本--マネー哲学
2010年04月07日
『「お金」のシークレット―人生を変える“感情”と“お金”の法則』
デビッド・クルーガー著 神田 昌典監訳
2010年4月10日発行 1890円(税込)
「お金」のシークレット―人生を変える“感情”と“お金”の法則
著者:デビッド・クルーガー
販売元:三笠書房
発売日:2010-04-02
おすすめ度:
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監訳者の名前で買ってしまう本ですが、期待を裏切らない本です。著者は精神科医の方で、著者紹介によると、「いかに「無意識下の思い込み」がお金の問題として露見するかに着目」されたそうです。
著者紹介からは、自己啓発書にありがちな潜在意識本的な内容を想像しましたが、思ったよりも「ふつうに」書かれている本でした。「ふつう」というのは、潜在意識などについてふだんあまり関心がない方にとっても、本書はそれほど内容に抵抗を感じないのではないかということです。本書の目次は以下の通りです。
続きを読む2010年03月30日
『お金とつきあう7つの原則』
山崎 元著 2010年3月31日発行 1365円(税込)
お金とつきあう7つの原則
著者:山崎 元
販売元:ベストセラーズ
発売日:2010-03-26
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著者の本は過去に何冊か紹介させてもらいましたが、著者のお金について書かれている本の中では、おそらく本書が最も読みやすい本です。テーマも「お金について」ということで、かなり絞り込まれているのも分かりやすい点です。
本書はライターの協力を得て書かれたようであり、語りおろし的な要素が含まれているので、プライベートな体験も交えながら、著者がお金についてふだんより自由に語られている印象があります。本書の目次は以下の通りです。
続きを読む2010年02月23日
『香港に住む大富豪41の教え』
大塚 純著 2010年2月18日発行 1470円(税込)
香港に住む大富豪41の教え
著者:大塚純
販売元:かんき出版
発売日:2010-02-17
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著者は実際に中国関係の資産運用業務をされている方です。本書は著者が実在の「香港に住む大富豪」との交流を通じて、さまざまな内容の教えを受ける対話形式の物語調の本になっています。
本書のような本は、どちらかというと景気がよいときに出版されることが多いようで、最近はあまり書店で新刊を見かけません。本書の目次は以下の通りです。
続きを読む2009年11月30日
『お金が“いやでも貯まる”5つの「生活」習慣』
トマス・J・スタンリー著 本田 健訳
2009年12月16日発行 1523円(税込)
「ふつうの億万長者」徹底リサーチが明かす お金が“いやでも貯まる”5つの「生活」習慣 (East Press Business)
著者:トマス J スタンリー
販売元:イースト・プレス
発売日:2009-11-25
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原著者は『となりの億万長者―成功を生む7つの法則』『なぜ、この人たちは金持ちになったのか』などの本で有名な研究者です。後者の本は文庫になっており、このブログでも紹介したことがあります。訳者もよく知られている方です。
本書は過去に書かれた著者の本のダイジェスト的な内容で、本文も二色刷りで読みやすくなっていると思います。本書の目次は以下の通りです。
続きを読む2009年07月16日
『波瀾の時代の幸福論 〜マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る』
ジョン・C・ボーグル著 山崎 恵理子訳
2009年7月8日発行 1680円(税込)
波瀾の時代の幸福論 マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る
著者:ジョン C ボーグル
販売元:ランダムハウス講談社
発売日:2009-07-09
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著者は世界的に有名な投資会社バンガードを創業された方です。バンガードは、低コストのインデックスファンドを世界的に広めた会社です。
本書の原題は『Enough: True Measures of Money, Business, and Life』(充分:お金、ビジネス、人生の本当の尺度)ですが、「波瀾の時代」という言葉はグリーンスパン前FRB議長の本のタイトルを思い浮かべます。あちらの方は「波乱の時代」なので微妙な違いがあります。
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『新・資本論 僕はお金の正体がわかった』
堀江 貴文著 2009年7月24日発行 680円(税込)
新・資本論 僕はお金の正体がわかった(宝島社新書 292)
著者:堀江 貴文
販売元:宝島社
発売日:2009-07-10
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著者は言わずと知れた方です。各章の始めにインタビューの導入があり、その後に本文がある形式になっています。活字が大きく、ページ数も少なく、行間も広いので、通読しやすい本です。文字情報は少なくシンプルですが、内容は濃いと思います。
本書のテーマはお金ですが、お金を生むものが信用と書かれているので、本書のテーマは信用ということになると思います。各章のタイトルは以下の通りです。
続きを読む2009年04月16日
『お金に愛される生き方』
邱 永漢著 2009年4月10日発行 1260円(税込)
お金に愛される生き方 (学びやぶっく)
著者:邱 永漢
販売元:明治書院
発売日:2009-04
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「学びやぶっく」という新しいシリーズの一冊ですが、本書は10年前に出版された『お金に愛される原則』の改題・改訂版です。
著者は金融リテラシーという言葉が存在するはるか前から、日本人に金融リテラシーをやさしく説明している本を数多く書かれている方です。本書は過去に出版された著者の本から、テーマごとに分類されて抜粋された本です。それらのテーマは以下の通りです。
続きを読む2009年04月12日
『億万長者 富の法則』
2009年02月05日
『借金の底なし沼で知ったお金の味』
金森 重樹著 2009年2月15日発行 1680円(税込)
借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記
著者:金森 重樹
販売元:大和書房
発売日:2009-02-05
おすすめ度:
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営業やマーケティングについて、インパクトの強い本を数多く書かれている金森重樹氏の新刊です。過去の著者の本にもお金で苦労された体験の断片が書かれていますが、本書はその体験に焦点を絞って書かれています。
本書は心の深い部分に訴えかけてくるものがあり、内容が内容だけに、読んでいる途中で軽いめまいが起こるくらいのインパクトがありました。著者も後書きで以下のように吐露されています。
続きを読む2008年09月24日
『なぜ、この人たちは金持ちになったのか』
トマス・J・スタンリー著 広瀬 順弘訳
2008年9月1日発行 880円(税込)
なぜ、この人たちは金持ちになったのか (日経ビジネス人文庫 ブルー す 5-1)
金持ち本の元祖ともいえるベストセラー『となりの億万長者―成功を生む7つの法則』の続編ですが、7年前に単行本として発売されたものが同名のタイトルで文庫化されたものです。いずれもすでに読まれた方も多いと思います。自分も単行本で読みましたが、今回文庫になったので買って読み返してみました。
原書のタイトルは『The Millionaire Mind』(ミリオネア・マインド)です。この言葉は日本語でもよく耳にします。著者はアメリカの大学教授で、本書は数多くの億万長者に対する調査結果がまとめられています。
続きを読む2008年08月29日
2008年08月26日
『ニュー・リッチの王国』
臼井 宥文/光文社ペーパーバックス編集部著
2008年8月30日発行 1000円(税込)
ニュー・リッチの王国 (Kobunsha Paperbacks 124)
富裕層や富裕層マーケティングの本を数多く出されている臼井宥文氏と光文社ペーパーバックス編集長の山田順氏、そして編集者の藤あすかさんの共著です。本書はペーパーバックですが、かなりの期間と数多くの取材を通じて書かれた力作で、ページ数も400ページ近くあります。
本書は上記の3人の方がいろいろな立ち位置から書かれているので、内容が豊富であり、さまざまな読み方ができると思います。
続きを読む2008年06月24日
『億万長者になる人とそこそこで終わる人の10の分かれ目』
キース・キャメロン・スミス著 小巻 靖子訳
2008年5月26日発行 1260円(税込)
講談社から出版されています。講談社は昔からある大手出版社の中では、投資などのお金に関連する本を、最近の時代に流れに応じて比較的多く出版しているのが目につきます。本書もその中の一冊です。
本書は数多くのビジネスを手がけられた著者が、成功への10の条件をまとめた本です。わずか一週間で書き上げたと書かれているように、ページ数も123ページしかありません。言葉もやさしく、本書のような内容の本を読まれている方であれば、1時間程度で読めるかもしれません。
2008年06月17日
『年収が10倍アップする 超金持ち脳の作り方』
苫米地 英人著 2008年7月1日発行 1365円(税込)
苫米地氏の本は『洗脳』を数日前に紹介したばかりですが、本書も同じ時期に出たので日をあけずに紹介することになります。アマゾンで見ると近日中にさらに新刊が出るようです。
本書は装丁、タイトルともにかなり売ることを意識して作られているように思います。タイトルには「年収10倍アップ」「金持ち」「脳」などの最近売れ筋のキーワードがちりばめられています。
続きを読む2008年05月30日
『ニューリッチの成功法則』
高城 幸司/原田 曜平著 2008年6月12日発行 1680円(税込)
ニューリッチの成功法則―目指せプチ富豪! 年収2000万円突破で世界が変わる!
コンセプトがはっきりしている本です。サブタイトルにあるように、年収2000万円を目指そうという主旨です。その根底には、年収1000万円の目標では不十分という考えがあります。
本書は内容の半分程度が年収2000万円以上の6名の方々に対するインタビューです。収入の獲得方法はさまざまですが、それぞれのインタビューの最後に、話の内容に基づく成功のポイントが簡潔にまとめられています。
続きを読む2008年04月18日
『3年で富裕層になる!』
臼井 宥文著 2008年4月25日発行 1500円(税込)
3年で富裕層になる!―4000人の新世代リッチと会ってわかった方法
富裕層や富裕層マーケティングについての著作が何冊かある著者の新作です。今回は実践的な色合いが濃くなっており、やや自己啓発的な香りも漂います。
タイトルの3年で富裕層になるについてですが、1年目、2年目、3年目のプランは以下のようになっています。
続きを読む2008年04月16日
『わが子に「お金」をどう教えるか』
篠上 芳光著 2008年3月10日発行 798円(税込)
週末に三省堂へ立ち寄ったとき、新書の売り上げランキング第3位だった本です。10位以内に入っていた新書のうち、本書だけ内容を詳しく知らなかったので買ってみました。
発売当初本屋でざっと目を通したのですが、アンテナに引っかかりませんでした。自分の感覚と実際の売れ行きが異なっており、そのことも購入した理由の一つです。
続きを読む2008年01月31日
『世界一愚かなお金持ち、日本人』
マダム ホー著 2008年1月15日発行 1050円(税込)
著者は日本人生まれですが、インドネシアの華僑と結婚されています。著者の本は過去に1冊紹介したことがあります。
『カリスマ華僑夫人が教える! 世界の富める男たちのお金と愛情の法則』
本書は新書版サイズに近く、前著よりもさらに読みやすい本になっています。
続きを読む2008年01月27日
『あなたに金持ちになってほしい』
ドナルド トランプ/ロバート キヨサキ他著
白根 美保子/井上 純子訳
2008年1月25日発行 2310円(税込)
ロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さんシリーズ」の新刊です。このシリーズは新刊が出ても、内容の多くはそれまでのシリーズで書かれたものと重なっています。本書も真新しさはないのですが、アメリカの「不動産王」であるドナルド・トランプ氏との共著であることが新たな売りになっています。
ドナルド・トランプ氏はテレビに出演していることもあり、アメリカではかなり有名な方です。日本での知名度はロバート・キヨサキ氏と比べると今ひとつですが、何冊か翻訳された本も出ています。
続きを読む2007年10月30日
『客家大富豪 18の金言』
甘粕 正著 2007年10月25日発行 1680円(税込)
不思議な巡り合わせで著者が華僑の客家大富豪と知り合い、ビジネスを展開しながら人生に成功するための「18の金言」を大富豪から直接学んでいくという話です。プライバシーの関係で、細かいところは実際とは違うところもあるそうですが、大筋では実話だそうです。
どのような巡り合わせかということについては、本書の核心となる部分ですので、ここでは書けませんが、まさに「事実は小説より奇なり」といった内容で、小説のような話が繰り広げられます。
「18の金言」については、内容としては全く新しいということはないのですが、ほぼ実話に近い話とともに書かれているので、新鮮さがあります。ここでは、3つだけ書いておきます。
- 許すことを知れば運命は変えられる
- 何を始めるかに最も時間を費やすべし
- 汗ではなく考えることこそが富を生む
風水や占いなどの話が出てくるところも興味深い点です。中国に行ったときにも、本屋には関連書がたくさん置かれていました。先が見えなく不安定なビジネスはこれらのものと相性がよいのでしょう。
本書を読むと、成功には運が極めて重要な要素であることを教えられます。著者の運のよさには驚かされますが、それ自体が本書の売りになっているようです。本書によると、運を変えるのも自分の想いや行いによるため、結局のところすべては自分にかかっているということになるようです。
2007年09月11日
『“本当の豊かさ”を引き寄せる「お金持ちマインド」の育て方』
中野 裕弓著 2007年9月26日発行 1365円(税込)
マネー哲学本です。マネー哲学本は洋モノの翻訳が多いのですが、本書は日本人の手によるものです。著者は、『世界がもし100人の村だったら』の原文を訳してインターネットで最初に配信した方です。
プロローグで、「お金は、降ってくるもの。しかも無制限に」とあります。本文では、7つのステップに分けており、それぞれが章のタイトルになっています。章の終わりに書き込み式の課題があります。
- 豊かさの「似合う人」になる
- 「BE」を持つ
- 「直観」を信じる
- 「マインド・ブロック」を手放す
- 「富の習慣」を身につける
- 「稼ぎ方」を変える
- 「Win-Win」を手に入れる
二番目の「BE」がややわかりにくいですが、一番目の「豊かさの似合う人」であることです。全体的に極めて精神論的な内容であり、お金持ちになるためには心の持ち方が重要であるということを強調されています。
本全体にポジティブさが満ちあふれており、読んでいるだけでよい影響を受けそうです。スピリチュアルな視点から書かれているため、本に透明感があります。中国の陰陽思想のイメージでは、陽の要素が非常に強い本です。
本書を読んだだけでは、陰の要素が足りないので、日常生活における応用が必要です。そうしてはじめて陰陽全体のバランスが取れることでしょう。
2007年07月09日
『宇宙を味方にしてお金に愛される法則』
ボブ・プロクター著 岩本 貴久訳
2007年6月27日発行 1575円(税込)
原著者のボブ・プロクターは成功哲学や自己啓発で著名な方のようで、ナポレオン・ヒルの流れをくむ方です。また、翻訳者の岩本貴久さんは、日米で複数の会社を経営して、自己啓発やマーケティングを中心に活動されているようです。
本書は、ナポレオン・ヒルの成功哲学の影響を受けた方によって書かれており、目的は「現在のあなたの状態と、あなたが望む状態との橋渡しをする」ことだそうです。全部で10の法則にまとめられています。
- お金について知る
- 足るを知る
- イメージの力を使う
- 宇宙を味方にする
- 期待する
- 振動と誘因の法則
- リスクを冒す
- 失敗を恐れない
- 前を向いて前進する
- 捨てる
以上が10の法則ですが、かなり抽象化されているため、これだけではなかなかわかりにくいかもしれません。本書のような潜在意識を利用した成功哲学の本をよく読まれている方であれば、これだけでも内容が想像できると思います。
本書は原書では『You were Born Rich 』というタイトルであり、日本語のタイトルと同様お金を連想させますが、お金以外のあらゆる豊かさの達成について当てはまる内容です。
原著者や翻訳者も強調されていますが、このような本は正しいか間違っているかを論じるものではなく、実行してそれが実際に自分に起こるということが重要なようです。このことは本書に限らず、成功哲学の本全般に共通するように思います。
いろいろと成功哲学の本はありますが、本書は簡潔・明瞭に必要十分なことが読みやすくまとめられており、興味のある方にはおすすめできる本です。
2007年05月28日
『「幸せのゴール」を呼び寄せるお金との付き合い方』
アーノルド・M・パテント著 あさり みちこ訳
2007年5月31日発行 1600円(税抜き)
著者のアーノルド・M・パテントは弁護士、実業家として成功し大富豪となった方です。現在は、「万能(宇宙)の法則」に生涯を捧げるべく、「国際サポートグループネットワーク」を設立して、ビジネスからは引退しているそうです。
本書は、もともとの原著のタイトルは「お金とお金を超えたもの」という意味であり、お金を超えたものの方に強い力点が置かれています。スピリチュアル性がかなり強い本なので、その方面に興味のない方には、あまりおすすめできないかもしれません。
著者のスピリチュアルな世界観に興味のある方は、以下の本がおすすめです。アマゾンでも評価が高いようで、一時期は品切れ状態で高価格で取引されていました。この本はより完成度が高く、五つ星です。
本書の内容を象徴的に表すようなフレーズをいくつか書きます。テーマはお金のスピリチュアル性です。
- お金はエネルギーである
- お金は自分を拡大するツールである
- お金では真の安心感は得られない
- お金には真のパワーはない
- お金との関係は認識の拡大にしたがって拡大する
- お金は人間の意識を反映する
- お金は自分が学ぶべきことのインストラクター
- お金に対する抵抗を緩めればお金は自然に流入する
- お金の問題を解決する唯一の方法はオープンな心
お金よりスピリチュアリティを徹底して優先しています。物質的な世界観、精神的な世界観いずれでも、真摯に追求することにより、お金を手に入れることはできると思いますが、お金を手に入れた後の幸福度に違いが出てくるかもしれません。
読んでいて心が自由に拡大するような感覚を抱かせる本でした。
2007年05月22日
『豊かな資本家になるための成功塾』
久保 雅文著 2007年5月24日発行 1100円(税抜き)
著者は過去にネットワークビジネスについての著作などがあります。現在はビジネススクールや予備校の経営をされているとのことです。
本書は、活字が大きく100ページちょっとのコンパクトな本です。すぐに読めますが、経済的に成功するための心構えが必要十分なだけ書かれています。
はじめに、これからの日本経済の展望が簡潔に述べられており、教育や社会システムの仕組みについての解説があります。ロバート・キヨサキ氏のキャッシュフロークワドラントについても書かれています。
日本の教育システムは、優秀な労働者を育成する目的で存在するため、自ら資本主義の仕組みを勉強する必要があるということです。たしかに著者の書かれているように、商取引において不可欠にもかかわらず、普通の学校では簿記や会計の知識を教えてくれません。
さらに、現代の日本では、社会人になっても、いまだに税金や社会保険のことは自分の頭で考えなくてもよいようになっています。「民はよらしむべし 知らしむべからず」の江戸時代と本質的には変わりがないように思います。
著者はビジネススクールの経営をされているだけあって、大人になってからの教育の重要性を強調されています。著者の学校では、純資産1億円を目標にしているとのことです。
経済力を得る目的としては、「お金より大事なものを優先できるから」とのことです。たしかに、お金があると自分の心にうそをつく機会が減るかもしれません。お金があると、束縛されることが少なくなり、より自由になります。
個人的には、「ここにお金があると社会がよくなる」と自分が思っているところにお金を投資できるのも経済力を得るための目的ではないかと思います。自分はまだそのような境地に至ることができていませんが、たっぷりお金を得て、お金で満たせる欲望を満たしてしまった後は、それがお金を使う一番の楽しみになるような気がします。役割としては、知恵も同じかもしれません。
2007年04月09日
『「心の法則」を使ってお金を引き寄せる方法! 』
ジョセフ・マーフィー著 リチャード・H・モリタ訳
2007年4月25日発行 1300円(税抜き)
「心の法則」を使ってお金を引き寄せる方法! 水をぶどう酒に変える魔法の公式
「マーフィーの法則」で知られるジョセフ・マーフィーの本です。本書は本邦初翻訳とのことですが、すでに「マーフィーの法則」についての本を読まれた方は、新しい内容はあまりないかもしれません。
「お金を引き寄せる方法」、「水をぶどう酒に変える魔法の公式」と大きく2章に分かれていますが、タイトルにもなっているように、はじめの章でほぼ内容が言い尽くされています。
ポイントをいくつかまとめると
- お金、あるいはお金を欲しいと思うことは悪いことではない
- お金を持っている人に嫉妬してはいけない
- お金と愛情は与えれば与えるほど返ってくる
- お金を得るためにはお金を好きになる必要がある
- お金の流れは無限に存在する
- 「足りない」という想いは成長への原動力となる
となります。
潜在意識にからめて書かれているマネー本でよく言われていることですね。マーフィーによる潜在意識の活用は、お金だけでなく、人間が欲求するものすべてに置き換えることができます。何か欲しいものがあれば、お金の代わりに言葉をいれてみてください。何となく楽しくなってきませんか?
さて、マーフィーの法則は正しいのでしょうか?
答は「わからない」です。人によっては、「正しい」と言う人もいるでしょうし、「正しくない」と思う人もいるでしょう。神を信じるかどうかと同じです。おそらく一生考えても、考えただけではわからないでしょう。
食べ物の味は食べてみないとわからないし、異性ともつきあってみないとわかりません。食べてみておいしければ食べ続ければよいし、つきあってみて楽しければつきあい続ければよい、同じように、マーフィーの法則を活用してみて有効であると思えば、使い続ければよいと思います。
2007年03月13日
『お金に好かれる人お金に嫌われる人』
中井 隆栄著 2007年3月6日発行 1500円(税抜き)
著者は、過去に飲食店や不動産管理など複数の会社の社長をされており、さらに京都府、京都市の公職を40も歴任されていました。現在は経営コンサルタントとしてご活躍のようです。
本書では潜在意識を魔法のランプに喩えています。お金に好かれるためには、お金を好きになる必要があるとのことです。お金を好きになるためには、お金に対するトラウマを解消する必要があり、そのための方法も書かれています。
その後は、以前に本ブログでも紹介したラッセン・コンウェルの本をもとに、自分の中に眠る「ダイヤの原石」を発掘し磨くことにより、自分のビジネスを行う方法について具体的に語られています。
お金に好かれる方法、人に好かれる方法、さらに成功後にバランスを取るための浄財(寄付)の心構えなどについても述べられています。
マネー哲学の本には、お金についての心の持ち方に対する話がよく出てきます。お金はもともと実体がなく、きわめて心理的なものだからです。最近は電子化が進んで、お金は情報に限りなく近づいています。現代はお金の元々の性質を理解しやすい時代になっていると思います。
お金は心理的なものなので、心の持ち方を変えることによって好きなだけ入ってくるということを述べた本書のような本は数多くあります。成功者によって書かれていることが多いので、おそらく正しいのでしょう。
心の持ち方でお金が入るということは、お金で買うことのできるものは何でも手にいれることができるということで、心の持ち方を変えればたいていのものは手に入ってしまいますね。
しかしながら、自分の心の持ち方を変えるのはむつかしいことが多いです。自分自身の心を見つめる作業はつらいことが多いですから。だからなかなか欲しいものが手に入らないことが多いのでしょう。
欲しかったものが手にはいると、本当に大切なのは欲しかったものを手に入れるときに到達することのできた心の状態であることに気付くかもしれません。その時には、欲しかったものの価値はなくなっていることでしょう。
2007年02月14日
『富と宇宙と心の法則』
ディーパック・チョプラ著 住友 進訳
2007年1月5日発行 1500円(税抜き)
しばらく内容が堅めの本が続いたので、今日はすこし元気が出る本にしたいと思います。
著者は古代インド医学アーユルヴェーダの医師で、現在はアメリカで心身の健康について古代インド哲学の観点から活動されています。数年前のニューズウィークの特集でも著者が出ていたように思います。
原書の英語版は1993年に出版されており、日本語訳が出るまで15年弱たっています。もともとはそんなには新しい本ではありませんが、内容の性質上古さは感じさせません。
著者の主張によると、宇宙と一体になり富の意識を身につければ、もともと宇宙には無限の豊かさがあるため、誰でも自然に無限の豊かさを享受できるということです。
豊かさの定義は、いかにお金があるかということではなく、欲求が簡単にかなえられ、願望がひとりでに実現する経験のことだそうです。
本書では、無限の豊かさを得るための、AからZまでの26のステップが述べられています。英語では、AからZまでがそれぞれ英語の文章の頭文字となっているのですが、日本語版では訳されているため、とくにアルファベットに意味はないようです。
この手の本によくありますが、量子力学的な解釈もされています。個人的には、このような現代物理学的な解釈はあえて必要ないような気がします。
古代インド哲学がベースとなっているため、やや宗教的です。この本はそのような意味で評価が分かれる本であると思います。宗教的な世界に馴染みがない方は取っつきにくいかもしれません。個人的には、この種類の本は、まず始めに信じる信じないというよりも、実践できるところから実践して結果で判断するべきであると思います。
ちなみに26のうちいくつか書くと
- 判断は必要ない
- 受け取ることは与えることと同じくらい必要である
- 収入の10分の1を無条件に手放す
- 失敗には成功の種が含まれている
などがあります。なんとなく気分的にも楽になれそうな気がしませんか?
無限の富があるという考えは、自分が自分自身に限界を設定してしまわないためにも重要であると感じます。
中国、インドなどの経済発展が10年くらい前からさかんに言われています。この両者の国については物作りやITなどに注目が集まりがちですが、経済を語るときにはあまり言及されることのない伝統的な哲学や思想などが国の根底に流れていることにも、他の国にあまりない強さがあるように思います。
2007年01月25日
『香港大富豪のお金儲け 7つの鉄則』
林 和人著 2006年10月10日発行 1300円(税抜き)
中国株専門のネット証券会社ユナイテッドワールド証券を設立し、現在は会長をされている著者が書かれた本です。香港の華僑とのつきあいによって得られた、彼らの日常生活がリアルに描写されています。
私もユナイテッドワールド証券に口座だけはあるのですが、実際の中国株への投資は行っていません。暴落したら買おうと思って数年待っているのですが、なかなか下がりませんね。まあ、中国株への投資は長期に考えた方がよいと思っているので、気長に待っています。
本書では、華僑のお金についての鉄則が7つにまとめられています。
- 経済的合理性を第一に考える
- お互いに儲ける
- お金に感情をはさまない
- 資産は不労所得で増やす
- 一極集中投資こそ王道
- 国境を越えて投資する
- つねに3年先を検証する
5の「一極集中投資こそ王道」が、一般的な投資の本に書かれているものとの一番の違いでしょう。もちろん、そのためには情報収集力が欠かせません。多くの人の賛同を得るためには、分散投資をする方がよいと言っておくのが一番無難です。たくさんの人に集中投資を勧めると、必ず一定の割合でうまくいかない人がでてきます。でも実際のところは、本当に莫大な資産を築くためには、あまり分散させすぎない方がよいのかもしれません。
ほかに華僑がつきあう人物を選ぶ3つの基準などもあり、参考になります。ちなみにその3つとは、よく働き、賢く、信用できるというものです。
以上に述べたこと以外にも、さまざまな華僑の判断基準、思考過程などが豊富に書かれており、本書は世界のお金の流れの一部を読み解くために役立ちます。
しかし、資産数千億などと聞くと、ふと何のためにさらにお金を増やしているのか疑問に思ってしまいますね。そのような疑問を持ってしまうと、数千億にまでお金を増やすエネルギーが湧いてこないかもしれません。何のためにやっているかと疑問に思わないことも、大きなことを達成する重要な資質の一つかもしれません。
2007年01月23日
『バビロンの大富豪―「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか』
ジョージ・S. クレイソン著 大島 豊訳 2000年3月1日発行 1500円(税抜き)
バビロンの大富豪―「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
日本での出版は2000年ですが、もともとはアメリカで1926年に出版され、以来売れ続けている本です。古代に繁栄した国であるバビロンを舞台として、さまざまな登場人物により、富を築く方法が語られます。
本書では、重複する部分もあるのですが、登場人物を変えてさまざまな富を築くための法則が語られます。そのうちの一つである、「五つの黄金法則」については以下の通りです。
- 収入の一定割合を必ず貯蓄する
- 貯蓄を投資する
- 投資の専門家のアドバイスを受ける
- 自分が知らないことには投資しない
- うますぎる話には注意する
その他、本当の財産は「お金を持っていることではなく、お金の流れである」など、最近の資産運用の本にもよく登場する内容ですね。
「まず持ち家を持つ」など、現在とは若干異なる考え方もあります。持ち家を所有すると、家賃として流出するキャッシュを減らすことができるということなどが理由のようです。最近ではほとんどの場合において、住宅ローンを借りて金利の分も加えて返済することになっている場合が多いため、現代の日本では、この考えについてはあまり当てはまらないかもしれません。
本書の内容自体は、きわめて正統的で話もよくできているのですが、気になったのは出版時期です。アメリカでは1926年に出版され、日本では2000年の3月に出版されています。出版時期を見てなにか思い当たりませんか?
ピンとこられた方もいるかもしれませんが、アメリカでは大恐慌の前の株価の急上昇期、日本ではITバブルのピークの時期です。日本で出版が企画された時期は、おそらくITバブルの急上昇期であったと思われます。
このようなわかりやすい資産運用の本が企画されたり、売れたりするときはバブルの時期が多いのではないかと思います。
株が上がる→資産運用に興味を持つ人が増える→資産運用の本を読む→本を読んで投資をする→株価上昇→ますます資産運用に興味を持つ人が増える→・・・・・・・
となって、最後には行き着くところまで行き着いてバブルがはじけてしまいます。
本書自体はよく書かれており、良書であると思います。我々が注意しないといけないのは、本書のような本が出版されたり、ベストセラーになるような時期は、株価のピークに近づいているという認識を持つことではないでしょうか?
2006年12月25日
『とびっきりのお金の話をこれからしましょう。』
ラッセル・コンウェル著 山田 敏子翻訳
2006年12月30日発行 1000円
発行が12月30日となっていますが、発行日前に書店にならんでいました。(よくあることですけどね)
著者は、軍人→弁護士→牧師という経歴です。1925年に亡くなっているので、この本はおよそ100年くらい前の内容といえるでしょう。
原題は『Acres of Diamonds(莫大な数のダイヤモンド)』であり、日本語のタイトルはニュアンスが違っています。この本の内容を6000回以上(毎日おこなっても20年弱!)も著者は講演したとのことなので、マーケティング的なことも考えあわせると、適訳かもしれません。
最初に、お金に関する罪悪感をもつ必要はないという内容の話が出てきます。聖書には「金持ちが天国に入るのは、らくだが針の穴をくぐるのよりも難しい」という言葉がありますね。牧師が語っているところに、100年前のアメリカでは新鮮さがあったのかもしれません。
お金を稼ぐことに対する罪悪感のようなものは、現代の日本にも見受けられます。最近の自己啓発本でも、まずはお金に対する罪悪感を持っていることを自覚して、それがあるようであれば捨てるようにとよく書いてあります。100年前からも同じような考えがあったのですね。
聖書の言葉ですが、ポイントは「難しい」というところです。解釈にもよりますが、必ずしも不可能といっているわけではありません。お金を持ってしまうと、どうしてもお金に執着してしまいやすいため、「難しい」ということになってしまうのではないかと思います。本当のところは、イエスにたずねないとわかりませんが、「いくら莫大なお金があってもお金に対する執着がなければ、天国に入ることは可能である」とも解釈できるかもしれません。
ただ、ふつうはお金に執着しないのは難しいので、やはり「難しい」となってしまいます。
私の考えでは、お金を稼いでも稼がなくてもいずれにせよお金に対する執着があるのであれば、やはり稼いだ方がいいのではないかと思います。おもいっきり稼いで莫大なお金を手に入れると、逆にお金の限界がわかって、長い目で見ると、執着がなくなるのではないかと思うのです。
この本には、お金に対する罪悪感をなくすということ以外に、元手はなくてもよい、お金儲けのネタは身近にある、などといったことが、平易な言葉でわかりやすく述べられています。
自己啓発本をよく読まれている方には新味はない内容と思いますが、この手の考え方は、ある意味一般的な考え方と異なる点も多くあるので、身につけるためには、たとえ根っこの内容が同じでも、折に触れてさまざまな本で読み返すのがよいのかもしれません。