本--世界経済
2009年08月03日
『ウォール街の崩壊の裏で何が起こっていたのか?』
リチャード・ゴールドバーグ著 田村 勝省訳
2009年7月27日発行 2310円(税込)
ウォール街の崩壊の裏で何が起こっていたのか?―セルサイドからバイサイドへの勢力の逆転を現場の声で伝える
著者:リチャード ゴールドバーグ
販売元:一灯舎
発売日:2009-07
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著者はウォール街の金融機関で25年間勤務された方です。今は亡きリーマン・ブラザーズでの経験もあるようです。
本書のテーマは今回の金融危機を中心に、金融業界をセルサイドとバイサイドの二つに分け、それぞれの立場から著者の長年の業界における経験に基づいて、ウォール街の過去、現在、将来について述べられています。
続きを読む2009年08月02日
『巨大バブルがやって来る!』
木下 晃伸著 2009年8月3日発行 1260円(税込)
巨大バブルがやって来る!~金融危機終息後の「モラトリアム相場」の読み方~
著者:木下 晃伸
販売元:小学館
発売日:2009-07-30
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著者はファンドマネジャーやアナリストの仕事もされたことがある方で、現在は経済アナリストとして活躍されている方です。今までにも投資や経済についての著作がいくつかあります。
本書のテーマはタイトルの通りですが、以下の目次を見ると著者の主張の大筋を知ることができます。
続きを読む2009年07月17日
『世界不況を生き抜く新・企業戦略』
門倉 貴史著 2009年7月30日発行 819円(税込)
世界不況を生き抜く新・企業戦略 (朝日新書)
著者:門倉 貴史
販売元:朝日新聞出版
発売日:2009-07-10
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著者はエコノミストで、BRICsなどの新興国についての本などを数多く書かれている方です。本書では、金融危機と世界的な景気後退後の日本企業の戦略的なあり方について書かれています。
もともとグローバルな幅広い視点と、個々の国についての分析が著者の持ち味ですが、本書では戦略的な視点を踏まえて、その特徴が存分に発揮されていると思います。本書の目次は以下の通りです。
続きを読む2009年06月18日
『ソロスは警告する 2009 恐慌へのカウントダウン』
ジョージ・ソロス著 徳川 家広訳 松藤 民輔解説
2009年6月11日発行 1260円(税込)
ソロスは警告する 2009 恐慌へのカウントダウン
著者:ジョージ・ソロス
販売元:講談社
発売日:2009-06-12
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昨年の9月、リーマンショック直前に翻訳が発売された『ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ』の続編です。このブログでも紹介しています。
本書は、前著のペーパバック版が今年3月に発売されたときに加えられているものの翻訳のようです。前著でソロスが予想したことや、その予測に基づいて投資した結果などについて述べられており、前作を読んでいると、より興味深く感じられると思います。
続きを読む2009年05月26日
『環境ビジネス革命』
フレッド・クラップ/ミリアム・ホーン著 西村 美緒子訳
2009年5月30日発行 2310円(税込)
環境ビジネス革命
著者:フレッド・クラップ/ミリアム・ホーン
販売元:河出書房新社
発売日:2009-05-14
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翻訳は出たばかりですが、原書は昨年の2月に出版されています。本書はアメリカの視点で書かれた代替エネルギーについての本であり、以前紹介したトーマス・フリードマンの『グリーン革命』と同じテーマです。
翻訳は本書の方が遅く出ていますが、原書は本書が早く出版されています。フリードマンの本と比べて、本書はアメリカの国家戦略的な視点からの話が少なく、代替エネルギーについてのテクニカルな記述が充実しています。本書の目次は以下の通りです。
続きを読む2009年05月21日
『2011年まで待ちなさい!』
菅下 清廣著 2009年5月31日発行 1575円(税込)
2011年まで待ちなさい!
著者:菅下 清廣
販売元:フォレスト出版(株
発売日:2009-05-22
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まだ書影がありませんが、フォレスト出版の本です。著者は外資系金融機関で長年仕事をされていた方で、現在は「国際金融コンサルタント」をされています。
本書は普通とは異なった観点から書かれている本です。キッチン、ジュグラー、クズネッツ、コンドラチェフなどのサイクルを用いた相場の分析はたまに見かけますが、本書ではその分析に加えて算命学が用いられています。
続きを読む2009年05月19日
『世界はカーブ化している グローバル金融はなぜ破綻したか』
デビッド・スミック著 田村 源二訳
2009年5月31日発行 1890円(税込)
世界はカーブ化している グローバル金融はなぜ破綻したか
著者:デビッド・スミック
販売元:徳間書店
発売日:2009-05-19
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面白い本でした。今回の金融危機についての本ということで、テーマが以前に紹介した『市場の変相』に似ています。本書の原書は昨年の9月、リーマンショックの少し前に出ているようです。
本書が実際に書かれている頃から1年くらいは経つと思いますが、本書で著者が書かれていることは、ある程度現実化しており、今読んでも古さを感じさせません。
続きを読む2009年05月17日
『世界経済はこう変わる』
神谷 秀樹/小幡 績著 2009年5月20日発行 777円(税込)
世界経済はこう変わる (光文社新書 402)
著者:神谷秀樹/小幡績
販売元:光文社
発売日:2009-05-15
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『強欲資本主義 ウォール街の自爆』の著者と『すべての経済はバブルに通じる』の著者の対談です。前記の二冊は両方とも新書としてベストセラーになり、当ブログでも両方とも紹介してます。
本書は対談ですが、どちらかというと神谷氏考え方の色調が、より色濃く出ている印象を受けます。神谷氏は今回の金融危機の原因の一つとなったアメリカの金融資本主義を「強欲資本主義」と批判的に捉えられています。
続きを読む2009年05月14日
『「食糧危機」をあおってはいけない』
川島 博之著 2009年3月30日発行 1150円(税込)
「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks)
著者:川島 博之
販売元:文藝春秋
発売日:2009-03-26
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発売されてすぐに買ったのですが、しばらく積ん読になっていた本です。著者は大学の教官をされている方で、農水省の研究所や大学などで、システム工学的な発想を基に、長年食糧問題の研究をされている方です。
最近の食糧問題についての本は、今後地球上で食糧が不足するという論調のものがほとんどですが、本書は世間で騒がれているほど「食糧危機」については心配する必要がないという内容です。食糧危機が心配な方ほど、本書は目を通す意味が大きいと思います。
続きを読む2009年05月08日
『計画破産国家アメリカの罠 そして世界の救世主となる日本』
原田 武夫著 2009年4月22日発行 1680円(税込)
計画破産国家アメリカの罠 そして世界の救世主となる日本
著者:原田 武夫
販売元:講談社
発売日:2009-04-22
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外交官を経て独立後、自らのシンクタンクを経営されている原田武夫氏の新刊です。一般的に入手できる情報と独自の情報網をもとに、今後の世界情勢について独自の解釈とストーリーを構築されているのはいつも通りです。
本書では、今後のアメリカを中心とした世界情勢の展望と、日本の役割などについて述べられていますが、投資的には近々日本に「金融バブルにも似た状況が到来する」と書かれていることが見逃せないところです。
続きを読む2009年05月06日
『はじめてのグローバル金融市場論』
藤田 勉著 竹中 平蔵監修
2009年3月30日発行 1500円(税込)
はじめてのグローバル金融市場論
著者:藤田 勉
販売元:毎日新聞社
発売日:2009-03-27
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本書は慶應義塾大学における「グローバル金融市場論」という講義の指定教科書だそうです。著者は金融業界での実務経験が長い方で、監修者と講義を受け持たれているとのことです。
本書は指定教科書ですが、「金融の専門知識の解説などは最小限にとどめ、グローバル金融市場の概論と、経済、企業活動における金融市場の果たす役割を中心に議論を進める」という主旨のため、あまり教科書的な雰囲気はなく、一般の経済書と同じような読後感があります。
続きを読む2009年05月01日
『崩壊する世界 繁栄する日本』
三橋 貴明著 2009年3月20日発行 1470円(税込)
崩壊する世界 繁栄する日本
著者:三橋 貴明
販売元:扶桑社
発売日:2009-03-14
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著者の本は数日前に『本当はヤバくない日本経済』を紹介したばかりですが、それより少し前に出た本書もよかったので、記事にしたいと思います。
前回のものは日本についてでしたが、本書は世界の各国について統一的な経済的視点から紹介されています。紹介されている国々は、それぞれ順番に、アイスランド、韓国、ロシア、イギリス、ドイツ、スペイン、中国、アメリカ、日本と、今回の金融危機の影響をそれぞれ違った形で大きく受けている国々です。
続きを読む2009年04月30日
『資本主義崩壊の首謀者たち』
広瀬 隆著 2009年4月22日発行 756円(税込)
資本主義崩壊の首謀者たち (集英社新書 489A)
著者:広瀬 隆
販売元:集英社
発売日:2009-04-17
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著者は同じようなテーマで過去に何冊かの本を書かれています。それらの本では、世界を支配しているアメリカが、特定の家系や民族によって支配されているということが精緻な家系図とともに詳細に説明されています。
本書は新書なので、それらの本と比べて読みやすく書かれています。アメリカの時事的な一コママンガが多用されており、堅くなりがちな内容に柔らかさをもたらしています。今までの著者の著作と比べると、いろいろな点でリラックスして読めるように工夫されています。
続きを読む2009年04月24日
『オバマのグリーン・ニューディール』
山家 公雄著 2009年4月24日発行 1680円(税込)
オバマのグリーン・ニューディール
著者:山家 公雄
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2009-04-25
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表紙、オビの文字、裏表紙がグリーンなのが書店で目を引きます。さらには栞のヒモまでグリーンであり、こだわりが感じられます。著者は日本政策投資銀行の調査部でエネルギーや環境関連のことをされている方です。
本書はオバマ政権の環境・エネルギー政策について述べられています。比較的最新のことまで参考にされており、著者が今年3月にアメリカに行ったときの情報まで本書に反映されています。
続きを読む2009年04月05日
『ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興』
武田 知弘著 2009年4月5日発行 819円(税込)
ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興 (祥伝社新書151)
著者:武田 知弘
販売元:祥伝社
発売日:2009-03-27
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ヒトラーやナチスは否定的に語られることがほとんどですが、本書はヒトラーやナチスの経済政策だけを振り返って、参考になるところは参考にしようという主旨です。
第一次世界大戦で負けて経済的に苦境に立ったドイツが、ナチスやヒトラーの経済政策によっていかに短期間に甦ったかが分かりやすく描かれており、現代でも参考になる点が数多くありました。
続きを読む2009年04月03日
『グリーン革命』
トーマス・フリードマン著 伏見 威蕃訳
2009年3月19日発行 上下各1995円(税込)
グリーン革命(上)
著者:トーマス・フリードマン
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2009-03-20
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グリーン革命(下)
著者:トーマス・フリードマン
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2009-03-20
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世界的なベストセラーとなった『フラット化する世界(上)』『フラット化する世界(下)』の著者であるトーマス・フリードマンの最新作です。本書も力作で、上下巻合わせて650ページ程度の大作です。
本書の原書は昨年の9月に発売されましたが、アメリカではすでに100万部を超える売れ行きであり、オバマ大統領も「熟読」したとのことです。本書からは、アメリカという国について、今後のアメリカ経済と世界経済にゆくえについて、今後の地球環境問題について、今後の株式市場についてなど、さまざまなことを読み取ることができます。
続きを読む2009年03月29日
『大転換―脱成長社会へ』
佐伯 啓思著 2009年3月30日発行 1680円(税込)
大転換―脱成長社会へ
著者:佐伯 啓思
販売元:エヌティティ出版
発売日:2009-03-23
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著者は経済学者ですが、思想的な観点からの本を多く書かれています。本書も単に経済のことが書かれているだけではなく、経済思想によって世界の歴史を捉えなおした視点から、現在の状況が「大転換」の時期であるという主旨になっています。
本書は一ヶ月程度で急いで書かれた本のようです。口述がもとになっており、そのため話し言葉のわかりやすさがあります。著者御自身が書かれているように、論理の厳密さなどにはこだわられていないようですが、その分自由に考えたことが述べられており、かえって興味深く読めます。
続きを読む2009年03月26日
2009年03月14日
『なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学』
池尾 和人/池田 信夫著 2009年3月2日発行 1785円(税込)
なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学
著者:池尾 和人/池田 信夫
販売元:日経BP社
発売日:2009-02-19
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経済学者のお二人による講義形式の対談本です。著者のお一人は著名なブロガーですが、本書ではどちらかというと聞き役側です。本書は想像していたより読みやすい本でした。
巻末には用語解説、今回の金融危機の年表、読書案内などがあり親切な作りになっていると思います。本書は全部で7講ありますが、その内容は以下の通りです。
続きを読む2009年03月11日
『投資銀行は本当に死んだのか』
尾崎 弘之著 2009年2月23日発行 1995円(税込)
投資銀行は本当に死んだのか―米国型資本主義敗北の真相
著者:尾崎 弘之
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2009-02
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著者は現在大学の教官をされていますが、過去に投資銀行に勤務されていた方です。本書はここ数十年のアメリカを中心とした世界の経済や金融の歴史を振り返りながら、投資銀行の功罪について述べられています。
投資銀行は今回の金融危機に大きく関与しており、その結果アメリカの大手投資銀行は消滅してしまいました。最後の印象が重要なのは、行動経済学の本でもよく解説されていますが、投資銀行は最後のイメージがよくないだけに、現在はその功罪の「罪」の面に偏って語られていることが多いようです。
続きを読む2009年03月04日
『サブプライム後の新世界経済』
中原 圭介著 2009年3月18日発行 1575円(税込)
サブプライム後の新世界経済
著者:中原 圭介
販売元:フォレスト出版(株
発売日:2009-03-05
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著者の前作『サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践』はベストセラーになっていますが、サブプライム問題と世界経済についての著者の予測が当たっていること、読みやすく明快に書かれていることなどがその理由としてあるようです。
本書でも今後の世界経済の予測について触れられていますが、どちらかというと本書の力点は予測の具体的な内容よりも経済を予測する方法や考え方にあります。読みやすく明快なのは前著と同様です。本書の章のタイトルは以下のようになっています。
続きを読む2009年02月17日
『市場の変相』
モハメド・エラリアン著 牧野 洋訳
2009年2月28日発行 2200円(税込)
市場の変相
著者:モハメド・エラリアン
販売元:プレジデント社
発売日:2009-02-17
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訳者のあとがきによると、本書の原書は非常に評判が高いようで、ファイナンシャル・タイムズや英エコノミスト誌でビジネス書として大賞を受賞したりしているようです。原書の評判通り、実に読みごたえのある本でした。
著者は過去にIMFで15年勤務され、現在は世界的に有名な資産運用会社であるピムコでCEOとCIOをされています。また、大学の年金基金の運用もされているようです。本書の価値の高さは、著者が経済の理論面と投資の実践面の両方において傑出されているところから来ているように思います。
続きを読む2009年02月14日
『メルトダウン 21世紀型「金融恐慌」の深層』
榊原 英資著 2009年2月28日発行 1365円(税込)
メルトダウン 21世紀型「金融恐慌」の深層
著者:榊原 英資
販売元:朝日新聞出版
発売日:2009-02-06
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著者の本は最近よく出版されています。本書の最後に付属資料として1999年における著者の講演録が載せられていますが、そのタイトルは「市場原理主義の終焉」です。最近は著者の主張が受け入れられやすい情勢のようです。
今回の金融危機や世界同時不況については数多くの書籍が出版されていますが、本書の特徴は、著者の官僚時代の人脈に基づいて、米国の金融や財政の担当者のエピソードやこぼれ話が描かれているところでしょう。
続きを読む2009年02月11日
『投資銀行が邦銀に屈した日』
北村 慶著 2009年2月26日発行 1680円(税込)
投資銀行が邦銀に屈した日―キャピタルゲイン時代の次に来るもの
著者:北村 慶
販売元:東洋経済新報社
発売日:2009-02
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まだアマゾンでの書影はないようです。著者は現役の金融マンで、日々の業務の傍ら、金融についての啓蒙書を何冊も書かれている方です。
本書では今回の金融危機の原因や経過を、金融の知識があまりない方にもわかりやすいように解説されています。本書の各章のタイトルは以下の通りです。
続きを読む2009年02月03日
『金融資産崩壊---なぜ「大恐慌」は繰り返されるのか』
岩崎 日出俊著 2009年2月5日発行 798円(税込)
金融資産崩壊-なぜ「大恐慌」は繰り返されるのか (祥伝社新書140)
著者:岩崎 日出俊
販売元:祥伝社
発売日:2009-01-30
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オビに「落ちてくるナイフを素手でつかむな!」とあります。世界的な景気後退の収束については今のところ全くメドが立っていませんが、本書では過去のアメリカの大恐慌、そしてその影響によるわが国における昭和恐慌を振り返りながら、現在の世界経済の状況と金融資産の状況について考察されています。
読み始めは二次的な情報が多いように感じたため、記事にしようかどうか迷っていましたが、読み進めるにしたがって面白くなってきました。本書の目次は以下の通りです。
続きを読む2009年01月29日
『予見された経済危機』
倉都 康行著 2009年1月26日発行 1785円(税込)
予見された経済危機 ルービニ教授が「読む」世界史の転換
著者:倉都 康行
販売元:日経BP社
発売日:2009-01-22
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本書で「時の人」として採り上げられているルービニ教授とは、2006年のIMF総会で米国を中心とした世界的な景気後退を予想した方です。専門家も含めて、当時の多くの人々は米国のハードランディングは予測していませんでした。ルービニ教授は現在も以下のブログを更新し続けています。
Nouriel Roubini's Global EconoMonitor
本書はIMF総会の雰囲気を交えながら、ルービニ教授の主張を振り返りつつ、世界経済や金融について著者の考えも同時に述べられています。話の進め方は、昨年ベストセラーになった『資本主義は嫌いですか』を思い起こさせるような印象もあります。本書に書かれている当時のルービニ教授の見通しは以下の通りです。
続きを読む2009年01月28日
『世界がドルを棄てた日』
田中 宇著 2009年1月30日発行 1680円(税込)
世界がドルを棄てた日
著者:田中宇
販売元:光文社
発売日:2009-01-23
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著者は10年以上前から独自に世界中のメディアから情報を収集して、オリジナルな分析と考察を加え、インターネットを使って情報を発信し続けている方です。4〜5年前によく本を出版されていた印象がありますが、最近ひさびさに著書が2冊出版されました。本書はそのうちの1冊です。
著者が書かれている内容は、昔から国としてのアメリカの衰退と凋落が中心になっていますが、最近立て続けに著作が出版されたのは、ようやく著者が以前から主張されていたことが、一般的に受け入れられる時代の潮流になってきたからかもしれません。
続きを読む2009年01月26日
『グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに』
浜 矩子著 2009年1月20日発行 735円(税込)
グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書 新赤版 (1168))
著者:浜 矩子
販売元:岩波書店
発売日:2009-01
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まだアマゾンでの書影がありませんが、岩波新書の新刊です。著者は大学で経済の教官をされている方です。本書は派手さはないのですが、岩波新書らしくスタンダードな感じでまとめられています。
本書は現在の金融危機と景気後退のただ中にある世界経済の現況、原因、そして今後のあり方などについて満遍なく述べられています。シンプルな各章のタイトルを見ると、そのことがよくわかります。
続きを読む2009年01月24日
2009年01月22日
『暴走する国家 恐慌化する世界』
副島 隆彦/佐藤 優著 2008年12月30日発行 1680円(税込)
暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠
著者:副島 隆彦
販売元:日本文芸社
発売日:2008-12
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まだ書影がありませんが、副島隆彦氏と佐藤優氏の濃厚な対談本です。副島氏は『人類の月面着陸は無かったろう論』などといった著作もあり、内容の真偽はともかく、世間で当たり前と考えられていることに強力な構築力を持って独自の論を組み立てることについて傑出した力をお持ちの方です。
興味深いとは思いながらも、正直ちょっと「ついていけない」と感じることもなきにしもあらずですが、そのついていけなさは、内容に対してというよりも、そのような内容のものを次々とエネルギッシュに出されるその情動的な部分に由来するのかもしれません。
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