会社と運命をともにする社長の資産状況を一緒にして考えます。
債務超過が長期間継続してながらも会社が存続していたのは、ホテルを建てている父名義の土地の価値も同時に評価されていたからです。
ホテルを開業した頃は、小規模ではありますが、うちは資産家と言えたのかもしれません。
金融機関が中小企業の評価をする時には、ほとんどの場合連帯保証人となって会社と運命をともにする社長の資産状況を一緒にして考えます。
債務超過が長期間継続してながらも会社が存続していたのは、ホテルを建てている父名義の土地の価値も同時に評価されていたからです。
ホテルを開業した頃は、小規模ではありますが、うちは資産家と言えたのかもしれません。
しかしながら、ビジネスや金融に対する知識もなく、またそれらを吸収する意欲や謙虚さもなく、一定の資産を所有し、それにレバレッジをかけて起業するのは、ライオンなどの猛獣が徘徊するアフリカの草原を台車一杯に生肉を積んでのろのろと進んでいるようなものでした。
当然のことながら、ライオンは積んでいる肉に群がります。肉を食べ尽くすと、今度は台車を引いている人に目移りすることでしょう。
猛獣が積んでいる肉を食べているあいだは、自分自身の痛みを感じないのですが、資産は減り、確実に危機が近づいています。しかしながら、直接的な痛みがないので危機を深刻に感じることができません。
ちょっと生々しい喩えで恐縮ですが、サバイバルな状況がわかっていない両親にわかりやすく説明すると以上のようになります。 実際には、ビジネスの現場はもっとサバイバル性がわかりにくい状況かもしれません。
なぜなら、ライオンはそれとみて明らかに危険性を感じられるのですが、ビジネスの現場は猛獣に対するようには危険性を感じにくいからです。
いろいろと取り引きをする業者さんは、当然のことながら、非常に耳に心地よく響く言葉で取り引きの内容をくるんで話を進めます。当然その裏では、自社の利益を最大化するべく思案を巡らせています。
もうそれはそういうものです。ビジネスと同様にサバイバル性のある恋愛において、女性の優しい言葉や態度の裏には男性の価値に対する無意識的な計算があるのと同じことです。
取れるところからは取る、当たり前のことです。最初に高めに見積もりを出して、価格交渉することなく言い値で買う相手に、「これはうちが取りすぎだから、やっぱりちょっと値段下げましょう」とわざわざ申し出る営業の人はいないことでしょう。そして父は相手方の言い値で多くの取り引きをしていました。
値決めや取り引きの真剣勝負の場では、お互い相手方の力量を総合的に推し計っているものです。強い相手には強い相手に対する価格が、弱い相手には弱い相手に対する価格が自然に形成されます。
強さというのは多面的で、需給、商品価値、納期など客観的なものはもちろんですが、取り引きの場における真剣さ、戦略性、知識、不安への耐性、経験値、商品の相場を知っていることなどの要素も関係します。
ポイントは「自然に」という部分で、これは弱いものから奪うのがよくないという善悪の世界ではなく、強者が弱者から「自然に」資源を吸収する場である以上、仕方のないことです。
ライオンに肉を食べないようさせることはできません。なぜならライオンも自分の生存を維持するためにはそうせざるを得ないからです。
もちろん毎日戦場にいるような緊張感は必要ないとは思いますが、自分でビジネスをする以上は、どこかでサバイバルの世界にいることを頭の片隅に入れておかないといけない。
両親はいろいろと言い訳をしますが、創業してからの状態を冷徹に観察すると、弱者が「自然に」経済的資源を失う過程であったに過ぎないことがよくわかります。
当然のことながら、ライオンは積んでいる肉に群がります。肉を食べ尽くすと、今度は台車を引いている人に目移りすることでしょう。
猛獣が積んでいる肉を食べているあいだは、自分自身の痛みを感じないのですが、資産は減り、確実に危機が近づいています。しかしながら、直接的な痛みがないので危機を深刻に感じることができません。
ちょっと生々しい喩えで恐縮ですが、サバイバルな状況がわかっていない両親にわかりやすく説明すると以上のようになります。 実際には、ビジネスの現場はもっとサバイバル性がわかりにくい状況かもしれません。
なぜなら、ライオンはそれとみて明らかに危険性を感じられるのですが、ビジネスの現場は猛獣に対するようには危険性を感じにくいからです。
いろいろと取り引きをする業者さんは、当然のことながら、非常に耳に心地よく響く言葉で取り引きの内容をくるんで話を進めます。当然その裏では、自社の利益を最大化するべく思案を巡らせています。
もうそれはそういうものです。ビジネスと同様にサバイバル性のある恋愛において、女性の優しい言葉や態度の裏には男性の価値に対する無意識的な計算があるのと同じことです。
取れるところからは取る、当たり前のことです。最初に高めに見積もりを出して、価格交渉することなく言い値で買う相手に、「これはうちが取りすぎだから、やっぱりちょっと値段下げましょう」とわざわざ申し出る営業の人はいないことでしょう。そして父は相手方の言い値で多くの取り引きをしていました。
値決めや取り引きの真剣勝負の場では、お互い相手方の力量を総合的に推し計っているものです。強い相手には強い相手に対する価格が、弱い相手には弱い相手に対する価格が自然に形成されます。
強さというのは多面的で、需給、商品価値、納期など客観的なものはもちろんですが、取り引きの場における真剣さ、戦略性、知識、不安への耐性、経験値、商品の相場を知っていることなどの要素も関係します。
ポイントは「自然に」という部分で、これは弱いものから奪うのがよくないという善悪の世界ではなく、強者が弱者から「自然に」資源を吸収する場である以上、仕方のないことです。
ライオンに肉を食べないようさせることはできません。なぜならライオンも自分の生存を維持するためにはそうせざるを得ないからです。
もちろん毎日戦場にいるような緊張感は必要ないとは思いますが、自分でビジネスをする以上は、どこかでサバイバルの世界にいることを頭の片隅に入れておかないといけない。
両親はいろいろと言い訳をしますが、創業してからの状態を冷徹に観察すると、弱者が「自然に」経済的資源を失う過程であったに過ぎないことがよくわかります。
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この記事へのコメント
1. Posted by ぬ 2013年08月10日 21:46
いつも拝見させていただいております。
ビジネスはサバイバルという件、おっしゃる通りだと思います。よくあるのが、成功した経営者などは利益など二の次で、使命感やら公益性やらが、成功の源泉というものです。しかし、結局は自己利益の最大化が、ボランティアではない以上、求められるはずです。
つまり、経営者に求められるのは、その部分を理解して、言い換えるとある種の性悪説を取るのが妥当だと、私は考えています。
ビジネスはサバイバルという件、おっしゃる通りだと思います。よくあるのが、成功した経営者などは利益など二の次で、使命感やら公益性やらが、成功の源泉というものです。しかし、結局は自己利益の最大化が、ボランティアではない以上、求められるはずです。
つまり、経営者に求められるのは、その部分を理解して、言い換えるとある種の性悪説を取るのが妥当だと、私は考えています。
2. Posted by TERRY 2016年10月13日 20:26
私も、この記事と同じように私の人生でされました。